表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/116

朝ご飯

今朝の朝ご飯は、ママと二人きりだった。


私を産んだ人って…………どんな人だろう……。パパの不倫相手……。ママを見て、ふと思う。ママはどうして……隆兄の拾って来た私を、育てようと思ったんだろう……。今思えば、ママの両親、つまりはお祖父ちゃんとお祖母ちゃんには、昔から会う機会があまりなかった。


「ねぇ、ママはブルゾン真咲子とか言われて嫌じゃない?」

「あはははは!祐也ね?言いたい奴には言わせとけばいいんだよ!」


自分はママゆずりの性格だと思ってた。ママの、サバサバした性格が好きだ。びしっとスーツを着こなして、キリッとしたメイク、みぞおちに刺さりそうな、尖ったハイヒールがカッコいい!そう思っていた。


お兄ちゃん達は、ブルゾン真咲子じゃん!あ、ママの名前は真咲子。そう言っていたけど…………私はブルゾン真咲子が理想。


「それに、言われてるうちが華だしね~!」

「華?」

「悪口って興味があるって事でしょ?興味持たれない方が悲しいね。」

そう言えば…………ゆたか君もそんなような事を言っていた。

「あたしは、周りがそう望むなら、精一杯答えたいって思うよ?応援されて元気をもらって、そうやって、なりたい自分になれる。ずっとそのままでいいって言われたら……もしかしたら今頃…………あんた達とは一緒に暮らせなかったかもしれない。」

「ママ……。」

そっか…………多少のプレッシャーも必要なんだ。必要とされてるとか、期待されてるって、確かに時には元気づけられるかも。

「ママはあんた達にケツを叩かれて、勇気づけられて、たまに癒されて、ここまでなんとかやって来れたんだよ。」


そう言ってママはとっても幸せそうな顔をして笑っていた。

「ミアは彼氏ができたらママそっちのけだもんね~!」

「そんな事ないもん!私、結婚しないもん!」

「えー!行き遅れは困るよ~!まぁ、もう家に隆はいないけど、ママはずっといるから。あんまり寂しがらないんだよ?」

私は…………思わず涙が出た。

「やだ、言ってるそばから泣くの~?」

「泣いてないもん。これ鼻水だもん。映像ではキラキラに映るんだもん。」

「あははは!それ牛乳~?」


いつもと変わらないようで、変わってた。そう……この家にはもう、隆兄はいない。


「知ってる?一年間に消費される牛乳の量」

「来るぞ来るぞ~!?」

「35億!!」


それでもママは明るかった。今思えば、ママは…………いつも明るかった。


ママは…………どんな私でいて欲しいのかな?


聡は…………どんな私が好きなんだろう?


どんな私でいれば、みんな幸せなんだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ