表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/116

納得いかない

そこへ、聡が探しに来てくれた。

「あ…………。」

運悪く…………私は女の子に技をかけている最中だった。私は、女の子を肩に抱えていた。

「そろそろ寒いから…………人間マフラー!なんつって!…………テヘペロッ!」

自分で言ってて…………寒い!!わかってるよ!!わかってるけど、他に誤魔化しようがないし!!

「本当の技名は?」

いや、今それ……聞きたい?

「バックブリーカー……です。」

「プロレス技は封印するって言ってなかった?」

「あ、うん、そうなんだけど、可愛い女の子だからつい……あ、ごめんね!すぐ降ろすね。」

そう言って女の子を降ろすと、女の子は走って逃げて行った。


「ミア……。」

「いや、あの、床が硬いからね、投げ技はダメかなぁって…………」

絶対怒られる!!…………と思ったら…………

聡は、私を抱き締めた。

「本当に…………本当にミアが刺されるんじゃないかと思って心配したんだよ?」

「聡、苦しいよ。」

ベアハッグなんじゃないかと思うくらい、聡は私を強く抱き締めた。


「ねぇ、メンヘラって、そんなにしょっちゅう刺すもんなの?」

「いや、そんな、夏場の蚊じゃないんだから……。まぁ…………蚊にさされたと思えばいいか。」

「あ、首…………」

聡は首に手を伸ばした。私はさっきの事があって少し嫌だった。

「あ、ごめん。くすぐったくて。」


拒否に…………気づかれてないよね?

「ペンキ?赤いから一瞬返り血かと思ったよ。」

「返り血って!そんなに戦ってないよ!」

「でもあの子血出てたよね?何された?何かされたよね?言わなきゃちゅーするよ?今すぐ!今すぐ答えて。」

こ、怖いよ聡~!

「わかった!言うよ言うから!」

「ちゅーされたくないんだ……。」

自分で脅しといて凹むな!!


「首…………絞められました。」

「やっぱり……。これから先、何かされたら絶対に教えて。絶対に。」

「やった事は聞かないの?」

「見たらなんとなくわかるよ。カウンターとバックブリーカーでしょ?」

絶対私がやったと思ってる……。


「グーで殴ってない!殴ってないから!」

「え…………じゃあ…………エルボー?」

「肘でもないよ!」

聡、プロレス勉強した?

「平手チョップ?」

「膝が当たっちゃったの!」

「ボマイェか~!」


もう…………

「聡、私の事なんだと思ってるの?」

「え…………ストリートレスラー?」

ひどい…………女子なのに…………

「ひどいよ!」

「ミアだって僕の事変態王子って言ってたよね?変態は自覚あるけど、王子って何?僕、もう王子やめたんだよね。」

そっち?気にしてるの王子の方?ってゆうか、変態の自覚あんのかーい!


「あのさ、私、あの子と話てみたんだけど、何だか可哀想な子なだけな気がするんだけど…………」

聡は、その一言に嫌な顔をした。

「それって、あっちが可哀想だから、僕が悪者だって言ってる?」

「そうは言ってないよ!誰が悪いとかじゃなくて…………そんなに冷たくしなくても…………」

「冷たくはしてないよ。してないから…………あの人はずっとああゆう感じなんだよ。」


聡は……見たこともない冷たい目をして言った。それは…………何だか…………見たくなかった。そんな、冷たい聡は……見たくなかった。聡の闇の部分を見た感じ……。


聡が悪いとは思わない。だけど…………わからない。わからないけど…………何だか納得いかない。私は、聡の…………何がどう納得いかないんだろう?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ