迷子
という事は…………どうかしてれば、恋するって事……?
よし、じゃあ、フィルターかけて行こう!いざ、ゆるたかデパートへ!私達は、ゆたか君を呼びに体育館へ行った。
「ゆたか君、掃除終わったよ~!」
体育館の女子が一瞬にして全員、こっちを向いた。
こ、怖い~!!なんて痛いんだろう……。女子の視線痛いぃ~!!
「何ひるんでるの?彼女なんだから堂々としてなさい。」
そうは言うけど愛理、こうゆう時の女子ってえげつないよ?
「愛理……今ここで彼女とか言わないでよ……。黄泉の世界に連れて行かれそうだから……明日は墓場で運動会だから……」
すると、ゆたか君は一度体育館から出て来て言った。
「ちょっと待ってて。帰る支度してくるね。」
「うん……。」
私が外で待っていると、容赦なくヒソヒソ話が聞こえた。
「あれが彼女?あり得ない!」
「全然可愛くないし、全然つりあわなくない?」
「落ち着け。落ち着けよミア。大丈夫、こんなの何でもない。」
愛理が勇気づけてくれたけど…………とてもじゃなく、彼女の座という優越感どころじゃない……!そんなもの全然感じない……。
今の私は、見せ物であり、嫉妬の対象であり、行く末はストレスの捌け口…………今すぐここから逃げたい……。愛理が隣にいなかったら今すぐ離脱してた。こんな事なら……交際OKなんかするんじゃなかった……。
「お待たせ!帰ろうか?」
「ゆたか君バイバ~イ!」
みんなは口々にゆたか君に挨拶していた。
「みんな、遊びなのに、本気で応援してくれたんだ。いい子達だよね~。」
「そ、そうだね~。」
そうか~ゆたか君にはそう映るのか……。
「少しは見てくれた?どう?僕、昔より動けるようになったでしょ?」
あ…………全然見てないとは言えない……。
「うん……。」
苦しい……。ダメだ……どこにどう、エフェクトの効果が…………??もしもーし!本当にフィルターかかってますか~?
「どうしたの?」
「あ、うんん。何でもない」
その後、何を話したかあんまり記憶にない。ただ…………1つわかった事は、二人きりはキツイ。
ゆるたかデパートで、私は何も見つけられず…………迷子になっただけだった。