避けた!?
「ミアちゃんこの前はありがとう!おかげで僕達付き合い始めたよ!」
「店長~!おめでとうございます!私の分まで幸せになってください!」
私達の分までうまくいってくれれば……ミナさんが幸せなら…………そう思えば、モチベも保てる。
「あ、聡君、いらっしゃい!ミアちゃん、聡君来てるよ?」
「あの…………ミア。」
「いらっしゃいませ~!」
私はまた、すぐに箱にカップのアイスをつめて、聡に持たせた。
「はい、これ、持って帰って。今すぐ。」
「あれ?聡君と喧嘩?」
「喧嘩すらできてないですけどね……。」
花火大会の日から、私は聡を避け続けた。このまま…………自然消滅かなぁ…………そう思っていたら、聡が私にアイスの箱を返して言った。
「これ、ミアが運んで。店長、ミア今日これであがらせてください。」
「はぁ?ちょっと待ってよ!これから混む時間なのに……」
「いいよ?今日は天気もあんまり良くないし。はい、お疲れ様~!」
聡に買収されたな~?店長~!!
私達はアイスが溶けないうちに木本家に行った。家に入るなり、アイスをリビングに置くと、そのまま2階の部屋に連れ込まれた。
「私、もう帰るね……。」
部屋に入ると聡は、ドアに、ドン!!と大きな音を立てて、私の顔の横に手をついた。
え…………怖っ……。
聡が…………見たこともない怖い顔をして、しっかりこっちを見ていた。その迫力は…………今のが、正真正銘の壁ドンという事を忘れさせた。
「いつまで逃げるつもり?」
「いつまでも。」
そもそも聡が逃げてたんでしょ?私は聡の肩を押して、ラリアットをしようとすると、聡はしゃがんで避けた。
…………避けた!?
そっか…………。そうだよね……。避けようと思えば、簡単に避けられる。みすみす捕まって技かけられるとか、普通しないよね……。聡、運動神経普通にいいし。
私、バカにされてるのかな…………?からかわれてる?もうやだ……私何なの?
……泣いちゃダメだ!!男は泣くもんじゃない!いや……私男じゃないじゃん……。でも悔しい。ここで泣くのは悔しい!
「私帰る。」
「待ってよ!」
聡に腕を捕まれて止められた。
「離して。どうしても帰してくれないなら…………どうやってでも技かけて、聡の意識を落として帰る!!」
「言ってる事が普通に怖いよ!」
怖い?そっちの顔のが怖いよ!
「それでもいいから、技かけてもいいから…………その前に、ちゃんと話を聞いてよ……。」
「じゃあ……外、外で話す。ここじゃヤダ。門限破ったらバイト辞めさせられるし、それに…………本当はプロレス技とか…………聡にはかけたくなんかないし…………。」
外に出て、星空の下、二人で歩いた。こうやって並んで歩いたのは久しぶりだった。今日は昼間が曇りだったせいか、外にいても暑くはない。




