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ずるい考え

呪いのファラオの墓VSインディのクリスタルスカル…………パロディ映画のタイトルかよ……。


アイス屋さんで働いているとたまに、重~い女子トークが聞こえて来る。


「それって彼女なの?」

「さぁ?本人がいいならいいんじゃない?」

私がテーブルを拭いていると、思わず手が止まってしまった。

「あれじゃキープでしょ?」

キープか……。

「でも、脈無しよりキープのがマシじゃない?」

「まぁ、惚れた本人にとっては、拒否られるよりマシかもしれないけど……。」


拒否られるよりマシ…………?


そっか…………。もし告白して、『そんなんじゃない』とか、『プロレス技かけてくる子はちょっと……』とか…………聡に拒絶されたら?…………だったら、今のままのがマシかも。嫌われてる事実を知らなければ、傷つく事はない。好きと言わなければ、この関係が崩れる事はない。そんな……ずるい考えが頭に浮かんだ。


怖い…………玉砕覚悟で告白なんて、怖過ぎる。


私ってバカだ…………。直接言えばいいとか言ってたのに…………。好きだから、簡単に言えないんだ。嫌われるのが怖いから。そう簡単に、好きになって欲しい!なんていえない。そんなの平気で言えたら、きっと本当に好きじゃない。


嫌われてもその目に移りたい。とまではいかないけど…………今さら、少しだけ…………ゆたか君の気持ちがわかった。付き合ってても片想いって……何だか…………心が苦しい。


「あ、いらっしゃいませ!」

「いつものを。」

最近、30代後半?くらいのお姉さんの常連さんが毎日のようにやってくる。最初は、オススメを聞かれて、今では毎日ストロベリーのアイスを食べに来る。

「夏バテとかしてないですか?」

「毎日ここのアイス食べてるから大丈夫かな……。」

「アイスばっかりじゃバテますよ~?最近お疲れみたいに見えますけど、大丈夫ですか?」

毎日食べに来てくれるのは嬉しいけど、顔色が悪くて少し心配……。


結局、1週間くらい聡に会わず、前日までメッセージで誘えもせず…………。


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