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遅刻


愛理と協議の結果、ゆたか君とお付き合いを始める事になった。


次の日の朝、遅刻した。


裏門の柵を越えて入ろうと思って、裏門に行くと忍者のように、門の柵にぶら下がっている人がいた。

「木本君、おはよう。朝から修行?」

「おはよう……山下さんは?」

「いや、見りゃわかるでしょ。そちらと同じく遅刻だよ!遅刻!」

私は門を越えようと、柵に登って前屈みになると、頭からひっくり返りそうになった。


「危ない!」

背中を捕まれて、なんとか柵の上に留まった。

「木本君……ありがとう~!あっぶな~!落ちる所だった……。」

「あの…………パンツ見えてる……。」

「ぎゃっ!」

木本君に言われて、スカートがめくり上がっている事に気がついた。慌てて直したけど……

「今の見なかった事にして!記憶から消してくれ!!」

「それ、無理でしょ。」

見られた…………ヨレヨレキャラパンツ見られた…………。


「じゃあ……今から頭殴るから、そしたら消えるよね?どこかにちょうどいい石はないかな~?」

「あ、うん、今消えた。もう記憶から抹消したから。……大丈夫。」

何が大丈夫じゃい!!私のゆるっくまのパンツを見て生きて帰せぬ…………!!私が石を探そうと辺りを探していると、木本君は颯爽と柵を越えた。

「お~!さすが!運動神経の良さは高校入っても健在だね~!」

「…………。」

私が拍手したら、木本君は黙った。あー…………運動の事言われるの嫌なのかなぁ……?


木本君は教室に行くまでずっと黙り込んだ。話しかけても無視され続けた。まぁ、元々無口だから気にする事ないか。

「木本君、本当に気配ないね。マジで忍びになろうとしてる?」

入り口から一番遠いあの席まで私は気配を消してたどり着ける自信ないなぁ…………

「忍法!変わり身の術!」

そう言って木本君の後ろに隠れてみたけど……

「山下、木本、遅刻~!」

普通にバレた。


「何で?何でわかったんですか?先生は能力者ですか?」

「先生は何の実も食べてないぞ~?窓際2席も空いてりゃ誰でも気づくだろ。」

よりによって前の席の木本君と遅刻とは……ついてない……。

「二人、放課後中庭掃除な~。」

「そんな~!殺生な~!」

放課後掃除とか…………無いよ~!


「お前暇だろ?」

「暇じゃないですよ!駄菓子屋でうまいん棒買って、ゆるキャラガチャやって、家で録り溜めといた二時間サスペンス見ないと!私超忙しいんです!」

「うん、暇だな。」

私が先生と交渉にならない交渉を重ねていたら、いつの間にか木本君は黙って席についていた。え?いつの間に?マジで気配消せるの……?モノホン?モノホンの忍者??


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