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練習

木本君は目の前で困惑していた。


「…………何?これ?」

「うるうる目で、上目遣いで見つめられるとドキドキするって本当なの?」

「それ……僕、実験台って事?」


ゆたか君を落とすために、木本君を身代わりに練習する事になった。


「うん。しばらく練習させて。」

「ミナちゃん、これどうゆうこと?」

「協力しなさいよ!友達でしょ?」

長女の権限強し……。

「ねぇ、どう?ドキドキした?」

「そりゃ聡には違う意味でするでしょ。」

木本君は女の子が怖いらしい。怖いのに、練習台は可哀想だと言ったら、ナミさんが、聡にはリハビリだ~と言って強制的にやらせている。


「あの…………怖いのに、ごめんね。」

「あ、いや…………あの…………」

「ミア~!ダメだよ。もっと近づかなきゃ!何ならどっか触ってみな?腕の所少し掴んでみなよ。」

そうナミさんの指示通り、木本君の腕にそっと手を置いて近づいた。

「こんな感じ?」


「もっと体寄せて。」

ホナちゃんが後ろから押して、木本君の凄く近くまで近づいた。ひぃいいいい!!近い近い近い!!こっちがドキドキするよ~!しばらくすると、木本君が震えて来た。

「ダメです!これ以上は木本君が限界です!」

可哀想に……。それでも、優しい木本君は大丈夫と言ってくれた。

「大丈夫だよ……。ミア、全然大丈夫……。」

いや、声震えてるから。


「じゃあ、もう一度!そのまま7秒見つめて、目を閉じてごらん。」

「こう?」

言われた通り、この近さで7秒間見つめていたら、4秒過ぎに木本君が目を逸らした。そして、私は7秒後に目を閉じた。しばらくの間、静かな時間が流れた。

「…………?」


「…………いや、ダメだよ!目は閉じたらダメだよ!!」

木本君がそう言うから、私は目をすぐに開けて答えた。

「え?ダメなの?」

「吉村の前では、絶対に目を閉じたらダメだから!!」

「え……ダメ?」

じゃあ、今の練習何?そもそもこの練習意味あるのかな?


「ミナちゃんもナミちゃんもミアをからかうなよ!ミナ、絶対、絶対に吉村の前ではダメだから!」

「あ、うん、わかった~了解!」

何故かみんながクスクス笑っていた。全然男心がわからなくて恥ずかしい……。あんなに周りに男がいたのに……!


逆か!男ばっかりだったからガサツに育っちゃって、女として見られないんだ……。女を磨こう。女を磨いてゆたか君を見返してやろう!もう一度、ゆるたかデパートに行って、素敵な物を見つけてやろう!!


気がつけば、靴下を見つけた時のような、幸せな恋がしたい!からかけ離れていた。


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