打ち上げ
「同率1位おめでと~!」
A組とC組の同着で、体育祭は幕が降りた。
私は体育祭で大声を出したせいか…………声が枯れた。全然声が出ないのに、打ち上げはカラオケボックスだった。それも、A組とC組合同で…………何故!?
「いやぁ~!同着はやっぱり山下のおかげだよな~!」
「あれ凄かったね~!」
「いや、凄いのは変態王子の方もだよ。」
やってしまった……。私はなんてバカなんだろう……。バカか!!バカ!!バカ!!
レースはC組が優勢だった。アンカーになった時、聡とB組のアンカーが接触してお互い謝り合っていた。それを見て思わず…………
「聡!!立て!!走れ!!」
そう大声で言ってしまった。
すると、聡の目の色が変わって、物凄い勢いでC組との差を詰めて、ゴール間際でギリギリ同着までたどり着いた。だから、同率1位。私はC組から怒られ、B組から恨まれ、A組から英雄扱いされる結果となった。
「A組の英雄に拍手~!」
「…………!!(拍手すんな!!)」
声が出なくて、突っ込めない!!
私がトイレに立つと、聡がついて来た。
「同着だと、賭けってどうなるの?」
私は腕でバツを作って見せた。賭けは無効。
「待ってよ!じゃあ勝負は?」
勝負?そんなのもう必要ないよね? 私が聡の部屋に二度と入らなければいいだけの事だし。
「…………!(ついて来ないで!)」
私がトイレから出ると、声をかけられた。同じ高校生くらいの………頭の悪そうな二人組。
「どうしたの?つまらなそうだね~?」
そりゃ声が出なくて歌えないからね!まぁ、来ても歌わないけど。
「もし良かったらさ~俺らと楽しまない?」
「……、……。(あの、結構です。)」
「え?何?喜んで?じゃ、こっちこっち!」
助けを呼ばなきゃ!みんな!そうだ……今日声が出ないんだ!
男二人組に絡まれて、男達の部屋に連れ込まれた。
これ……ヤバいんじゃない?襲われる!
私はふと、落ちていた灰皿で思いきりテーブルの足を三回叩いた。さ、と、る!助けて!!さ、と、る!早く助けて!!さ、と、る!無理だ…………こんなんで助けに来れる訳がない。
その後、大きな音量で曲が始まった。軽快なドラムのロックな曲だった。
歌ってない方の男の子に迫られた。
私はふと冷静になって、無言で相手を見つめた。相手も見つめられて何故か黙った。私は相手に、ソファーに座るように優しく促した。そしてジェスチャーで、うつ伏せに寝てとお願いすると、うつ伏せに寝てくれた。相手の彼は優しい。
優しさは時に…………不利になるのだよ!!私はなんとか、釣天井固めをかけることに成功した。
「ぎゃ~!!これ、どうゆう事!?」
やった~!上がった~!小柄な人で良かった~!
私が達成感に酔いしれていると、そこへ店員さんと聡が入って来た。
「…………。(あ…………。)」
「ミア!僕以外に技かけちゃダメだってば!」
またかよ!浮気してねーよ!
「……!……、…………?……?(聡!私、こんな狭いソファーでロメロスペシャルできたよ?凄くない?)」
「凄くないよ!いや、凄いけど、凄くないよ!」
聡は怒りのあまり、技をかけられた人にキレて掴みかかった。
「ミアの初めてを返せ~!」
いやいや!だから、それおかしいだろ!
私はマイクで聡の頭を殴った。マイクがキィンと鳴った。そして、マイクを自分の手のひらで三回叩いた。さ、と、る!や、め、て!
冷静に考えると、その姿はまるで私が…………一番の悪者に見えない?私達はみんなに謝って、それはそれは様々な人に謝って帰った。




