souldout
腕の傷が治って来た。だから、ずっと忘れていた。ずっとずっと、忘れようとしていた。薄着になるにつれ、この傷をどう隠そうか迷う……。夏が…………憂鬱。
私はホナちゃんと、一緒に帰って、そのまま久しぶりに木本家に来ていた。
「ミナさん、ナミさん、お久しぶりです~!会いたかった~!」
「ミア、久しぶり~!」
「話って何ですか?」
ミナさんから話があるという事で呼び出された。
「いい話と悪い話、どっちから聞きたい?」
「何ですか?その海外ドラマみたいな話の展開は?ミナさん帰国子女ですか?」
「あはははは!こうゆう風に一度言ってみたかったんだよね~!じゃあ………悪い話から。」
結局選ばせてくれないんじゃん!
「聡のストーカー被害は立証できなかった。でも、警察に相談に行った事で少しは抑止力にはなってると思う。今後も注意して欲しいって話。あと、聡の元カノには会った?」
「まだです。」
「今さら何で同じ学校に通い出したのか謎なんだよね……。」
悪い話は…………もう聞きたくないかな……。
「あの、いい話の方は?」
「いや~あの~…………プロポーズされました!」
「ええっ!!本当に!?店長プロポーズしたの!?凄い!!」
え!ちょ~テンション上がる!!
「ミアにはお礼、言っとこうかと思って。」
「お礼って?」
「本当はね、あの人の事全然好きじゃなかったの。」
え…………。好きじゃなかった!?
「本当は…………ミアのために付き合ってたの。上手くいけばミアが喜ぶと思って無理やり付き合ってた。それが…………気づけば大事な人になってた。」
ミナさんは少し恥ずかしそうに指輪を見せてくれた。おお~!婚約指輪~!!
「私、嬉しいです…………。祐兄か雅兄と結婚してもらえないのは残念ですけど。」
「それまだ言ってるんだ。祐也はナミに任せたら?」
「ナミさん、お願いします!!」
私はナミさんに頭を下げた。是が非でも!!
「無理。今別の人と付き合ってるから。」
「でぇえええ!!」
ヤバい!!木本家を私のお姉さん計画が…………!!私はホナちゃんの方をチラッと見た。
「えぇえええええ!私無理だよ~!彼氏いるし!」
あっという間に木本美人三姉妹がsoldoutに…………しばらくショックで寝込みたい……。
そこへ聡が来た。
「ミア!来てたんだ!!」
そう言うと、話があると言って私の腕を取って2階に連れて行こうとした。
「女をホイホイ自分の部屋に連れ込むんじゃない!」
「ミア、女の自覚あったんだね。」
「何だと!?」
久しぶり…………聡の部屋に入った。半年前くらいまで何度も遊びに来てたのに……。
「あのさ、ミア、後藤先生、どうゆう関係なの?まさか本当に本気じゃないよね!?」
おいおい、何?その浮気を問いただすような言い方は?
「あのさ、私達別れたよね?これ、つけたの聡だよね?反省してる?」
私は腕の傷を見せた。聡は私の傷に優しく触れた。
「反省はしてるよ。じゃあ…………ミア、僕を脅していいよ?その傷で僕を縛っていいよ?そのためにつけたんだ。」
「は…………?」
「ミアを僕の物にするために。僕はミアに縛りつけられるために、傷をつけたんだ。」
「そ…………そんなのおかしい!!おかしいよ聡!!普通じゃないよ!」
「普通じゃなきゃ嫌?」
どうしてそんな笑顔を向けて来るの?聡……どうしたの?変だよ?




