表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/116

久しぶり

田中~!あんの野郎~!絶対あいつのせい!!


「ミア……後藤先生が好きって本当なの?」

「ミアちゃん、マジなの!?」

「山下さん本気!?」

は~い、私、山下心愛、高校2年生、只今3人に追い詰められていま~す!もう、脳内テンションおかしくなってま~す!完全キャラ崩壊~!


何気に3人に壁ドンされてま~す!右を向けばハルちゃんの手。左を向けば吉岡さんの手。上を向けば聡の手。お前ら3人で…………千手観音か!?仏星人か!?丸腰じゃ戦えんわ!!


これは、おそらく田中のせい。私が朝、後藤先生を探していると…………


「何?山下、後藤が好きなの?」

「え…………?」

クラスの男子にそう言われた。

「まぁ、教育実習に来る前から動画持ってたしな~!」

そうって言っといた方が協力してもらえたりするかな~?

「あー…………うん。まぁ。あの、この事はここだけの…………あれ?田中は!?」


ついさっきまでいた田中がいない……。

「さっきまでここに……あれ?」

田中がいない!?嫌な予感がする…………!!


そして、昼休みの現在に至る。早いよ!!あまりに早すぎるでしょ!?嫌な予感すぐ当たりすぎ!!


「田中~!お前のせいだ!!こいつら何とかしろ!!」

「え?何で俺?」

「お前がこいつらにチクったんだろ~が!」

しらじらしいわ!


「だって、黙ってろって言われてねーもん!」

「私が言う前に、ソッコーチクりに行ったんだろ!?え?わかってんだからな!」

「え~!どうすっかな~?応援団の俺のパート代わるなら助けてやってもいいけど?」

え?それ、私にガチで応援団やれって言ってる?

「わかった!わかったから!」

どうせここで断っても、他の手使って私にやらせるつもりなんだろ?


田中は私のその言葉を聞くと、3人に言った。

「悪い!俺の聞き違いだった。」

「はぁ!?」

3人の声がハモって3人は同時に田中の方を向いた。


今だ!!逃げよう!!そう思ったら、聡に捕まって、そのまま抱きしめられた。

「聡、お前こんな所で何やってんだよ!」

「木本君、やめなよ!みんな見てる!」

ハルちゃんの言葉にも、吉岡さんの言葉にも、聡は全く聞く耳を持たなかった。二人を無視して、ずっと私を抱きしめていた。


ああ…………聡の感触だ。


「ミアに触るの…………久しぶり。」

聡の匂い…………ドキドキする。

「ミアの匂い…………久しぶり。」

「ちょ、ちょっと待って!?何……考えてんの?こんな…………廊下のド真ん中で…………」


嬉しいのか悲しいのか良くわからない感情に襲われて…………思わず涙が出た。

「聡…………苦しいよ……。」

胸が苦しかった。聡が近いと……こんなにも胸が苦しい。やめてよ…………これじゃ全然諦められない。

「あぁっ!ごめんね!プニプニしてて気持ちいいなぁって思ったらつい…………」

そう言って聡は私を離した。


「ずるいぞ聡!僕だってプニプニしたいのに!」

それ、完全にビーズクッション扱いやん!

「ミア……泣いてるの?」

私は慌てて涙を拭いて笑って見せた。

「プニプニって女子に言うなー!」


すると聡は、笑顔で両手を広げて言った。

「技、かける?」

それ…………もはや要求ではないでしょうか?

「もう……散れ!!自分のクラスへ帰れ!!」

そう言うと、しぶしぶハルちゃんと聡は自分の教室へ帰って行った。


その後私が、壁に頭をつけて泣いていたら、吉岡さんが背中をさすってくれた。

「…………ありがとう。」

「こうやって弱ってる時に側にいられるのは、女子の特権ね。」

そう言ってずっと隣にいてくれた。

「何も言わなくても気持ちがわかるのは……女子の弱点ね。」

「…………ごめんね。」

吉岡さん、ごめんね…………ありがとう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ