妖精
だから何でこうなる?
1年生の女子が何やら喧嘩していたから、仲裁に入ったら…………こうなってしまった……。いや、今回は何もしてない。断じて何もしてない。指一本触れてない!潔白だ!普通に注意しただけだから!
それなのに…………
「あの先輩ヤバい人だよ?」
ああっもう後輩にヤバいって言われてる……。
「あ、知ってる!アマレスの人だ!」
「あ~!アマレス!」
止めて~!アマレス止めて~!
「え?私は呪いの墓って聞いたけど……」
うん、それも正解。
「あ、そういえば、あの人メンヘラなんだよ?関わったらヤバいって。」
ひぃいいいいい!それ、言われて一番嫌なやつ!
そう言うと、1年生の3人の女子は去って行った。
そこには、1人だけ天使のような1年生が残った。天使?いや、妖精?
「大丈夫?」
あぁ……可愛いなぁ~!肌が白くて華奢で…………可憐な女子って感じ。
1年生の女子は泣き始めた。
「あー怖かったよね?大丈夫?」
「そこ、どうした?」
「あ、先生!この子…………」
先生に状況を説明しようとすると、妖精の1年生に割って入られた。
「私が悪いんです。私がボーッとしてたからぶつかってしまって、先輩が怒るのも無理ないです。」
はぁ?
「怖……怖かった…………」
え…………泣きすぎじゃない?
「山下、何もぶつかったぐらいで怒る事はないだろう?」
「いや、怒ってないっすよ。」
あれ~?これ、はめられてる?
「じゃあ、どうして泣いているんだ?」
「あーえーと…………いじめてました!あの、ほら、可愛い子見るとちょっかい出したくなるじゃないですか?男子特有の、好きな子いじめちゃう的な?」
「山下、お前は女だろ?」
あ…………そうだった。
「女子だけど、男っぽい所があるってゆうギャップを売りにしてるんです!」
「はぁ?」
「とにかく、女子だって女子をナンパしたい時だってあるんです!じゃ!」
そんな時、金輪際ないけどね!めんどくさい、ここから早く逃げよう。
「おい、山下!」
私はそそくさとその場から逃げた。逃げるが勝ち!
あ、これ、あの子が聡の元カノってオチかも……名前、聞いとけば良かったな~。
あの子だったら勝ち目無し。あ、でも聡は変態だから……。
いや、待てよ?そういえば、聡は私のどこを好きになったんだ?一度も聞いた事はない。『小学生から好きだった』は理由になってない。
でも……今さら訊けない!それって、別れたけど私の事まだ好きだよね?って言うようなものじゃん!私、何様!?好きとさえ言われた事もないのに!!
訊いておけば良かった……。
何だか……少し後悔してる。




