難しい
春休みに入り、ほぼ毎日ハルちゃんと吉岡さんが家に遊びに来た。
「僕、春からミアと同じ高校に入学するんだ~!春からよろしくな!」
「じゃあ、ホナちゃんも入学して来るの?」
「あ~!多分そう!」
田中の話では、元カノも入学してくる。一歳年下なんだ……。
「ホナちゃんって誰?」
「木本帆那美ちゃん。聡の妹だよ。」
「ふーん。」
そこへ、雅兄と祐兄が聡を連れて帰って来た。
「あ、木本……。」
「聡~!お前も来たの~?」
「ハル!なんでここに?」
それはこっちが聞きたいんですけど?聡が私を見て言った。
「言いたい事はわかるよ?たまたまコンビニにいたら捕まっちゃって。」
「あれ聡のいとこ?うわっ俺超タイプ!」
「祐さん、あれ男です。」
そうだった……。ハルちゃん祐兄のドストライクな子だった……。
「俺、あいつ相手ならホモになってもいいな。」
やめて!その冗談止めて!
「ミアの友達~?ミアの兄です。君可愛いね。僕と付き合わない?」
「雅兄!初対面で口説くの止めて!吉岡さん、真に受けなくていいからね?」
すると、吉岡さんは意外な言葉を発した。
「付き合います。」
「はぁ?!」
「じゃ、今からデートに行こう!」
そう言って、二人は出掛けて行った。
「…………。」
全員がポカンとしていると…………
しばらくして、雅兄が帰って来た。
「柔道の技かけてくれって言われて、女子にはかけられないって言ったら、突然帰るって……。」
あ~。そうきたか。
「今度会った時はかけてあげて。」
「え?何で?全然わかんね~!」
そうね…………雅兄、恋愛って難しいね。




