【第9話】フィルト・フェレスト・メレス
私事ではありますが、子供が生まれたりしまして、しばらく執筆できておりませんでした。申し訳ないです。
「「ーーーーーーーーーえ?」」
「嫌だ。と言ったのです。」
「・・・・・・・なんで。」
アルルは納得がいかないようだ。
「私が嫌だと思ったからです。さぁ、お帰りなさい。」
なんとも自分勝手な理由だ。
「フィルトフェレストメレス学園長。納得のいく理由をお聞かせ下さい。」
「なぜわたしが貴方達の様な言葉の意味も不確かな幼き者達に納得のいく理由を用意しなければならないのですか?この学園の全権は私にあります。さぁ、お帰りなさい。」
このまま帰る訳にはいかない。
「父と母の面目があります。このままでは帰るに帰れません。」
「ノクトとシャルの息子でしたね。いいでしょう。教えて差し上げます。あなた達の顔を見たら入学させたくなくなったのです。さぁ、帰りなさい。」
どんな理由だ。こうなったら・・!
「失礼ですが、フィルトフェレストメレス学園長は、ぼく達の事をどれくらい知っていますか?」
「貴方が彼らの息子で雷属性の適正者で忌み子という事、そちらの娘はドラクロン家の十尾。それぐらいでしょう。」
この人はアルルの事を巫女だとは思ってないみたいだ。
「ぼくの雷属性とアルルの十尾は学園にとって充分なメリットになるのでは?」
「メリット、デメリットの話をしているのではありません。」
「ぼく達が学園に入る事で何か困る事でも?」
「何を意味のわからない事をー「例えば」」
「例えば、この学園に龍人族以外の者が居る。とか。」
学園長の眉がピクリと動く。
「そんな、こと。」
学園長の言葉尻が重くなる。
「それが、この学園の長である。とかね。」
「な・・・。何を言っているのです。」
学園長は動揺を隠し切れていない。
「貴方がハイエルフだ、と言っているのですよ。フィルトフェレストメレス学園長。いいえ、エルノリア・ファルフラーゼさん。」
学園長はその言葉に目を見開き、やがて諦めた様に口を開いた。
「・・・・・・・。成る程。貴方はただの幼子では無い様ですね。わかりました。入学を認めましょう。しかし、試練は受けていただきます。その名前を知る者はもうこの世には居ないと思っていましたが。」
「いえいえ、ぼくも今知ったんですよ。この目で学園長を見てね。」
「始祖龍の加護でしょうか。末恐ろしいものです。」
「・・・・ジノ、すごい。」
アルルは目をキラキラさせている。可愛い。ロリコンじゃな(ry
そう。この時ジノは鑑定を使い、学園長がハイエルフであり、偽名を使っているという情報を得ていたのだ。
学園長の反応から、鑑定はあまり知られてないスキルみたいだ。
情報を先に取得できるっていうのは、ゲームだと当たり前だけど、かなりチート能力だよな。
「学園長、いくつか質問を。何故この龍人の島に貴方の様なハイエルフが?他にも居るのですか?」
「いいえ、私以外は全員死にました。1200年前、私はこの島で戦争をしていたのです。私はそこで深手を負い、ハイエルフの種族固有スキルである、魂眠を使い、長い年月をかけ、この地で約300年間眠っていました。」
つらつらと、学園長は話し始めた。
「そして、長い眠りから覚めるとそこは龍人族の島になっていました。そこで私達は負けたのだと知りました。私は直ぐに島から出ようと試みましたが、転移門にはナタークという魔法で作られた門番が居ました。」
ふむふむ。ナタークさんは魔法で作られた門番なのか。成る程。
「私はナタークに挑みましたが、その時の私ではあれに傷を付ける事もできませんでした。仕方なく、身を潜め、龍人族に溶け込んだのです。」
「よくバレなかったですね。」
「ええ。当時は苦労しました。貴方達が当たり前の様に使うスキル、『変体』を研究し、近いものを創り上げたのです。そうして私はハイエルフ、エルノリア・ファルフラーゼの名を捨て、龍人フィルトフェレストメレスと成り、最終的に今この学園の長としての地位を手に入れたのです。」
「それで、なぜぼく達の入学を一度断わったのですか?」
「占いです。」
「占い?」
「占いにはこう出たのです。『小さき白と黒がいずれ秘密を暴くだろう』と。ここまで具体的に結果が出る事は稀だったので、あなた達を入学させるわけにはいかない、と。ただ、話くらいはしようと思いました。そして、貴方達が現れた。その時、嫌な予感がしたのです。咄嗟に子供みたいな言い草で帰そうとしてしまいました。それは謝ります。」
「・・・・ん?学園長。その占いはハズレてます。」
「どういう事ですか?」
「まず、「小さき白と黒が」というのがぼくとアルルの事っていうのはわかるんですけど、学園長の秘密を暴いたのはぼくだけです。アルルはわかってません。」
「・・・・そう 。・・・ジノ、すごい。」
「成る程。と、いう事は不吉な占いだと思っていましたが、案外これからの希望を指す物だったのかもしれませんね。歳をとると、思い込みの力という物がどんどん強くなっているのを感じます。いけませんね。」
「ええ。でもぼく達を見て嫌な予感がしたってのは当たってましたね。」
「フフ、そうですね。」
最初こそ難儀だったが、聞いていた話よりもマトモな人な気がする。
「フィルトフェレストメレス学園長。あなたは何故龍人達から変わった人だと言われているのですか?ぼくから見ると、常識的な方だと思うのですけれど・・・。」
「・・・うん。・・・・・ふつう。」
「あぁ・・。恥ずかしい話なのですけれども、この学校の様々な物に付いている名称等は、私が昔の仲間達を偲んで名付けた物なのです。一文字でも間違えられるともう、その・・。」
「暴力的になってしまう、と。フィルトフェレストメレスって名前もですか?」
「はい。この名前は私の家族の名前です。母のフィルト、夫のフェレスト、そして娘のメレス。全てを合わせた物が私の名前です。きっと、他の人からその言葉を聞く事で、寂しさを紛らわせようとしたのでしょうか・・。」
物哀しい顔をする学園長。千年以上生きている彼女の想いの深さに心が痛くなる。
「学園長、ぼくはこの秘密を誰にも言うつもりはありません。アルルも、ぼく達3人だけの秘密だ。できるね?」
「・・・・・うん。・・アルル、秘密にできる。」
「なぜですか?私は貴方達龍人族と戦争をした種族ですよ?」
「何か問題でも?アルル、どう思う?」
「・・・アルルは、ジノと友達。・・・あなたも友達になればいい。」
「確かに。それが一番だ。ぼく達と友達になりませんか?学園長。」
「と、友達・・。」
学園長は戸惑っている。
「・・・・・・ん。」
アルルが手を差し出した。握手だ。
「なんですか。これは。」
「握手っていうんです。手と手を握り合って、友達になるんですよ。」
「確か、人間の文化にそんなものがありましたかね・・・?」
あぁ、そういえば異世界人は俺だけじゃないもんな。
伝説の鍛治職人もきっと俺と同じだ。人間の文化に握手が伝わっていても不思議じゃないな。
「ぼく達は、秘密を共有できる本当の友達だよ。よろしく。エルノリア。」
ジノが手を差し出す。
「・・・・・エルノリア・・。・・・はやく。握る。」
フィルトフェレストメレス、もとい、エルノリア・ファルフラーゼは。唇をギュッと結び、震えていた。
「あぁ。なんでしょうか、この感情。本当に、本当に久しぶりです。こんなに小さき者に助けられるとは。情けないですね。宜しくお願いします。ジノ、アルル。」
彼女は何百年と一人で抱えて来た秘密を、やっと共有できる友達が出来た。なんとも小さい子供だが。
3人が手を繋ぐ様は、なんとも微笑ましいものだった。
「ただし、その名前は私達3人でいる時だけです。約束ですよ、ジノ、アルル。そして、通常通り今から試験は受けていただきます。二人なら簡単ですよ。あとの事はモットーに頼んであります。さぁ、お行きなさい。」
「はい。ありがとうございます。エルノリア。」
「・・・じゃあね、エルノリア。」
アルルはひらひらと手を振る。内弁慶な子なんだろうか。
「フフ、ようこそ、アルフヴェール学園へ。ではまた。小さき友人達。あ、ちなみにアルフヴェールは尊敬する我が父の名前です。間違えたら、島の外までぶっ飛ばしますから。」
「あ、あはは・・・」
千年生きて来たとは思えない大人気なさに苦笑いするしかなかった。
そうして二人は、学園長室を後にした。
「友達・・・ですか。」
学園長は握っていた手を見て、一人呟く。
「ああ、私の止まっていた時間が今やっと動き出した気がします。」
ーーーーーーーー
「ふぅ、なんとかなったね。」
「・・ジノ、すごい。・・どうやって、エルノリアの事、わかった?」
鑑定の事は言わない方が良いだろう。
「あはは、秘密だよ。これはぼくだけの秘密。」
「・・・ジノ、ずるい・・。」
少し拗ねてしまった。話題を変えよう。
「あ、今からはもうフィルトフェレストメレス学園長だよ。ほら、練習して。」
「フィル・・フェル・・。」
可愛い。だからロリ(ry
「ま、まぁ学園長で良いんじゃない?」
「・・・がくえんちょうなら、言える。」
そんなやり取りをしながら螺旋階段を降りていると、下からウルベント先生の声がした。
「おーーい!チビ達!学園長はどうだった!!!」
「先生!ぼく達、試験を受ける様に言われましたよ!」
「おお!それは良かった!お前らならやれると思ってたよ!じゃ、早速試験だな。中庭に行こう。こっちだ。」
ジノ達は螺旋階段を降りると、今度は入ってきた方向とは逆の方に向かった。
「それにしても、大きい施設ですね。」
「当たり前だろう。龍人達の人生を決める場所だ。この島一番のスケールで作られてんのさ。学園長が一人で作ったって噂もあるけどな。」
本当にやりそうで怖い。
「そういやぁお前ら生まれて一年なんだろう?よく入学しようと思ったなぁ。」
「えぇ、色々と知りたいものがあって。」
「・・・・神官が・・うるさいから・・・。」
「お前ら本当に1歳かよ!俺なんて4歳の時親強引に連れて行かれたんだぜ。まぁ、おかげで剣の才能を認められて、教員にまでなれたんだけどな!」
「剣の先生なんですね?」
「おう!まぁお前の親父には勝てねぇけどな。着いたぞ。さ、中庭に出てくれ。」
大きな扉を開くと、そこは広大な芝生のが広がっていた。かなりの広さだ。
「誰もいませんが、ここは何に使ってるんですか?」
「今の時間はどこも座学の時間だからな。実戦形式の剣の授業だったり、魔法の練習なんかで使ってるぞ。」
少し歩き、十分にスペースのある場所でウルベント先生が止まってこちらに振り返った。
「さ、お前らには試験を受けてもらう。まずは剣だ。木剣で俺と直接打ち合ってもらう。ある程度の実力があれば合格だ。まぁ、剣を持った事もねぇだろうから、期待はしてねえ。次は魔法だ。これも実践形式で俺と戦ってもらう。お前らはこのどちらかが及第点に届けば、入学決定だ。まずジノ、剣だ。いけるか?」
ウルベントが木剣を投げ、ジノの手前に突き刺さる。それを手に取り、ジノは構えた。
「お願いします!!」
「っし。行くぜ。」
ウルベントの姿が消えた。
「なっ!!!」
しかし、ジノは魔力感知で目で追えずとも分かる。
「上っ!!!!」
すかさず上を向く。緑色の羽を出したウルベントが上空を旋回していた。
「おっと、バレたか。」
「ズルいです!」
「何言ってんだ!飛行型の魔物だと思え!!!!」
魔物ハゲドラゴンと名付けよう。
ウルベントは数回ぐるぐると旋回した後、急降下した。
風に乗って滑空しながら物凄いスピードで迫る。
木剣を構え、横に凪ぐ。
「らあっ!!!!」
まともに受ければ致命傷は避けられないだろう。
(魔力操作!!)
ジノは魔力操作を使い、思い通りに体を動かせる様にした。
「はぁっ!!!」
しっかりと踏ん張り、木刀の先端と持ち手を掴み、来たる一撃に防御で構える。
そしてーーーー
バキィィ!!!!
「うわぁぁぁ!!!!!」
木剣は真っ二つにへし折られ、50メートル程ジノは吹っ飛ばされた。
「・・オイオイ、まじかよ。俺の渾身の一撃を受けやがった。・・・あ?」
着地したウルベントは二重に驚いていた。
まず、今までの経験で洗練された一撃を一歳の子供に受け止められた事。
そして、自身の木剣にヒビが入っていた事だ。
ジノは魔力感知と魔力操作をフルに使い、木剣の一番脆い場所に当てて防御していたのだ。
結果圧倒的に力が足りず、吹き飛ばされてしまったのだが。
「剣折りノクトの息子ってのは伊達じゃねぇって事だな。」
ウルベントが感慨に浸っていると、トコトコとアルルが歩いてきた。
「・・・ジノ、生きてる?」
「あ、あぁ。威力は調節したからな。おーい坊主!調子はどうだーー!」
ジノは倒れたままサムズアップした。
派手に吹っ飛んだがHPは2しか減ってなかった。何らかのスキルなんだろうか。
この瞬間ジノは初めて外的要因でダメージを受けた。
「い、い、痛ぁ・・・。」
結構痛い。
膝は擦りむいて血が滲んでいるし、着地の衝撃を殺そうと突き出した両手は地面の石などで傷ついてボロボロだ。
「大丈夫だ。俺ら竜人は基礎回復スピードがかなり早い。10分もすれば完治してるぜ。」
初耳だ。龍人にはそんな特性があるのか。
「ぼくは不合格ですよね?」
「とんでもない。坊主は合格だ。」
「え?ただ吹き飛ばされただけでしたけど・・。」
「いやいや。俺の空中からの一撃を一切のズレ無く受けるなんてのはもはや曲芸染みてるぜ。俺の速度がその年齢で捉えられるとは。一体どんな修行をしてたんだ?」
「え?魔力感知と、魔力操作ですよ?」
「・・・・・・・坊主、そりゃ冗談か?」
「い、いえ。本当のことです。」
「・・・それ、どう使ってんだ?」
「え、えっと魔力感知で相手の魔力を探って、位置を把握して、魔力操作で体を思い通りに動かしてます。魔力感知でよく目を凝らせば魔力が薄くて脆い所が分かるので、今回はそこを狙って魔力操作で受け止めました。」
「ほぉ〜・・・。成る程。それは・・とんでもねぇな。」
「・・・?どういう事ですか?」
「坊主、お前が言っている事は正直言ってかなりヤバイ事だ。」
「・・え?只の魔力感知と魔力操作ですよ?」
「あぁ、どちらも魔法使いになる上では初級中の初級の技術だが、近接戦だと坊主みたいな魔力操作はまず使えない。」
「なぜですか?」
「それは魔力操作による自身の肉体の操作は調節が難しく、機敏に動かすのは至難の業だからだ。更に、肉体の魔力操作をして実際に動くまでに通常はラグがある。坊主の魔力操作の技量はこの島じゃ一番だろうな。」
「そんなに難しい事の様には思えませんけど・・・。」
確かに早期の修行ではあった。だがまだまだ稚拙だと自負していたのだが。
「うーむ。詳しい事は俺じゃあよく分からん。シャルにでも聞いてみろ。まぁこのまま成長すれば魔法も剣士も超一流になれると思うぜ。」
「あ、ありがとうございます。」
「おう!それで、嬢ちゃん。やるかい?」
「・・・・もう、やってる。」
「ぁあん?」
ズボボッ!!!
「おわぁあ!!!!」
ウルベントは地中に引き摺り込まれていった。
「・・・ジノをけがさせたお返し。」
どうやらアルルは俺とウルベントが戦っている間に落とし穴を作ってたみたいだ。
今地上から見えているのはウルベントの頭部のみ。
つまり地面から茶色いハゲが生えている状態なのだ。
「ディ○ダじゃん!!」
「・・・ジノ、デ○グダってなに。」
「あ・・。もぐらのバケモンだよ。」
「・・・ウルベント・・モグラ・・・ぷ。」
アルルが笑った。いたずらっ子の顔だ。かわry
「出してくれ〜!!もういい!二人とも合格だ!!」
「・・・ジノ、どうする?」
「流石に助けよう。このままじゃウルベント先生が学園名物になっちゃうよ。」
「・・・ジノがそう言うなら。」
なんだかこの数時間でやたらとアルルの距離が近づいた気がする。
アルルはその後尻尾でざっくざっくと穴を掘り、ウルベント先生を救出した。
10本の尾で行われる穴掘り作業は10秒とかからなかった。これが尻尾の力か。
「色々便利そうだね、その尻尾。」
「・・・そんなことない。じゃまなだけ。」
「オイオイ、そんな立派な尻尾を邪魔なんていってやるな。欲しくたって増やせるもんじゃねぇんだぜ?大切にしてやれよ。」
服に付いた土をパンパンと払いながら、ウルベントは話す。
「・・・。」
アルルの表情が少し暗くなった。悪い思い出でもあるのだろうか。
「ま、まぁまぁ。その辺で。ところで先生、この後はどうするんですか?」
「特に何もないぞ。入学式は後日改めてやるからな。学園の案内でもしてやろうか?」
「そうですね。お願いします。」
その後、ウルベント先生と共に学園内を歩いて回った。魔法研究室や開かずの扉なんかもあって、興味を引かれる物も多かった。
色々見て回っている内に一周して学園の門まで戻ってきた。
「・・・と、今日はこんな所だな。」
「ありがとうございました。先生。」
「・・・ありがとう。」
「じゃあ二人とも、もうちょいしたらシャルをよこすから気をつけて帰れよ!」
「はい!」「・・・うん。」
ウルベント先生はそのまま校舎へ戻って行った。
「うちのママが来るまで少し時間がありそうだけど、どうする?」
「・・このまま、待ってる。」
「うん、わかった。ぼくも一緒に居るよ。」
近くに木で出来た丁度良いサイズのベンチがあったので、
夕焼けに染まる学園を眺めながら、二人でシャルを待つことにした。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
沈黙が続く。
ちらと横を見る。
そこには少女の無表情な横顔が見える。
紅い陽に照らされる真っ白な少女は儚く綺麗で、ずっと見ていられそうだ。
アルルは視線に気づいた。
「・・・・・・ジノ。・・なんでジロジロ見てるの。」
「あ・・。ご、ごめん。なんでもないよ。」
「・・・・・・アルル、へん?」
「全然変じゃないよ!綺麗だよ!!」
「・・・・・・。」
アルルの顔がみるみる赤くなっていく。
「あっ・・。」
ジノもそれを見て赤くなっていく。
「・・・・ご、ごめん。」
「・・・・・・・・。」
なんとも気恥ずかしい空間になってしまった。
(助けてママン!!!)
ジノがそう念じると丁度シャルが迎えに来た。念じてみるもんだな。
「お待たせジノ!アルルちゃん!二人とも試験合格おめでとう!さ、帰るわよ!乗って!」
「ア、アルル、行こうか。」
「・・・・・・うん。」
「二人とも顔が赤いわよ!まるで付き合いたてのカップルみたいね!」
「「違う!!」」
二人の叫びが響き渡る中、その日は家に帰った。
閲覧有難うございました。誤字脱字、不自然な点等ありましたら指摘をお願いいたします。コメント等、お待ちしております。