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戦慄のモラトリアム  作者: バルバロイ
1章:華の学園生活(仮)
8/16

今日の国際情勢

今回はちょっと内容が難しいです。



「人類の魔力保有量は精霊族エルフの体外干渉術式による魔力変換を元に…」


午前一番の講義は理論魔術だ。

人類の魔力供給器官や術式の発動条件などについて幅広く学ぶ授業だ。

正直、僕ら士官候補生は術式が展開できれば理論なんて分かっていなくても問題は無いんだが、理屈を知っておくことで他種族の魔法についてもある程度把握できる。

戦場において敵を知るのは必要不可欠だ。

という訳でこの授業は戦争が始まってから本格的に導入され始めたらしい。


他の授業も目的はほとんど戦争のためだ。士官学校だから当然ちゃ当然なんだけど。

二時間目の戦争史はなかなかに興味深い内容だった。

その中で今次戦争に至った経緯も聞いた。


獣人族セリアンスロプと戦っていた人族の背後から死喰族アンデッドが攻勢を仕掛けてきて、今人類はブルグンド戦線でアンデッドと抗戦中だ。

獣人族セリアンスロプは先の戦争で疲弊しきっていて、その機に精霊族エルフが獣人族領を支配しようと侵攻を始めた。獣人族セリアンスロプと同盟関係の海洋族シークリーチャーが支援してなんとか戦えている状況だ。

鬼族オーガは隙あらば参入する構え。

龍族ドラゴンも侵攻に備え最近偵察を繰り返している。

よく分からないのが魔神族ディアボロス神霊族ゼウス・ロードだ。

この二種族は国取りに興味が無いのかノーアクション。神霊族ゼウス・ロードは種族としても頭一つ抜けて力があるから攻められても返り討ちにするという傍観の構えは納得できるが、問題は魔神族ディアボロスだ。好戦的な種族性とは裏腹に静観を貫いている。

どの種族がいつ介入してきてもおかしくない。大戦が始まろうとしている…。




「お前が止めねぇとダメなんだぞ。」

不意にピピンが現れて言った。

「わかってる。世界大戦なんて僕だって嫌なんだよ。」

「止められなくても戦争は続けろ。それがお前の存在意義だ。」

そう言ってピピンは姿を消した。

なんだったんだ…。


「止めれるといいな」

ポツリと呟く。が、その呟きは2限終了のチャイムによってかき消されてしまった。


さて、次は実践魔術の時間か。


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