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戦慄のモラトリアム  作者: バルバロイ
1章:華の学園生活(仮)
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そら震えるわな


士官学校の入学式は別に先輩達の歓迎の歌がある訳でもなく、粛々と進んだ。

強いて言うなら総帥 エヴァ=クローヴィスが昨日と同じく威圧感ダダ漏れにして祝辞を述べたくらいだ。クローヴィス准将が登場した途端隣の女の子が震えたのがわかった。僕は昨日で慣れたけどやはり初見だと相当なものがあるのだろう。

そんな事よりも、そう、特筆すべきは女の子の存在だ。士官学校なんて言うからてっきり男だらけかと思っていたら、なかなかどうして女子もちらほら見受けられる。

女性にも戦果を!とかいうわけのわからん男女平等論から、女子もあまり軍隊に抵抗はないらしい。さすが異世界。日本とは常識のベクトルが違う。


今日の予定としては、入学式の後担任とクラスメイトとクラスルームでの自己紹介を済ませた後、施設内の説明を受け寮に戻るという流れだ。

身寄りも何も無い俺だったが、ピピンが色々手を回してくれていたらしく、保護者はピピンという形で入寮することが出来た。ありがたい話だがありがとうとは言いたくない。だってピピンだもの。たくみ。

そんな事を考えていたら担任がクラスに入ってきて、それまで談笑していた生徒達も静かになる。こういうとこはさすが士官学校だな。担任の教官はいかにも軍人と言った感じの男性だった。あごひげが渋いダンディなおっさんだ。

「今日を以て諸君らの担当教官に配属されたドルザエフ=イワレコフ中佐だ。よろしく。」

そうイワレコフ中佐は簡潔に自己紹介した。時短の精神だな。嫌いじゃない。


「では、順番に出席番号一番から簡単に自己紹介をしていってくれ。」

「「「はい!」」」

おぉ、凄いな。ぴったり揃ってる。

それから生徒の自己紹介が始まった。つらつらと進んでいきすぐ僕の番が回ってきた。

雄鹿だからね。

「巧 雄鹿です。最近この辺りに引っ越して来たばかりで分からないことも多いですが、何卒ご理解宜しくお願いします。」

言い終わって席につく。まぁこんなものだろう。嘘は言ってないし。


僕の次に自己紹介をした女の子に見覚えがあった。入学式の時クローヴィス准将の祝辞で震えていた子だ。気弱そうなお下げ髪の女の子。

「イリーナ=ビクトリア…です。あの、皆さんの足でまといにならないよう頑張ります…。」

見たまんま声まで気弱な感じだ。そら震えるわな。軍人なんて向いてないんじゃないか?


そんなこんなで全員発表し終わり、施設内の説明を受けることになった。

さて、誰か話しかけてきてくれないかな。

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