第七話『速報 俺氏、異世界にてついに嫁ができる。』
なんかタイトルでバレバレな気がしますが今回と次の話はとりあえず、戦いはないかなと思います。
「とまぁ…家からここまでいろいろ見てきたけど、特にこれといって目立つものはないな、まあ、そう簡単に奴らのアジトなんて見つかるわけがないか…」
俺たちは家を出て、二時間近くが経過しようとしている。しかし、残念なことにこの世界には時計というものが存在しないらしくみんな太陽の動きで何時かを調べているようだ。俺は、そんな面倒なことはしたくないから具現化の能力で自分が使っている腕時計を作り出し、装備している。ちなみにアリエルは考えがあるらしく『では、私は少し調べたいことがあるので…』と言い、別行動になってる。まあ、対して、期待はしてないけど…
その時、ローレンが指をさした。
「ハルト、あれを見て」
ローレンにそういわれて俺は指をさした方を見た。すると、そこには明らかにこの前みたエリスと同じ服装をした女の人がエリスを連れて行った男に捕まれているのを目撃した。
◆
「ほらほら、早く買わないと商品が売り切れちまうぜ。」
「っ…すみません。それを一つください。」
「はいよ、0,5イスカンダルね。」
「はい、ではありがとうございます。」
そこまで言って女の人は男に商品を渡した。
「お、買えたのか?えらいな。だが、こいつは俺が全部いただく。お前はそこにあるゴミの山でも漁って食いもんでも見つけろ。すまないな、嬢ちゃん。」
男は商品を奪い、バクバクと食べ始めた。
女の人は食べ物をものほしそうに見つめているが、その周囲の人間は誰も手出しはしない。
◆
俺は近くにあった木をどんと叩いた。
「くっ…あれを見て街の人は何も言えないのかよ。」
俺のつぶやきに反応したのはローレンだ。
「多分、言いたくても言えない。それほど国家権力は強いから、それより、そのままじーっと見ているつもりなの?」
ローレンは俺を見た。
国家権力か、道理で街の人が何も言えないわけだ。国に逆らっているようなものだからな。たぶん、死罪とか死刑とか言われるんだろうな。
俺は考え付いたことをローレンに言った。
「ああ、悪いが、しばらくは眺めているつもりだ。奴らが何処に住んでいるのかとか、奴隷は大体何人くらいいるのかとか…どうせ壊滅させる奴らだ。観察して悪いことは何もない。」
ローレンは俺の言葉に渋々頷き、林に隠れた。
「多分、これは違うと思う。」
「違う?何が違うんだ?」
ローレンは口元に手を当てて、考えていた。
「うまくは言えないけど、ハルトが思っているほど酷い奴らでは無いということ、あの男の人も仕方なく命令に動いているだけ。もしかしたら、この制度を決めた国王に問題があるのかもしれない。新国王が新しく即位してからそんなに日が立っていないから…もしかしたら、批判の声もまだあると思う。でも、それも時間の問題、直々に鎮圧していく。そうなってしまえば何もすることできない。」
こいつ…俺に対する頭の考えは甘いのに外に出ればしっかりと考えがあるんだな。
流石、『団結族』といったところか。
「絶対…王政…」
俺はたまたまやっていたネトゲにそんな単語が出てきたのでつい呟いた。
「そう、王様の命令は絶対。逆らえば待っているのは死。簡単だけど効率がいい。裏切り者が出ないために…」
裏切り者…かどこの世界にもそういう奴はいるんだな。
俺は今までのローレンの言葉を踏まえて、考えついたことを言った。
「つまり、これは短期決着が必要になってくる。そして準備段階に入る。そしてやってもらいたいことが二つある。一つはバカ天使に担当してもらいたいからそれは帰ったら話すとして、もう一つの事はローレンに担当してもらいたい事があるんだけどいいかな?」
「うん、分かった。それで、何をすればいいの?」
俺は少し呼吸を整えた、ここでローレンが断ってしまえば俺の計画は完全につぶれる。
俺はすーっと息を吸ってローレンに言った。
「この戦いが終わるまででいい。俺の…俺の嫁になってくれ!」
その時のローレンの顔はきょとんとしていたが、すぐに頷いた。
「いいよ、それくらいだったら、大丈夫。」
そして、俺とローレンは互いにステータスの一番下のメッセージを飛ばした。
内容はこんな感じだ。俺の方には『ローレン=グレネビィアと盟約を下しますか?』というメッセージ、ローレンには『長谷川大翔と盟約を下しますか?』というメッセージが出てきて俺たちは互いに『OK』のボタンを押した。
よっしゃーー、これで勝つる。ローレンよ、俺が単純にお前に求愛を求めていると思うならまだまだ、青いな。俺のネトゲで培ってきたリア充スキルはすでにカンストしている。そしてステータスによると『ヒロイン特効』としてすべての能力値に一定効果のバフが掛かる。勿論、それは旦那でもある俺の方にもバフはかかる。
『拝啓 お父さん、お母さん、俺は異世界でついに彼女に出会いました。俺は幸せいっぱいです。敬具』
「ありがとう、これで勝てるから大丈夫。」
俺はそういってローレンに手を出した、ローレンは俺の手を自分の両手で握って言った。
「うん、ハルトを信じて間違ったことないもん。だから信じるよ。」
そこまで言ってくれるとなんだかむず痒いな。だが、これで準備は整った。後は奴らをたたくだけだ。
◆
その日の夜の事だった。昼間考え付いたことをバカ天使に伝えて、俺はいつも通りに寝ていた。そう、のんびりと寝ていたんだ。だが、ゴソゴソという音が鳴って俺は目が覚めた。そして布団をめくるとそこには…
パジャマ姿で眠っているローレンの姿があった…
「ひ、ひえぇぇぇぇー」
俺は小声でそんなことを言いながらベットから出ようとしたがローレンが俺の服をつかんでいるらしく俺は動こうにも動けない状態が続いた。変に動いてしまってローレンを起こしてしまうわけにはいかない。しかたなく、俺は元いた位置へ戻った。
その時、ローレンが寝ぼけたまま言った。
「ハルト…」
「ひゃぃ…ってなんだ、寝言か…びっくりさせんなよ。」
俺は寝言に驚いてしまい、布団をローレンに全部渡して俺は額に手を当てて眠気を誘った。
これで、良かったんだよな。でも、何でローレンは終わるまでとはいえ俺なんかの告白を引き受けてくれたんだろう…何か引っかかるな。あの、考え方といい、俺に何か隠していることがあるのかもしれない。
と、ここまで考えたところでまた、ローレンが何かを言った。
「ハルト…ハルト…好き…ふふふ…」
っ///…こいつ、まさか本心から俺の事を…
そこまで考えたところで俺は急激に恥ずかしくなり自分で自分の頬をはたいた。
何考えてんだ。こんなのはただのまやかしだ。
俺はよくこんな奴を見て誤解を招くやつらを元いた世界で見て来たじゃないか。恋愛に失敗した人間の数々を…でもな、まあ、こんな日々も悪くないな。
俺はそう言うと眠りについた。
でも、すぐに眠りに付けることなどなく、ムクりと俺は再び起き上がった。
「ん…寝れん、正直今まで一人だったから全然大丈夫だったけど二人になったら暑苦しい。しょうがない、ステータスの更新でもするか」
俺はそう言うと、右手を空間にタップし、たくさんの書類が出てくる中、見慣れたステータスのコンソールを開いた。
「とはいっても、昼間更新しちまったし、やることが無いから眺めているんだけど…待てよ、よく考えたらこの世界って電波ってきているのか?」
なぜそれを一番に考えなかったんだ。俺は自分で自分を責めた。
ネトゲ―マーとして電波の確認は新天地着より三十秒以内に終わらせるのが鉄則だろうが!
俺はずっと持っていたけど使う機会がなかった携帯電話を開いた。
しかし、表示されていたのは『圏外』という文字だ。
「だよな…お決まりなパターンなのもわかっているから別に悔しさはないんだけどね。しっかし、夜間のネトゲができないとなると本当にすることがないぞ…」
俺はそう言いながら携帯電話をしまい、ステータスも消し、ローレンを起こさない様に布団に寝転んだ。
「はぁ…こんなので良かったのだろうか…もし、ローレンが俺について本当の事を知ったら絶対に大変なことになるな…いやいや、後悔してもだめだ。やれるだけの事をしよう。よし、明日も頑張るぞ。」
俺は意気込みを自分で入れて今度こそ眠りについた。
【長谷川大翔のステータス更新】
NAME:長谷川大翔
LEVEL:三十五
ATTACK:七十五+十
BLOCK:二十+十
SPEED:七十+十五
LUCKY:三十+十
EQUIPMENT:前回と変わらず
ARMOR:同上
総経験値:二万五千
SPECIALSKILL:変わらず。
ヒロイン特効ボーナス:ALL+十五
よくもまあ、異世界にてこんなことができますね。うらやましいぜ、ちくせう。と、すみません。取り乱しました。作者です。そういえばこの作品について友人からコメントをいただきました。
『読んだぜ、なかなかいい作品じゃないかと俺は見ている。この調子で頑張れよ。』と言われました。
全力で頑張ります。
では、次回の『俺が異世界転生したらケモ耳とモフモフとダンジョンの世界だった件』第八話でお会いしましょう。