第二話『しょうがない、ダンジョンにでも行こうか…』
前書きは特に書くことがないので省略。
「痛ってて、お前なもう少し加減をしろっての、あうやくまた死ぬところだったんだぞ。」
喫茶店からの帰り道、俺は文句をアリエルにぶつけた。こいつ、本当に加減というものを知らないんだな。
「あら、大丈夫ですよ、貴方が死んでも誰も困りませんし…そんなことよりも、どうしてハルトの返答が『無理』ということなのか説明してもらわないと私は納得ができません。」
おい、さらっと酷いことを言ってくるなこいつは…まあ、んなことはどうでもいいか…俺は今の現状を簡単に説明した。
「いいか、無理だといったのには理由がある。
まずは①、今の俺のパラメーターで連中に勝てるとでも思っているのか?
②、たとえ俺のパラメーターが良くても二人でどうやって連中に勝てる?あいては少なくとも数十人の大規模グループだ。まず、勝てるわけがない。
そして③、これらが全部良くてもエリスを救出できるという保証がない。
念のための④、エリスを連中から離せたとしても連中は絶対に追いかけてくる。たぶんだが、他にも奴隷がいるはずだ、そいつらからエリスは多分白い目で見られるだろうな。そうなってしまえばエリスはおずおずとまた奴隷に戻るだろう。そう考えれば奴らの思うつぼだ。以上のような理由で俺は戦いに参加しない。」
我ながら、理由を述べる技術だけは一流品だな、俺って。
俺のほぼ完ぺきな理由を聞いたアリエルは涙ながらに拳をぷるぷると震えさせていた。
「く、で、でも何かしないと姉さんは助からないのは間違ってないはず…」
「だから言ってるだろ?俺は戦いには参加しない、だが、作戦名にもあったと思うが『エリスを救ってモフモフしてもらおう作戦』だって、つまりだな、大まかな戦いはお前がやれ。俺はエリスを含めたたくさんの奴隷たちを救い、俺たちの仲間に引き入れる。そして俺はそいつらをモフモフする。どうだ、簡単な話だろ?」
俺はため息交じりにアリエルに説明した。
残っている課題は…救出するための俺のパラメーターか…
「そういえば、この世界ってレベル制度ってあるのか?」
「えっ、ええ、まあ、ありますけど…」
よっしゃ、この世界にもレベリングというものができるのか…なら話は早い。
「分かった、それじゃ、俺が持っているこの金全部は全世界共通通貨『ドル』だ。他にも『ユーロ』とか『円』とかが存在するがドルはレベルが違う。まずは使用している国が世界最強国とまで言われたアメリカと呼ばれる国だ。そしてドルは世界保健機関というグループが使っているそしてどこに行ってもドルはほぼ最優先で使われる通貨だ。まずはこの世界について少し話ができるやつに聞きこみをしたいな。おい、バカ天使、お前は俺の金の半分を渡すからそれで防具とそうだな、片手剣を一本買ってきてくれ、基本的にいい奴は店の奴の方が物知りだ。分からなかったら店員にでも聞いてくれ。」
俺はそういうと有り金の半分をアリエルに渡した。
アリエルは「おっとっと」とか言って金を受け取り、走り去っていった。
「さて、邪魔者はいなくなったし、この世界のダンジョンでも探索しますかね。」
えっ、さっきのすごいような解説?ああ、そんなのあいつを納得させるための嘘だよ。
多分だが、だまされやすいんじゃないかな?あいつ。
俺はアリエルの心配なんか忘れて一人でダンジョンへと向かおうと足を運んだ。
◆
「んもう、どこに行ってもこのお金を受け取ってくれるところなんてないじゃない!ああもうハルトに騙された。」
アリエルは大翔の命令を受けて防具と片手剣を買おうとしていたが、大翔が全世界共通とは言ったがそもそもの世界が違っているので大翔の通貨を受け取ってくれるわけがないのだ。
よって、アリエルは自分の金を使うしかないのだ。
「全く、ハルトの奴は…ってここって『通貨交換所』?何よ、そんな簡単に変えられる場所があるなんてハルトってば、忘れてるじゃない。」
アリエルは大翔に騙されているとも気づかないまま、通貨交換所へと足を踏み入れた。
◆
「はぁぁ、剣技『烈火の大砲』」
ここはダンジョン第一層、比較的初心者でも攻略が出来ていてすでにこのダンジョンが出来てから二ヶ月で攻略が成功されているらしい。ってか二ヶ月って遅くね?
そんなダンジョンにレベル一の剣士ハルトは一人、熱心にレベリングに励んでいた。
「よっしゃ、何となくが、このダンジョンの特徴をつかめた。バカ天使には悪いけど、もうしばらく俺のうそに付き合ってもらわないと…しかし、どうしてだろう…」
俺は違和感を感じていた、それもそうだ、俺はこの世界に来てからまだ二日もたっていない。それなのにどうして技が使えるのだろうか…それもかつてゲームでしか見ることのできなかった技や武器のイメージを具体的に想像したら使えるようになっていた。
「ん、もしかして、この世界って何でもありか?」
俺はそんなことを言いながらネットゲームのイメージで創り出した片手剣『フライトソード』と真っ白な防具『トップブレイカー』を構え、ダンジョンの奥深くへともぐりこんだ。
途中、様々なプレイヤー、いやこの世界では団結族と呼ばれるものに遭遇したが特に何も変化はなかった。
そして、ひたすらにレベリングをしてレベルが一から五に上がった時点で俺は気づいた。
『この世界にはレベルアップボーナスというものが無い』ということに…
通常のRPGと呼ばれるものにはレベルアップすると何かしらのボーナスが発生する。例えば、ヒットポイントが上昇したり、攻撃力が上がったり、はたまた特殊なスキルが使えるようになる、とか
しかし、ダンジョンに潜る前に確認のために今のステータスを確認し、狩りを始めたが、レベルが五になってもなにも変わってないことに気づいた俺はどういうことだ?と頭を練っていた。その時、下の方に経験点という欄に気づき、俺はそういうことね、といいながら攻撃力上昇と俊敏力上昇をあげられる限界まで上げて、今日はもう帰ろうかと剣を締まっていた時に『うわぁぁぁー』と奥から悲鳴じみた声が聞こえた。
「全く、帰りたいと思っていたのに帰らせてくれないとは…流石、ダンジョンいい趣味していやがるぜ。」
俺はそんなことを言いながらフライトソードを握り、声が聞こえた奥へと進んでいった。
ちなみにアリエルはまだ、大翔に騙されている。
◆
「うわぁぁ、来るな来るなー」
俺が、奥へと足を踏み入れるとそこには大型モンスター:ミノタウロス二体に囲まれた一人の小さな少年がいた。見る限り俺と同じ駆け出しの冒険者といったところか…
「ううっ、もう終わりか…」
少年は諦めたようにミノタウロスの攻撃を生身で受けようとしていた。だが、すんでのところで俺が剣ではじいた。
「えっ?」
少年は驚いた様子で俺を見たが、俺は気にしない雰囲気を醸し出して少年に向けて言った。
「大丈夫か!ここは、俺が何とかする、お前は早くダンジョンから脱出しろ!」
俺の言葉に少年は頷き、荷物を抱えてそそくさと出て行った。
「よし、レベルアップした効果、存分に見せつけてやるからな。覚悟しておけよ。」
俺は、フライトソードを構えると、二体のミノタウロスに向けて走り出した。
◆
「うおおー『剣技:妖精の花』」
俺は一体のミノタウロスに時間をかけ過ぎていたようだった。気づけば少年を逃がしてから数時間が経過しているのだろうか…さすがにもう限界かなと俺は思い始めた。
しっかし、このミノタウロスどんだけヒットポイントがあるんだよ、面倒くさいな…しょうがない、この世界は想像したものが手にはいる。だったらもしかしたらあれができるのかもしれない。
俺はかすかな可能性にかけてフライトソードを斜めに構えた。
『オプティカル・コマンドスキル:二刀流』
瞬間、俺の左手にもう一本別の真っ黒な剣『ダークコネクト』が現れた。
やはり、この世界は俺が思ったことが具現化できる。
俺はそのまま、一体のミノタウロスに向けて放った。
「はぁぁ、『剣技:星空の流星撃』」
スターダスト・エモキシエーション、連続二十連撃、俺がかつてやっていたゲームの俺だけが使えるスキル、オリジナルスキルの一つで現在の攻撃力と俊敏力をフルに使い、流星のような速さで相手を切り刻んでいくという剣技だ。
スターダスト・エモキシエーションを受けたミノタウロスは当然のようにヒットポイントがゼロになり、ポリゴンとなって砕け散った。
「はぁはぁ…これが二体とかしんどすぎんだろ、って…あれ?もう一体どこに行った?」
俺が二本目の剣をステータスに隠し、もう一体のミノタウロスを探そうと歩き始めたときにポリゴンの砕け散った音が鳴った。
「え、もう一体、倒されちゃった…」
そして、ポリゴンの鳴った所に行くとそこには俺よりもはるかに強そうな女剣士が剣を収納しているところだった。
「あ、あの~」
俺はしどろもどろになりながらもその人に話しかけた。
その人は俺に気づき、振り返ると声を発した。
「あ、ミノタウロス、もう一体、いなかった?」
これが、俺が異世界に来て初めてのまともな人、後に名前を知ることになるローレン=グレネビィアだった。
ちなみにアリエルはまだ騙されている。
後書きの欄なんですけど特に書くことがないなと思うんですよね。というか後書きは書く必要があるのかいまだに謎めいております。作者です。お休みしていた分はしっかりと書いて実績を持たないといけませんね。最近それを実感しました。
さて、ものがたりの方に入って行きますと、大翔君がダンジョンに潜り、そこで一人の女剣士と出会うというのがコンセプトになっています。しっかし、大翔君来たばっかなのに二刀流が使えるとかどういう設定しているんですかね?まあ、そうさせたのはこちらなのですが…
えっと、次回の話についてなんですけど、ゴールデンウィークに入ったので小説をかける時間が取れましたので今年はこっちに集中していこうと思います。
では、次回の『俺が異世界転生したらケモ耳とモフモフの世界だった件』第三話でお会いしましょう。