表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらケモ耳とモフモフとダンジョンの世界だった件  作者: 芳香サクト
第一章:白色の二刀流剣士と世界最高の剣豪
2/13

第零話『まさか…そんな死に方があるなんて…』

この作品は異世界転生です、多少現実世界と違っているのでそこのところをご理解いただければ幸いです。

「うーわ、ラグった。頼むからこんなタイミングでサーバー落ちないでくれよ。今いいところなんだからさ~ あ、落ちた……くっそぉぉぉぉぉー」


 ネトゲの鯖落ちに絶望と怒りを感じ、何日かぶりにパソコンを閉じて時間を見たら深夜の十二時近くになっていたので俺は小腹がすいたことを思い出した。


「げ、冷蔵庫に何も入っていないじゃん…はぁ、しょうがないな、買ってくるか…」


 そう言った俺は財布を片手に持ち自分が外出するときによく着る白色のパーカーを被って玄関の扉を開けた。


「うーわ寒、ずっと家にいたから外がこんなになっているなんて知らなかったよ。」


 その日は寒波が到来したのかとても寒かった。


「とりあえずさっさと行って帰ってこよ。」


 俺は白い息を吐きながらなまりまくった体を動かし、近所のコンビニまで走った。


「ありがとうございましたぁ~」


 深夜にコンビニに行く高校生は珍しいとよく言われるがそれは一部を除いてだ。

 俺は家庭が崩壊してる。

 両親は単身赴任中でしょっちゅう家を空けているため、俺は約一か月分の食料をコンビニやスーパーなどで買い置きをしている。まぁ、金は月の仕送りで送ってくれるから損はしていない。


「さて…早く帰ってネトゲの続きをやらないと…そろそろサーバーが復帰しているだろ…」


 そんなことをぶつぶつといいながら俺はコンビニを出た。


「おにーさん、おにーさん、そこの白いおにーさん。」


 コンビニから出て家に向かっている途中に俺は小さな女の子に呼び止められた。


「うん?俺に何か用かい?お嬢ちゃん。」

「うん!おにーさんに頼みたいことがあるんだけどいいかな?」


 ふむ…幼女の頼みならば聞いてあげよう。


「良いけれど、何をすればいいのかな?」


 俺がそう答えた瞬間、幼女の表情は明るくなった。


「良かったー、実はねとあるところに行ってほしいんだ。でも、ビビは小さいから絶対に行っちゃだめだぞってパパとママに言われているの…」


 幼女ビビは少しうつむき加減でそのセリフを吐いた。

 俺は18禁ルームに行けない小学生みたいだなと思った。


「そうか…でもどうしてそこに行きたいの?」


 我ながら賢明な判断だと思った、いくら幼女の頼みでもお願いをするならまずは理由を聞かせてもらおうか。


「あのね…そこには綺麗なものがたくさんあるらしいんだよ。」


 いかにも小学生の感想というものだった。

 説得力がないが…まぁしょうがない、ここはとりあえず話をあわせよう。


「それで、そこにはどうやって行くの?」


 その言葉を聞いたときにその幼女はぱぁっと明るくなって嬉しそうに言った。


「うん!あのねそこの角を曲がったところに『魔性店ましょうてん』というお店があるんだ。そこに行ってきて一番きれいなものを買ってきてほしいんだよ。」


 うーわ、店の名前から怪しさ満点なんだけどな…と思った。


「分かった、すぐに行ってくるからそこで待っててくれないか?」


 早く行ってネトゲの続きをやらなきゃ…と俺はその時思った。

 しかし、こういう事態に限ってろくなことにならないのが主人公というものだ。

 俺は角に迫っていた大型のダンプトラックに気が付かなかった。


「やべっ」


 次の瞬間、「ドガン」という音と共に俺の体は宙に投げ出されていた。

 でも、その時に俺はしっかり見たのだ。

 あの幼女の表情が薄気味悪い表情になっていたことに…

 と、ここで俺の意識はぷつりと途絶えた。




「ねぇ…起きて、起きてよ。」


 俺はその声で目を覚ました。


「う…うーん、ここは?」


 俺は起きてあたりを見渡したが何もないただ真っ白な世界だなと思った。

 その時に、白い服を着た綺麗なお姉さん(ちょっと胸が大きい)が俺のところにやってきた。


「ここは、天界、私はここで人生のやり直しを担当しています『アリエル』といいます。どうかお見知りおきを…」


 声の感じから俺を起こしたのはこの人だなと思った。

 そして俺はあの後、そのまま死んだんだなと理解した。

 アリエルはそんな俺を見ると何かノートみたいなものを取り出した。


「えー、まず確認させてください。あなたは長谷川大翔はせがわはるとですか?」


「は、はい。俺の名前は長谷川大翔です。」


 俺は正直に答えた、というかここは天界なのだから別に確認しなくてもいいんじゃないかと思った。


「おめでとうございます。あなたは生き返るチャンスを手に入れました。」


 そう言うとアリエルはどこからか取り出したのかくす玉を割った。


「それで、生き返るって言ったってどうやって生き返るんだよ。」


 アリエルは乗ってくれなかった俺を見てあからさまにガックリした。

 その行動を見て俺は一つアリエルに対して革新を持った。

 こいつ…バカだ。ということに


「まあいいでしょう、単純に生き返るといっても色々あります。

 ①同じ人生を一から歩む ②異世界に移る ③二次元の世界に行ける 等が代表的ですね。」


 は?つまりそれは自分の理想の世界に行けるということかよ。

 この天使、バカのくせによくやるじゃないか。


「なるほどねぇ、そうだな…」


 俺は少し考えた、理想の世界…そんなワードはゲームの中の事だ、当然、現実に出来るわけがない。

 だが、待てよ…もし本当にできるならこれはチャンスなのかもしれない。

 意を消して俺は目の前の天使アリエルに向かって言った。


「アリエル、俺にぴったりのケモ耳とモフモフの世界にしてくれ。」


 アリエルはすぐに俺の要望を聞き入れた。

 ただし、もう一度言っておこう。こいつはバカだということだ…


「分かりました、それではあなたの要望の『ケモ耳とモフモフとダンジョンの世界』へお連れします。」


 どこからダンジョンという言葉が出てきたのか…俺はアリエルに訂正をしようとした。

 だが、こいつは聞く耳を持とうとはしないで、まるでツアーのバスガイドのようにテンションを上げ、俺を地面に落とした。


「うわぁぁぁぁー、てめぇぇー」


 叫んだ俺をアリエルはうれしさと勘違いしたようで


「いってらっしゃーい。」


 と陽気に答えた。


 俺は地面に落ちるまでの数秒間、一つの事しか考えられなかった。


 また…死んだ…と


 さすがに二回目の死亡というのはなかった。

 アリエルが俺を空中で止めたからだ。


「あー、忘れていましたぁ、貴方には少しだけ能力ちからを装着いたしましたのでよろしくお願いしますでは~」


 アリエルは今度はしっかりと俺を地面まで下した。

 そして能力の内容を言わないまま天界へと帰っていった。



「あのバカ天使、結局何がしたかったんだよ。それで…ここが俺の理想の世界ということか」


 俺はすぐにあたりをきょろきょろし、見慣れない人々とその人々にぴょこんとケモ耳が見えることを確認してから自分が異世界転生を完了されたことを実感した。


「そうかそうか、これが異世界転生の流儀かぁ~へぇ~…」


 笑顔でそう言った俺を町の人はさも当たり前のように聞き流していた。


「ってふざけんな!あのバカ天使!理想の世界に行けるって言ったのに冒険ダンジョンしなくちゃいけないとかどうしろって言うんだよ!あのバカ天使め、見た目は良いと思ったのに中身は真っ黒な奴だな、まぁ、天使だから許してやるけど…あー腑に落ちねぇー」


 異世界転生されて初めての怒りをその時に覚えた。

 初めて俺は天使アリエルのいたずらにあったと思った。

 そんなことを考えていると当然のように…


「きゃっ」


 誰かにぶつかってしまうのだ。

 自分にぶつかって倒れている女性がいるということに俺は一秒もかからなかった。

 そして、俺は某ギャルゲーで学んだ知識を生かして紳士的な口調で手を差し出した。


「あ、ごめん、前を見ていなかった。君、大丈夫かい?」


 その女性は俺の手をつかみ立ちあがった。


「いえいえ、こちらこそ前をよく見ていなくて…失礼しました。」


 その時の女性はフードをして顔を隠していたため、はっきりと表情は分からなかったが、何はともあれ無事なのは何よりだ。


「お怪我がなくてよかったです。それでは俺は急いでいるので…では」


 俺はとりあえず、今ある金を使ってもいいから今日の泊まるところを探していた。

 もちろんだが、道は分かっていない…


「あ、あの…少しお話してもよろしいでしょうか?そこの喫茶店で、おごりますから。」


 しかし、その女性はそこで終わらず、あろうことか俺を食事に誘ってきたのだ。

 勿論、お願いしたかったが…ぐっと堪えて言った。


「そ、そんな、そこまでしてもらうつもりはなかったのにそ、それに俺、急いでいるので…」


 その口調からわかるに俺はかなりテンパっていた。自分でも何を言っているのか分からなかった。

 だが、その女性はクスリと笑うとフードを外してから俺に向かってそのまっすぐな瞳でいった。

 外したフードからは勿論、ぴょこんとケモ耳が立っていた。


「ふふふ…あなた、異世界転生されたものですよね?」


「はい…はい?」


 あれ?バレてね?と瞬時に冷や汗が垂れてきた。

 お、落ち着け、そうだ。素数を数えて落ち着くんだ。


「やっぱり、そうだったんですね…。あ、あの…」


 その言葉に確信を経たのか女性は表情を一転させ、今度は笑わず少しおどおどしていた。

 一方、俺は挙動不審になりながらも何とか落ち着いた口調で正直に言った。


「はい…俺は正真正銘の異世界t…」


「すみませんでした!!」


 唐突にその女性は俺に向かって謝ってきた。その行動に意味が分からなかった俺は


「はい??」


 と答えることしかできなかった。

『俺が異世界転生したらケモ耳とモフモフとダンジョンの世界だった件』をご覧いただきありがとうございます。僕自身、苦手なオリジナルストーリーだったんですが何とか書き終えることが出来ました。では、この作品を作ったきっかけをせっかくなので話したいと思います。


簡単に言うと別のサイトで上げていた小説が行き詰って急きょこっちに変えてみようと思ったのがきっかけです。それから試行錯誤を繰り返しこの作品が出来ました。という流れです。


では、今回はこの辺で次回『俺が異世界転生したらケモ耳とモフモフとダンジョンの世界だった件』第一話でお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ