身分証明書がほしい
ーーグリエンタル神殿ーー
「とりあえず、俺は話した通りこれから追われる身になる。だから、合流後すぐに旅立つ」
「はい」
「それでだ、サリア。なにか俺たちに必要な物ってあるか」
旅に出る上で必要な物……考えてもいなかったな。
「そうですね。水はダイダ様がいますし、食料は私の分だけでいいでしょう。あとは武器ですね。ダイダ様には本来、必要ありませんが、丸腰にみられるのは危険ですね。ゴロツキに絡まれたりしますし。あとはですねぇ……」
ふむ、やはり彼女を仲間にいれて良かった。決してメロンのためではない。断じて。
「あ」
「ん、どうした?」
「身分を証明できるものありますか?」
「あー」
なるほど、これは重要なことだな。
「俺もフィリアも、もってないんだよねー」
「やはり……」
「どうすればいいかな?」
すると
「手っ取り早いのは冒険者ギルドで登録ですね。ですが……」
「ん?」
「その……」
なにどもってるんだ?
「はっきりいっていいぞ」
「はい……実は冒険者ギルドの創意が、無神論なのです」
なん……だと……
「それ本当?」
「はい。『神なんかに頼るな、自分の力で成せ』ということらしいですよ」
うわぁ、それに登録する神様って矛盾ってレベルじゃないな。
「そんなギルドに神と同じ名前の、顔も似ている若者が行くっていうのが面倒事しかないんじゃないかなって」
「確かに」
んじゃあどうすれば……は!?
「そうだ!」
「え?」
俺はダイダロボットを作ったときの顔面創造魔法がある。あれを使おう!
「顔を変えるぞ!見ててくれ!」
「え、え!!」
刹那、俺の顔が光り、収まると近くの鏡には……
貴公子と呼ばれそうなイケメンがいた。だれ?
「どちら様でしょうか?」
「いやダイダ様ですから」
サリアのツッコミがはいる。
「んー、まあ顔も変わったしこれでいいか?」
「え、ええ。いいと思います」
おや、サリアさん顔が赤いぞ。
「どうしたサリア、そんなイケメンを前にして『タイプで顔を直視できない』みたいな反応をして」
「わかってていってますよね!?」
なーんて絡んで雑談した。そうだよこれだよ。仕事しながらじゃなくて雑談のために時間を使うのがいいんだよな。
「名前はいかがしますか?」
「名前かぁ……」
んーダイはちょっとやだなぁ。
「んじゃダロスで」
「ダロスですか、分かりました」
んじゃ、自由気ままにいきますか。
ーー冒険者ギルド前
「ここが冒険者ギルドかぁ…」
古びた感じの大きなログハウスだった。中からはガヤガヤと賑わったおとが聞こえる。
「それでは私は神殿で待っていますね」
そういってシスターは去っていった。
「んじゃ、登録しにいくか!」




