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謁見とお仕事

 ――数日後――


「やっぱりこれって……」


 そこには1枚の紙。宛先は俺らの宿、そして差出人は王家。

 内容は、報償金と謝罪がしたいので王城へ来てほしいといった内容だったが、そんなことでわざわざ宿を特定してまで手紙を送りつける訳がない。


「行った方が良いと思います」


「とはいってもなぁ、ダリアよ。面倒くさいし逃げるのは簡単だぞ?」


「そんなこと言ったらこの世界楽しむ前にお尋ね者になりますよ」


 うわあ……。それは嫌だ。


「はぁ~、んじゃあフィリア、いくか」


「はい!」




 ――王城、謁見の間――


 あの惨事があった謁見の間はもう血痕が残っておらず瓦礫も片ずけられた後だが、心なしかその部屋にいる大臣級の方々や宰相は暗い表情をしている。天井もまだ崩れたままだ。


「よく来てくださいました。ダロス様……いや、ダイダ様」


 王は明るく俺に呼び掛けるが……いや、重すぎでしょ空気……。まあ、あんなことがあったばかりだから仕方ないと言えば仕方ないか。


「で、俺を呼んだ理由は?」


「そーだそーだ! さっさと旅に出させろ!」


「フィリア、ちょっと黙ってなさい」


 ダリアと来るべきだったと多少後悔しつつも王に向き直る。


「俺の正体を知ってて呼ぶからにはそれ相応の理由があるのだろうな?」


 王は若干緊張しつつも答えた。


「はい。……王都には世界に誇る学園があります。しかし、この前の騒動で将来武官になることに恐怖を抱く生徒が続出しまして……」


「端的に言え」


「はい。その学園で教師をしていただけないかと」


 そんな縛られることを何故俺がと思うと王は続けた。


「実はダイダ様がこの世界に降臨したのでは? という噂がもう広まってしまいまして……その噂が消えるまで学園で教師のふりをしていてほしいのです」


 なるほどな。確かに一理あるが……。


「それで俺を利用しようなどと……「いいですね!!」……ファ!?」


 なんと賛成したのはフィリアであった。


「ダイダ様……なんでか分からないのですが教師と聞くと……とてもやりたくなってきました! 教師したいです!」


「ダイダ様、フィリア様もこう仰られていますし……なにとぞ」





 ……フィリアのために教師やるんだからな! 断じて勘違いするなよ! と弁解するが王はニコニコとするだけだった。あの狸親父め……。




 ―――――――


 その後、宿に戻った俺はそのことをネルスとダリアに伝えるが、彼女達は二つ返事で許可をくれた。


「良いと思うぞ」


「ええ、ダイダ様には人間の常識を身に付ける良い機会かと」


 あーあ、誰か反対してくれればなんとかしたのに……なんて思いつつ学園への赴任手続きを始めるのだった。

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