決闘と昇格
ーー冒険者ギルドーー
「ちょ、フィリア、なにいってんだよ」
「いいじゃないですか、私に任せてください!」
すると、冒険者ギルド内にいた屈強な男達がぞろぞろとダイダ達を囲む。
「おい、お前が本当にフィリア様の師匠か俺達が試してやんよ」
「おうおう、決闘だゴラ」
そして、男達は下劣な視線をフィリアへ送る。
「天女さま~、本当に師匠かどうか、ためしてもいいですよねえ?」
「ええ!」
「ただ、決闘って賭け事なんですよ。何かけますかぁ?」
「うーん、じゃあお金を……」
「こっちは全財産と自分の奴隷化で」
「え!?」
「くくく、フィリア様は? もちろん、こっちは体かけんだ、フィリア様もそれぐらい覚悟してもらわないと」
フィリアはため息をついて、ダイダを見た。そして、驚く。
全く感情が顔に浮いていないのだ。無表情という程度ではない。何もかもを無と見なすような、信じられない顔だ。
(ダイダ様、怒ってますね)
フィリアはそんなダイダを見て怖くもあり、同時に自分のためにと考えると嬉しくもあった。そして、ダイダを信じることにした。
「いいですよ、ダイ……ダロス様が勝ちますから」
「しゃあ!」
「来たぜ!」
男達はもうすでにフィリアを手に入れたと思っているようで、下品な笑いをあげる。
「では、立会人は俺がしよう」
ーー
冒険者二人とダイダ、そしてギャラリーとフィリアは決闘場へと移動した。
「それでは、決闘を始める。2対1だが、異論はないな?」
「ああ、全く問題ない」
「いひひ、後悔すんなよ」
「あの女が……ぐへへ」
「それでは、決闘始め!」
ーー
……? 決闘が始まったのに、何も音がしない。誰しもがそう思ったその時。
(ドサッ)
冒険者二人が、奥の壁にめり込んでおり、そこから落ちる音がした。ダイダは端からみると全く動いたようには見えなかった。
ーー
ダイダはキレていた。目の前のくず二人がフィリアでそういう妄想をするだけでフィリアが穢れると感じた。
(予想以上に俺は、フィリアの独占欲が強いみたいだな)
なんて感じながら、決闘開始の合図を待った。
そして、いざ決闘が始まるとダイダは神速で二人の冒険者を吹っ飛ばしたのだ。一番手っ取り早く、実力を周りに示したのだった。
(俺のフィリアは誰にも渡さん)
そんな決意と共に。
ーー
「とりあえず、ダロス様はAランクになってもらいます」
受付からそんなことを言われた。
「あれ? 昇格試験は?」
「フィリア様の師匠様ですので、特別免除にしました!」
そ、そんなこともできるのか!? ガバガバな制度じゃないか……。
「良かったですね! お師匠様!」
フィリア、なぜおまえはそんなに楽しそうなんだ……。
こうして、よくわからないうちに俺がAランクになることが決まった。




