戦争への歯車
ーーダイダが創造した異空間ーー
「……カハッ!」
「……甘いな……若い者よ。所詮その程度か。それならば我が計画にも要らないものだな」
「……く、な……にが……計画だ……この……くそ……が……」
「これより我は動き出す。世界を巻き込むであろう巨大な戦争が始まるだろう。全ては世界を救うために……な」
「……いってることが……矛盾してるんだよ……」
世界を救うために巨大な戦争? こいつは……頭がおかしいのか。
「この世界は……いずれ、いや、もう既に¨あやつら¨の手に落ちてるかもしれんのだ。それを防ぐためには……仕方ないが多数の犠牲がつくのだ。それで救われるのであれば安いものだろう」
「てめぇ……」
「だが、覚えておくといい。我は正しきことをしていると、その身をもって知ることとなろう」
くそ、もう体が全く動かない。こいつは……強すぎる……。
「……今回は見逃す。だが、次に¨真実¨を知って、それでも邪魔をしたときは……必ず殺す」
最後の部分は、少年とは思えないほどに低い声が出ていた。
「まて……¨因子¨について教えろ……頼む……」
「……」
ロルトルドはすっ、と足を止めて振り替える。そして、その目を見たとき俺は雷に撃たれたかのように固まった。どこまでも澄んでいるその目は……
深い悲しみに満ち溢れていた。
「……そうだな。精神が一番安定しているとき、頭の中から……¨何か¨へ繋がる様子をイメージしろ。すれば自ずと因子の方も答えてくれよう。そして……¨真実¨を知ることとなるのだ」
「……あ、ああ……分かった……」
「では、さらばだ」
そしてロルトルドは異空間に穴を開け、そこから外へと出ていった。
そしてその時に、ロルトルドは呟いていた。
「復讐は……何も生まぬと分かっておるのだがな」
それを聞いても俺は、なにも言うことができなかった。
ーー
「因子……か……」
¨因子¨、そして¨存在値¨……それらが¨真実¨を教えるということか……。
「だけど……世界を巻き込む戦争なんて……起こさせるわけないだろ!」
俺にはこの時、わからなかった。あいつ、ロルトルドが何を考えて戦争をしようと思うのか、何故世界を救うことになるのか。ただ、それでももう決意したことはある。
「あいつが、俺の大切な世界を傷つけるのであれば……俺はそれを止めるだけだ」
この決意は、何があろうと揺るがないだろう。
「さて、フィリアとダリアが心配しているだろうし、帰るか」
そして俺も異空間を解除し、ダリアたちが待っているであろう宿へと小走りに戻った。
ーー天界、某所ーー
ーー三人称side
天界のとある場所では、20代前半のモデルのようなプロモーションをもつ女性がぼーっとしながら空を見上げていた。彼女は時の属性神、ポラルである。いつも通り、のんびりと過ごしていた彼女は、ぴくりっ、と肩を震わす。そして
「……ロルトルド、起きたんだ」
彼女は少し考えるそぶりを見せて、そして
「……きっと、戦うんだ。でも、敗北する。私は……どうすれば……」
そう呟いた彼女は、フラりと起きると、どこかへ歩いていった。
さて、因子と真実ってなんでしょうね~。まあ、この状態じゃ、まだわかりませんよね。最終章への鍵の1つですので覚えておいてください。




