プロローグ
初投稿です。
―――――――――ああ、どこだろう、ここは……
俺の名前は……なんだっただろうか。
眩しい……ここはどこだ……?
俺は誰だったか……名前は……分からない。人間であった記憶はある。確か……日本人、そう、日本人だ。
ああ、感覚器官が元に戻っていくのがわかる。自分の呼吸の音が聞こえる。
ん……誰だ……誰かの声がする……。
「あーあ、もう代替わりかー。にげるのはやくなーい?」
少しずつ目を開けると、そこには16、17ぐらいの年齢の緑髪の少女が俺を覗きこんでいる。
呆然とし、周りを見ると……そこは理想郷とも呼べる景色が広がっていた。
神秘的に輝いた湖とアルプスを彷彿させる雄大な大自然。
そして何よりも天国と感じられた理由、それは……。
あちらこちらから背中に純白のツバサを持ち、美形な顔立ちを持つものたちがいる。
―――――天使と呼ばれるものではないか。
だが、俺はとある違和感を覚えた。なんだろ、この景色にそぐわないものがある。
あ、分かった。
……事務机と書類の山と円盤のキーボードと空中に浮かぶスクリーンだ。そしてそれら仕事?に対して必死に目をぎんぎんとさせながら取り組む天使たちの姿はもはや恐怖を呼ぶものだった。
「なんだこれ……」