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ベースボール☆パンダ  作者: 鮫島あーろん
第一球「出会い」
7/30

出会い-6

「うーん…これがそういうわけでもないんだな」


理一の言葉に上野氏が返す。


「え、あんなデカくてパワーあるなら角度付ければホームランなんてポンポン打てるんじゃ?」


「この子を外で打たせたことも何度かあるんだけどね…ホームランはあまり打てない様子だった」


「…どうして?」


「簡単なことだ。上見てみなさい」


上野氏が上を指差す。二人も見上げてみた。


「…そういやここ、天井低いっスね」


「あいつのバッティングはここで形作られた。正面にいくら鋭いライナーを飛ばしても、なかなか弾道が上にはいかないようだ」


「それはちょっと、もったいないですね」


「仕方ないが…確かに…少しかわいそうでもある」


その時、不意に打球音が止んだ。


「親父」


ビクリとする二人。

『パンダ』が、喋った。


「今日、もう上がるわ」


「そうか」


上野氏が事もなげに答える。

理一が小声で「やべーよやべーよ」と繰り返し呟いている。

金属バット片手に迫るパンダは、ヤンキーのカチコミのそれだった。


「そろそろ新しいの作ってくれ。手応えが無い」


「全く、呆れたやつだ」


「それに付き合ってるあんたもな」


パンダは居すくまる二人を空気のように無視して、バッグを背負い立ち去ろうとした。


「・・・あの!」



凜太郎の口が、勝手に動いた。

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