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ベースボール☆パンダ  作者: 鮫島あーろん
第一球「出会い」
3/30

出会い-2

 二人は手続きを済ませると、センターに一つだけピッチングスペースに入り、キャッチボールを始めた。


「なんつーか、お前上手いなやっぱ。キャッチボールで分かるわ。送球が全然ブレないもんな」


「後藤君…ゴリも流石キャッチャーだと思うよ」


「…ッ!?、お前ゴリはやめろよ!ほら見てみろ、全然ゴリラじゃないだろ!」


理一の顔は確かにゴリラというよりは狐のようなシャープな造形である。しかし体格はキャッチャーらしくがっちりしていた。


「…じゃあミキリン呼びも止めてください」


「ったく、どうでもいいことは思い出しやがって…じゃあいいよ、ゴリで」


「止める気ないんですか!ミキリン呼び!」


「んな言われたってミキリンはミキリンだもんなー…というかお前、サイドスローなのな」


「体格無いし、変則フォームの方がいいかと思って」


凛太郎の身長は160センチに届かない程度。体格も細身で、それも「女の子っぽい」と言われる原因の一つだった。


「お前ダメだよー最初から守りに入っちゃ。身長なんてこれからまだ伸びるんだからよ。エースになるんだろ?エースならオーバースローからストレートビューン、フォークズドーンよ」


「…そういうもんかな」


「いやそうでもないな」


あっさり前言撤回。


「エースに大事なのは心意気だからな。フォームやスタイルは関係ない…よし、立ち投げはこの辺にして、座ってみようか」


理一は片膝をついて座ると、ミットを凛太郎に向け構えた。


「フォームくらいちょっと作ってみたんだろ?」


「…うん」


人に投球を受けてもらうのは始めてのことだった。


ピッチャーとしての第一球。

そう考えると凛太郎は少し緊張した。


「何やってんだ、来いよ」


「…オッケー」


フッと一息吐くと、理一の構えるミットを見つめる。

腕を高く掲げ、ワインドアップ(※)モーション。


(お、それっぽいじゃん)


理一 、ニヤリと。

凛太郎は高く足を振り上げるとタメを作り、左足を踏み出すと同時に力感を開放。

右腕を思いきり振り抜いた。



(な!?)


※ワインドアップ

腕を頭の上まで振りかぶること。また、そのフォーム。

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