泡沫
短期バイトしててこんな感じの人多いな、と思いました。
最終日にはみんな弾けてましたけどね。
自分を偽っていた仮面が落ちる。
自分を覆い隠す為の、自分のカケラ。
それは汚れて剥がれて自分の足元に落ちて、それで足元に溜まっていく。
自分を押し殺して、言葉を呑みこんで、意思を押しこめて、それに慣れて。
そして最後に言葉は形にならずに弾けて消える。
それでも、その言葉の元になったモノは体に残っている。
体に溜まった言葉に出せない溜まったそれは、身体を駆け廻り焼きつく。
言葉にならない、叫べない、押し殺されていた想い。
それはいつか弾けて何かを伝えるなにかとなる。
想いはいつか崩れる。そうして自分の心は砕け壊れていく。
それでも想いは消えず、世界に不明瞭に刻まれていく。
だけれど、世界は何も変えない。誰も変えてくれない。
変えるには自分が自分の意思で、世界に明瞭に刻まなくてはならない。
砕けた想いのカケラは自分の中に残っているから。
それは熱を持って確かに疼いているから。
胸を焦がし、体に溜まり、身体を駆け廻るいるから。
そうして声にならない声を叫ぶ。
世界に自分を刻むために、一時の泡沫となって人の記憶に刻むために。
その叫びは、その想いは、歌となって世界に刻まれる。
泡沫は一時のもの。
いつか弾けて消えてなくなる存在。
それでも、刻まれた想いは確かなもので。
焼きついた想いは本物で。
それは立ち上がる為の痛みとなって。
今を生きる貴方の糧となる。
例え、それが泡沫の記憶でも。
一瞬でも刻まれた想いは。
誰かに何かを伝える糧となる。