~山田優と雑談部と部活勧誘~2
私はひょんなことから『雑談部』を知り、入部しました。
これは、その後のお話です。
あ、1話の『校内放送の理由』も分かります。
私は、雑談部に勧誘された人に連れられ、体育館裏の小さな小屋にたどり着きました。小屋には古い看板がかけられ『雑談部』と書かれていました。
《体育館裏・雑談部部室》
「入部希望者を連れてきましたよ~。」
小屋の中には2人の女の子がいました。
「あ、私たち以外にもこの部活に入る人がいたみたいね。」
一人の女の子は、長いストレートヘアーの女の子です。黒髪がよく似合っています。
「あたし、風花みやび。よろしくね。」
(綺麗な黒髪だなぁ……。)
そう思っていると、
「こ、こんにちは……。」
もう一人の女の子が声をかけてきました。淡い灰色の長い髪の毛を、後ろへ2つに分け束ねている髪型で、はずかしそうに片手をグーにして口の前に置いているのが、かわいらしさを引き立てています。
「わ、わたし、向鏡魅霊……。よろしく……お願いします……。」
(か、かわいいなぁ~)
女の子にキュンキュンしていると、勧誘された人に、
「で、あなたは、なんてお名前なんですか~?」
「あ、私は、山田優っていいます。」
「なるほど~、優さんですね~。私は、クレア・F・マリアといいます~。一応部長です~。」
ニッコリとした笑顔がとても魅力的でした。
(私が、男なら間違いなく惚れてるな……。)
と、思った後、私は、
「え、えっと、今日からよろしくお願いします!」
と、皆さんに挨拶をしました。すると、みやびさんが、
「お堅い挨拶なんて無し無し!あたしも、魅霊もさっき入部したばっかりだから!」
(コクコク)
風花さんの隣で、向鏡さんもうなずいていました。……かわいらしさ全開です。
「あ、そうなんですか…。」
(てっきり、学年が上かと思ってた……。)
「そうそう、だからあたしのことはみやびって呼んでよね。」
「……、魅霊……で、お願いします…。」
同じ学年なら、いいですよね……。
「分かりました。みやびさん、魅霊さん。」
私が、言うと、
「……堅いわね……。ま、いいわ。」
と、みやびさん。敬語無しのほうがいいのかな?
「とりあえず、部活動を始めましょうか~。」
《雑談部部室・午後6時ごろ》
私たちは、2時間ほど雑談していました。
その時、私はふと、
「そういえば、何で、みやびさんと魅霊さんは雑談部に入ったんですか?」
と、聞きました。すると
「親に部活に入っておくよう言われたから。」
と、みやびさん。
(コクコク)
隣で、魅霊さんもうなずいていた。
「あ、あと、聞いたことがない部活だったから、興味本位。」
と、続けるみやびさん。
(コクコク)
魅霊さんも、同じ理由のようでした。
すると、みやびさんが、
「じゃあ、優は何で入ったの?」
と、質問返し。
(まぁ、私も同じなのですが……。)
部長が期待した眼差しで見るのでそうは答えられず……。
「え、えっと、友達がクラスに居ないから~、とか?」
その時、場の空気が凍りつきました。
部長は、沈黙したまま、私から目をそらしました。
魅霊さんは、うつむいてしまいました。
「……、え、えっと、なんか、……ゴメン……。」
みやびさんに至っては、この後、5分に及ぶ謝罪の雨霰……。
(……、うん、失敗だな、これ。)
『後悔先に立たず』 教訓にします。
そのあとは、軽い沈黙の後、私たちは解散しました。
1週間ほど後、
私たちの、部活生活にも慣れた時、あの朝会がすべての始まりでした。
《体育館》
「次は、校長先生のお話です。」
教頭先生の、紹介の後、校長先生が壇上に立ち、こういった。
「生徒諸君、おはよう。突然だが、部活に所属している生徒の諸君に質問だ。」
「この学校では毎月部費を各部活に払っている、しかし……」
校長先生は少し間をあけ、
「……部費は、足りているか?」
その一言で、体育館がざわめいた。
校長先生は、続けた、
「……最近、部費が足りていないといろいろな噂を聞く……。そこでだ……。」
「わが校は、新たな行事として『部活動大戦』を開催する!!」
『!!!』
生徒たちは校長の言葉にざわめきから、騒ぎへと変わった。
「部活動大戦だって!!」「あの噂の行事のことか!?」「そんな馬鹿な!!」
(部活動……大戦……)
私は、その言葉を知っていた。
『部活動大戦』
部活動同士が、己の部の部費をかけて戦いをする、最近この高校で行われるかもしれないと噂になっていた行事のこと。
(……まさか、ただの噂だと思っていたのに……)
私は、今聞いた校長の言葉を信じることができなかった。
「詳しいことは、1週間後の朝会で話す。――以上だ。」
これが、この学校で流れる『校内放送の理由』です。
―私たちの戦いは、このときから始まったのです―
いかがでしたでしょうか?
感想等ございましたら、お気軽にお願いします。
また、次回お会いすることを心よりお待ちしています。




