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第三十三話  カラオケ


ヒロミがあらかじめ予約で取っていたカラオケルームに白夜達が入ってきた。


「ほぉ・・・此処がそうなのか?知らない物が沢山あるな。」


白夜はもの珍しそうに、部屋の中を見渡していた。


「そ!・・・で、コレが歌う曲を入力する機械で、コッチが歌う為のマイク。」

「ほほぉ・・・こっちの楽器みたいなのは?」


白夜は置いてあったタンバリンを持って夕紀に見せた。


「えーと・・・それは、場を盛り上げる為の小道具かな。」

「なるほど。」


興味津々でいろいろと触ってる白夜を眺めながら、三人の顔は緩んでいた。


「もぉ・・・可愛いなぁ。白夜ちゃんは。」

「本当ね。見ていて微笑ましいわ。」

「あっ!そうだ。飲み物頼むけど、なにがいい?」

「私はウーロン茶。」

「私はココアのホットで・・・白夜ちゃんは何にする?」

「ぬ?何があるのだ?」

「此処に書いてある物から選んで。」


白夜はしばらくメニュー欄とにらめっこをしながら、


「んー・・・この『めろんくりーむそーだ』って言うのを頼む。」

「流石・・・可愛いのをチョイスするわね・・・白夜は・・・じゃぁ、頼むわよ。」


夕紀は部屋に備え付けられてる電話で、フロントに注文した。


「じゃぁ・・・最初に誰が歌う?」

「あ!一番手は私が歌うわ。」


と、ヒロミが手を挙げて、早速機械に入力した。

それを見ていた白夜は、


「ワシは、今の曲しらないぞ?」


白夜は困った様な顔で夕紀に問いかけた。


「そうね・・・。じゃぁ、私たちの歌った後の曲を歌ったらいいわよ。」

「ふむ。そうだな・・・そうするか。」


白夜も夕紀の提案に納得して、曲が流れ出したのでモニターを見た。

ヒロミが歌ってる間、白夜はモニターに釘付けだった。

歌が終わり、ヒロミに向けて皆が拍手を送った。


「なかなか、良い歌だったな。」

「上手いなぁ・・・ヒロミは・・・。」

「へっへー!日々練習してるからね!」

「あら?私だって負けませんわよ?」

「おぉ・・・自信あるなぁ。まぁ、実際に上手いから悔しい・・・。」

「コレは、映像と一緒に歌詞も出るのか?」

「そうよ?便利でしょ?」

「うむ。コレならワシも歌えそうだ。」

「そうね。でも・・・先に歌って見せた方が、白夜ちゃんも歌いやすいでしょ?」

「そうだな。」

「っと言う訳で、先に歌わせて貰うわよ?夕紀。」

「あ!ズルイ!いつの間に入れてたのよ?二番手私だと思っていたのに・・・。」


ヒロミが歌を聞きながらも夕紀が白夜の行動を眺めてる間に、千歳は持ち歌を選曲して入力していた。


「あれ?この曲、入ってたんだ?」

「最近入ったみたいね。」

「うわぁ・・・白夜に歌わせたい。」

「どんな曲だ?」

「聞けばわかるわ。」

「そうか?」


歌詞が流れ千歳が歌い始めると、聞いていた白夜の表情が段々と赤くなってきた。

千歳は踊りながら歌いきり、皆から拍手を貰った。しかし、白夜だけは赤面しながら微妙な表情を浮かべていた。


「あら?白夜ちゃん・・・顔真っ赤だけど、どうしたの?」

「い、いや・・・その・・・聞いていて、なんだか恥ずかしいと言うか・・・体がこそばゆいというか・・・何とも言えない感覚に襲われたんだが・・・。」

「そう?でも・・・コレ、白夜ちゃんに歌って欲しいわ。」

「え?う、歌わないとダメなのか?」

「えぇ。」「もちろん。」「是非!」


戸惑う白夜の問いかけに三人とも頷き、白夜は否応なしに拒否出来なくなった。


「さ~て、次は私ね。」


夕紀はマイクを持ってゆっくり立ち上がった。


「フフフ・・・。白夜に歌って貰う為に寝ずに選らんだ、この一曲。」

「へぇ・・・それは期待するわ。」

「アニソンでしょ?」

「あははは・・・それしか知らないからね。」

「あにそん?・・・てなんだ?」

「んー・・・アニメソングの略かな。」

「あにめ?あぁ・・・夕紀がいつもテレビで見てるヤツか?」

「そうそう。」

「なるほど・・・理解した。」


ヒロミの説明に納得した表情を浮かべて白夜は頷いた。

歌詞が流れ始め夕紀は歌い始めた。その曲は力強く、とても男らしい内容の曲だった。

白夜はその曲の歌詞を見ながら、自然に皆と一緒にリズムを取り、皆が合わせてるパートもわからないながらもノリノリで参加していた。

そして、盛り上がったテンションのまま曲が終了した。


「やっぱり、熱い歌は盛り上がるね!」

「そうね。結構、白夜ちゃんもノリノリだったわね。」

「うむ。自然と体が動いてた。」

「歌は良いね!じゃぁ・・・早速、白夜ちゃんに歌って貰おうか?」

「うっ・・・むぅ・・・。人前で歌うのは初めてだな。」

「あら?歌った事はあるの?」


早速、ヒロミは曲を入力してマイクを白夜に渡した。


「楽しみね。」

「そう言えば、白夜の歌を聞くの初めてかも。」

「あら?そうなの?」

「うん。だから・・・ちょっと楽しみかも。」


ふと、白夜の表情を見ると、少し緊張した面持ちでマイクを両手でしっかり握ってた。


「フフフ・・・白夜ちゃん。そんなに緊張しないで、肩の力を抜いて歌った方がいいわよ?」

「う、うむ。そう・・・だな。」


白夜は大きく深呼吸してたおかげで、少し緊張がほぐれたのか・・・マイクを片手に持ち替えた。



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