表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/84

第二十二話  人影


「おっはよー!夕紀!千歳!」

「あっ!おはようヒロミ。」

「あら?ヒロミさん、おはよう。」

「二人が一緒なんて、珍しいわね。」

「まぁね。」

「昨日は、夕紀の家に泊まらせてもらったの。」

「へぇ。そうなんだ。」


三人は話しながら歩いていた。ふと、ヒロミが銀行強盗の事件について話し出した。


「ねぇ、ねぇ。夕紀は知ってる?学校内じゃ結構話題になってるけど、強盗犯捕まえた白髪の少女。格好いいよねぇ。」

「へ、へぇ・・・。凄い子もいるよね。」


とぼける夕紀の横で千歳は、クスクスと笑っていた。それを見た夕紀は、ヒロミに聞こえないよう小声で、千歳に話しかけた。


(ちょっと・・・何笑ってるの?)

(ごめんなさい。当事者だと思うと、可笑しくって・・・。)

「ちょっと?二人で何コソコソ話してるの?」

「え?な、何でもないわよ。」

「そうね。大した事じゃないのよ。それより急がないと遅れるわよ?」

「ふ~ん。まぁいいわ。遅刻はイヤだもんね。」


三人は、少し駆け足で学校に向かった。校門を抜けると、千歳が何かを思い出したかのように立ち止まった。


「あっ!ごめん。二人とも・・・私、役員の打ち合わせが有ったから、先に教室行ってて。」

「生徒会長の仕事も大変ね。」

「まぁね。変わってあげましょうか?夕紀。」

「無理無理。私がこなせる訳無いって。」

「フフフ・・・冗談よ。じゃぁ、また後でね。」

「またね。」


千歳と夕紀は、手を振りながら別れた。二人の様子を見ていたヒロミは、笑いながら、


「貴方達、本当に仲がいいのね。うらやましいわ。」

「まぁね。もう、親友通り越して、姉妹の様なものかな?ハハハ・・・。」

「いいなぁ・・・。」


ヒロミは、本当にうらやましそうな顔で夕紀を見ていた。


「あっ!そうだ!」


突然、何かを思い出したかのように、ヒロミは大きな声を出して、それに、夕紀は驚いた。


「ちょっ?!何大きな声出してるのよ?ビックリしたじゃない。」

「ごめんごめん。凄い情報思い出したんだぁ。」

「凄い情報?」

「そ!まぁ、教室で話すよ。急がないとホームルーム間に合わないよ。」

「そうだった!急ごう!」


壁には『廊下を走るな!』のポスターがあったが、教室へ向けて二人が駆け抜けた後、その役割を果たせないまま、虚しく地面へと剥がれ落ちたのだった。


「ふぅ・・・。間に合ったぁ。」

「ギリギリだったね。」

「だね。・・・あれ?まだ千歳が来てない。」


それを聞いた夕紀も、千歳の姿を探した。


「ホントだ。会議が長引いてるのかな?」

「かもね。あ!先生が着ちゃった。」

「やばっ!」


夕紀達は、慌てて席に着いた。


「えー・・・今、学校行事の打ち合わせの為、生徒会役員は遅れますので、このままホームルームを始めます。」


――そっか・・・もう、学祭か・・・白夜を連れてこようかなぁ。喜ぶかなぁ?――そんなことを考えながら、夕紀は窓の外を眺めていた。


――――同時刻・・・碑宮家・・・


白夜は、洗濯物を干して布団を片付けた後、黙々と部屋の掃除をしていた。


「ふぅ・・・。なかなか、掃除のしがいがある家だ。」


子供一人で生活していると、やはり掃除の行き届いてないところが多々あった。

夕紀の性格上、面倒くさくなって、掃除してないのもあるのだろう。

白夜は、手慣れた手つきでドンドンと掃除を進めていた。

気がつくと結構な時間が経っていて、ふと外を見てみると雨雲が広がってきていた。


「おっと。洗濯物取り込まないと・・・。」


白夜は掃除を途中で切り上げ、庭で干していた服とかをカゴに詰めて急いで家の中へ戻った。

そして、乾いてない洗濯物を部屋で干し始めたときに、雨が降り出した。


「なんとか、降る前に取り込めたな。」


一安心して、干し終えると今度は乾いている服をたたみ始めた。


「そう言えば・・・夕紀のヤツ、傘持って行ってないな。持って行ってやるか。」


白夜はたたみ終えてから、スクッと立ち上がると、夕紀があらかじめ出してくれていた、お下がりで白のワンピースを出してきて着替えた。

そして、玄関に掛けてあった帽子を手に取ると、髪が見えないように被って二本の傘を手に取り、玄関を出て白い傘を差した。

家を出て行く白夜の後ろ姿を確認して、物陰から一人の男が出てきたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ