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第十九話  就寝



三人は雑談をしながらテレビを見ていた。

ふと、白夜が時計を見た。


「ぬ?もうこんな時間か・・・。お主等、そろそろ寝た方がいいぞ。」

「え~?ねむたくなーい。」

「そうね。夜更かしは美容に悪いから寝ましょうか。」

「え~・・・。まだ、2時だよ?」

「たわけ!何時まで起きておくつもりだ?もう寝ろ。」


その時、再び千歳が何かを閃いた。そして、微笑みながら二人を見て、


「三人で寝ましょうか?」


と言った瞬間、それを聞いて明らかに二人の表情が対照的に変わった。一人は大賛成の様子で瞳を輝かしながら明るい表情と、もう一人は大反対な様子で首を横に振っていた。

しかし、多数決で勝てる訳もなく、諦めながらも嫌な予感しかしない白夜を強制的に連れて、夕紀の部屋へと向かった。


夕紀は部屋に入ると、押し入れ布団を引きづり出して床に敷いた。


「あら?布団2つだけ?、貴方はベッドで寝るの?」


てっきり夕紀は、布団を3つ並べるモノだと思てった千歳は不思議そうな顔をしていたが、夕紀は指を振りながら舌を鳴らした。


「甘いわね。千歳・・・白夜と一緒に寝るんだもん。一人でベッドに寝るわけ無いじゃん!」

「そう?折角、白夜ちゃん独り占めできると思ったのに・・・。」

「させないわよ?」

「残念。」


二人は、顔を見合わせながら笑っていた。そこへ、白夜が割って入ってきた。


「水をさすようだが・・・、ワシが眠ることはないぞ?」

「え~?そうなの?」

「残念ねぇ・・・。白夜ちゃんの寝顔見たかったのに・・・。」


二人から残念そうな顔でジッと見つめられ、白夜は耐えきれず目をそらし


「わかった。わかった。お主等が寝るまで側で寝てやるから、そんな目で見るな。」

「やった!じゃぁ。白夜は真ん中で寝てね。」

「なんで?!」

「二人平等に寝たいからよ!」

「はぁ・・・。訳の分からんことを・・・。仕方ない。此処でいいんだな?」


白夜は、渋々布団の中央に寝転がった。そして、二人は左右嬉しそうに、白夜を挟む感じで布団に潜り込んだ。

しばらくは動かなかった二人だったが、夕紀が最初に不穏な動きをし出した。


「・・・?!えぇい夕紀!モゾモゾするな!」


夕紀は、モゾモゾと白夜に近づいて来た。すると・・・それに釣られて千歳も近づいて来た。

そして、二人は白夜に抱きついて、離れなかった。


「あぁ・・・。白夜の抱き心地最高!」

「本当ね。柔らかくて、いいニオイがするわ。」

「何故、抱きつく?!」


流石の白夜も、困った顔で抵抗していた。


「身動きが取れないでわないか。・・・って、何処触ってる?!変なとこ触るな!」

「ねぇ・・・。白夜ちゃん。私・・・なんだか興奮してきましたわ。」

「へ?」

「私も・・・なんだか変な気分。」

「お、落ち着けお主等!」


白夜は身の危険を感じて、布団から抜け出そうとしたが二人に捕まった。


「あああぁぁぁぁ・・・・」

「逃げちゃダ~メ。安心して、何もしないわよ。・・・たぶん。」

「そうそう。だから、諦めてね。白夜ちゃん。」


引き戻される布団の中から覗く二人の微笑みに恐怖を感じていた白夜は、囚われた子犬のように震えていたのだった。


「そんなに震えて・・・寒いのかしら?」

「そうね。暖めてあげる白夜!」

「ち、ちがう!」


抱きつく二人は、ドサクサに紛れて、白夜の服の中に手を忍ばしていた。


「ちょ?!お主等、何してる!!」

「スキンシップ。スキンシップ。」

「早く寝ろ!!」

「良いじゃない。減るモノじゃないんだし・・・」

「色んなモノが減りそうで怖いわ!」


二人の攻撃を耐えながら、スキを見て逃げようとするが・・・この時ばかりは、二人の息がピッタリと合っていた。


「お主等!いい加減にしないと怒るぞ!」

「もう、怒らないでよ。」

「そうそう、女の子同士だから気にしない。気にしない。」

「気にするわ!いいから離れろ!!」


白夜は二人を引き離すと、諦めたのか・・・離れた二人は動かなかった。


「やっと、諦めたか・・・。」


そう言って、白夜は一息つくと・・・。

再び二人が転がって近づき、白夜にとって敏感な脇や横腹を二人かかりでこそばしてきた。


「ひゃぁ?!ちょ・・・や、やめ・・・ろ!ひゃん!!」


深夜に白夜の悲痛な笑い声にも似た悲鳴が響いた。



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