序章 ※注意!挿絵が有ります
初めまして!
初投稿なので、緊張モノですね。もし良かったら、生暖かく見守って頂くと幸いです。
深き山の中――戦に巻き込まれ、夕暮れの空を更に赤く染める。燃え盛る家屋――逃げ遅れ血の華を咲かせた村人の無残な屍の数々・・・。――紅く、朱く染める景色の中、まだ幼い妹と思われる力ない死体を抱きかかえて怒り、嘆き悲しむ男の影があった。
「ワシに・・・ワシに、もっと力があれば・・・。」
男は、己の無力に呪いの言葉を吐き、行き場のない怒りを血がにじむほどに拳を大地に叩きつけていた。
目からは、流す涙も血の色になり何度も、何度も同じ事を呟き続けていた・・・。
-数時間後-
辺りは、いつの間にか燃え尽き”パチッパチッ”とくすぶる家屋。そして、すべての屍を覆い尽くす闇夜に呑まれていた。
男の拳は、すでにボロボロで握ることもままならず・・・無気力に空を眺めていた・・・。
そして、絶望の中・・・男は一言呟いた。
「ワシに・・・戒めを・・・。」
男は・・・すでに、まともな精神状態ではなかった。大切なモノを守れず――無力な己を呪い――力を渇望していた。
「大切なモノが守れるなら・・・力が得られるのなら・・・ワシは、獣になってもいい・・・。」
そう呟き・・・フラフラになりながらも立ち上がり、幼き妹の亡骸を抱きかかえた。
「せめて・・・今、生き延びた一族を守れれば・・・一族が途絶えるまで、守り続ける戒めをワシに・・・。」
バランスを崩しながらも・・・歩き始め、やがて男は山の深い闇へと、その身を溶け込ましていった。
-それから500年後:現代-
「おはよー」
「あっ!おはよー!」
中学校へ登校する学生達の何気ない挨拶が聞こえてくる。
その中の一人、得に目立つわけでもない普通の少女・・・名前は、碑宮 夕紀中学校2年生だ。
ただ・・・家の裏には、大昔に村を無くし、時が経って、戻ってきた村の一族が虐殺された村人の魂を慰めるために建てた慰霊碑があるのだ。
それと同時に、昔話の様に語られていた『悪い事をすると、白いお化けが現れて・・・食べてしまう』って言う、悪い子のお仕置きを兼ねた言い伝えもある。
・・・・が、こっちの方はたぶん、迷信だと思う。
何故なら・・・私が幼い頃、散々聞かされてきたけど一度も、そんなお化けには会ったことが無いからだ。
そして、今日も何事も無く・・・平和で、みんなとワイワイ楽しみながら学生生活を楽しんでいた。
学校が終わり、今日に限って珍しく部活の助っ人で遅くなった。まぁ、次の日が休日だからそれほど苦ではなかった。・・・日が暮れ始め、暗い夜道を帰る・・・が怖くない人は、たぶん居ないと思う。
電柱についてる街灯が点々とあるだけで・・・決して明るい夜道ではない。それに私の両親は、二人とも海外出張でしばらく家にいないのだ。
そのため、誰もいない家が心配なので足早に帰っていた・・・その時、一台の黒いワンボックスカーが近づいてきた。
「君一人?よかったら家まで乗せてあげようか?」
そう言って、運転席側から助手席の窓を開けて若い男性が声を掛けてきた。
「あっ!・・・・えーと、大丈夫です。一人で帰れますから・・・。」
そう答えた瞬間、後ろのドアが開き…3人の男性が飛び出してきて、口を押さえられ、無理矢理車の中に押し込まれたと同時に、車は山へ向けて走り出したのだった。
頑張って、続けていこうと思いますので・・・よろしくお願いします。
一部設定変更させて頂きました!ご了承下さい m(_ _)m