08「ユウジロウオーディション」
ショパンとラフマニノフは大スターのユウジロウの
プロモーションに入りたいということでオーディション
に来ていた。
三千人近い応募者の中に、ショパンとラフマニノフはい
た。
ラフマニノフ「ユウジロウや。私たちは地球でも超有名な音楽家だった。だから、オーディションなんかしなくても採用し
て、合格にしてくれるだろう?」
ユウジロウ「ちゃんと、オーディションに参加して正式に受
からないとだめだよ。あんちゃん」
ショパン「そうですよね。私たちだけ特別扱いしたら、私た
ちより格下の参加者が不公平ですよね」
ユウジロウ「格下ってなんだよ。君たちより偉大な人たちが
来ているぞ?」
ベートーベン「私たちのことかな?」
ラフマニノフ「なんだ。ベートーベンとモーツァルトも来て
いたのか?こりゃ、大物だ!」
モーツァルト「ショパンはピアノー傾倒。ラフマニノフは私
たちのまさに格下。相手にならないね」
ショパン「なんだ!!!決めつけるなよ!今回のオーディシ
ョンは映画の作曲家を決める大会なんだから。
クラシックしか作曲したことない私たちじゃ、不利かもしれ
ないだろ?」
ユウジロウ「いや、君たちのクラシック映画音楽専用の
ポストを用意している。しかし、2人までだ!がんばって合
格してくれ!」
ラフマニノフ「クラシック映画音楽専用ならショパンは受か
らないかもな。よりオーケストラの使い方が重要になるから
な」
ショパン「審査基準はどんな感じなんですか?」
ユウジロウ「ピアノオンリーでも大丈夫だ。より魅
力的で愛されそうな甘美なメロディーを生み出せる作曲家二人を決める!映画を彷彿とさせる内容が何より重要だ」
こうして、オーディションは開幕した。
映画「男たちの魂」という戦争に行った男の生き様を曲にする。
結局、オーディションは「ピアノ協奏曲」で勝負することになった。
結果、ラフマニノフとベートーベンが採用された。クラシック専用の作曲家たちは他にも30人ほどいたが、やはり、こ
の二人は別格だった。ラフマニノフは特にトップ合格した。
ラフマニノフの甘い旋律とベートーベンの力強い旋律が合っ
ていたみたいだった。
ショパン「なんで僕のピアノ協奏曲は採用されなかったんで
すか?悔しいです。今までたくさん作曲して、腕を磨いてき
たのに!」
ユウジロウ「ショパンの場合、怒りを感じる旋律が不足していた。全くなかった。終始、いつもの君らしい甘すぎる旋律が繰り返されるだけだった。また第3楽章がラフマニノフのほうが優れていた。あと、やはり、オーケストラが目立たないところは変わっていなかったな」
ラフマニノフ「ショパン!残念だったな!私の方が格上
ということだ!」
ショパン「きーーー、悔しい!!!」
ユウジロウ「モーツァルトはこの4人の中では最下位だった
な。2位ベートーベンで3位ショバン。4位がモーツァルト
だったからな」
モーツァルトは鼻水を垂らし、呆然としていた。
モーツァルト「なんで最下位なんだ。地球のクラシック作曲
家ランキングで1位だったのに」
ユウジロウ「君は浅い。深い感動が全くない。明るすぎる曲
想だからな。戦争は明るいだけじゃだめだ」
モーツァルト「私には向いてなかったのか。」
ユウジロウ「まあ、モーツァルトは曲の多さよりも少なく
てもいいから曲の質を高めよう。ショパンとモーツァルトが
くっつくとより成長すると思うよ?」
ショパン「えっ?僕、ラフマニノフから離れるのは嫌だよ!」
ラフマニノフ「また、音楽学校は始まったばかりだ!これか
らも一緒だから大丈夫だ。ショパンは本当に寂しがり屋
だな!」
ベートーベン「ショパンのピアノ曲を作曲する才能はここに
いる誰よりも高い。私も見習いたいくらいだ」
ショパン「ベートーベンにそんなこと言ってもら
えるなんて嬉しいです。ラフマニノフをよろしくお願いしま
す。仲良くしてやってください。偉そうだけど、いい奴なん
です!」
ラフマニノフ「私のことがそんなに好きなのか?じゃあ、今
日の夕飯はお前の大好物のガーリックマヨネーズステーキを作ってやる!」
ショパン「もう三回連続それじゃん!!いい加減にして
よ!ラフマニノフらしいな!」
モーツァルト「私もラフマニノフの食べてみたい!」
ベートーベン「同意!!」
こうして、四人はラフマニノフの家に向かった。