北宇治にどうやったらあのメンツが集まるのかを吹奏楽素人が考える ③
この考察をおこなう際に重要なのは、久美子よりひとつ上の中川夏紀や吉川優子の世代。
そして、その中での重要なのは傘木希美である。
彼女は吹奏楽の名門「南中」の部長だった。
もちろん部長だから実力も最高位というわけでないかもしれない。
だが、彼女が三年生のときに、「リズと青い鳥」のオーボエとの掛け合い部分を任せられたくらいの実力者であることも事実。
むろん鎧塚みぞれと個人的関係というものもあるのだろうが、実力以外で選考しない滝昇が彼女を選んだということはフルートパート最上位の実力を持つということなのだろう。
アニメ二期の第一話で、中学三年生時代京都府大会で惨敗した帰りのバスの中で希美は「高校に行ったら金を取る」と誓ったわけなのだが、その誓いをした希美が選んだ高校が北宇治高校だった。
よくあるスポコン物語であるなら、弱小校に入り自分たちの力だけで目標を勝ち取るということになるのだろうが、現実はそう甘くはない。
ここは常に銅賞を取る学校は選ばない。
つまり、彼女が入学する直前の北宇治高校はそれに見合うだけの成績を収めていたことになる。
これは入学した希美が退部する際に、同様の決断をした一年生は皆真面目に練習していた者ばかりだったことが物語の中で語られている。
ということは、残ったのはカスばかりだとは言わないものの、退部した者は残った部員と同等以上の実力を持っていたことになる。
そうであれば、退部した者たちも北宇治高校には希美と同様明るい未来があると思えたということになる。