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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホラー短編

危険な廃屋

危ないから止めとこって何回も言うたんです

せやけど和美は聞かへんのです


裏山にある廃れた神社

その奥にある噂の廃屋


なんや幽霊が出るとか

お化けが住んでるとか

夜な夜な人が集まって

怪しい儀式をしてるとか


うちと和美の女二人で

そういう所行くのは危険やと

ろくなことにならへんと

何回も言うたんですけど和美は聞かへんのです


和美は山を登っていきます

道は狭くて霧は深くて

夜やのにお月さんも見えません



うちは震えが止まりませんが

和美を残して帰れません



神社は鳥居だけ残して建物はありません

人が来ないので神棚だけ残してたはずなんですけど

今は崩れて草木に埋もれてます

和美はそこも遠慮せず入っていきました

うちは我慢の限界なので

帰ろうと何回も言うたんですけど

和美は聞かんと先へ進みました



うちは震えが止まりませんが

和美を残して帰れません



廃屋に着きました

誰もいません

引き戸を開けました

今にも崩れそうです

中に入りました

お札がいっぱい貼っています

和美は懐中電灯で足元を照らしながら

慎重に探索しています


うちは

うちはもう

うちはもう限界です


危ないから止めとこって何回も言うたんです

せやけど聞かへん和美が悪いんです


ずっと我慢してきた

うまそうな和美の首筋を

うちは歯を突き立て

食いちぎりました



うちは嬉しくて震えが止まりませんが

和美の肉を残して帰れません



うちと和美の女二人で

そういう所行くのは危険やと

ろくなことにならへんと

何回も言うたんですけど聞かへん和美が悪いんです

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― 新着の感想 ―
視点人物は「危ないから止めとこ」と頻りに忠告していましたが、彼女の言っていた危険の原因はそんな意外な所にあったのですか。 まさしく「灯台下暗し」という感じですね。 とはいえ「うち」としては、どういう事…
[良い点] この後味の悪さ、好きな方にとっては直球にくるオチでした。 最初から最後まで和美を引き留める不気味さが、オチを見た後に3倍増しに。。
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