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うちの上司シリーズ

うちの上司 3

作者: sapom

私の上司は社歴20年。4歳年下。


今日はなんでかんで残業せねば納期に間に合わない。


うちの会社は定時(17:15)までに残業申請を出すシステム。

何処どこの取引先の何々の業務で〇〇の為に残業しますって事細かく記入…時間が勿体ないが決まりだから仕方ない…。

出した申請書に上司がハンコ押して社長に提出、ようやっと残業許可取れるって感じ。

でもその決まりを作った社長が定時を待てずに思い出したらその都度、「今日残業する人いるの?」って挙手させる。手を上げたら「何時まで?!」って聞いてくるから、申請書の意義って…なんだかなぁって感じ。


定時のチャイム(朝の始業時、昼休憩の開始と終わり、退社時間に結構な音量で)が鳴る。


私はとりあえず先輩方(現在の在職者の中でダントツに私が一番下っ端の4年生)に「駐車場行ってきます!」と宣言した。

退社時間から5分間なら喫煙しても良いルールがある。

ただし、自分の車の中だけ。


冷たい空気で鼻がツーンとする中を私は敷地内にある駐車場まで走った(結構離れてる)。


移動に1分、タバコに3分、戻りで1分。ギリギリだ。


「戻りました!ありがとうございました!」


大きな声で戻りも宣言する。堂々としていないと喫煙者は肩身がどんどん狭くなってしまう。世知辛い世の中だ。しかし社内規定にこの喫煙ルールがある限り従う所存であるw


「おかえり〜」

作業中の先輩方が返事してくれる。良い職場だ。


一服もしたし、さて、目標達成のために身を粉にして働きますか!今日は3時間残業、20時15分に帰る予定だ。

それ以上はやらん。


18時。


何故か残業予定じゃない(社長に聞かれた時挙手してなかった)上司がいる。

鉛筆を研いでいるようだ。


ガリガリガリガリ。


ガリガリガリガリ。


(うるせー!早く帰れー!)


ガリガリガリガリ。


ガリガリガリガリ。


私はあることに気づいて仕事の手を止め、正の字を書き始めた。


ガリガリガリガリ。


ガリガリガリガリ。


ガリガリガリガリ。


(オィオィオィオィ!何本とぐんだよ?!) 


すでに私のメモ帳の正の字は3つ、4つ目を書き出したところだ。

こんなことをしている私も大概だが、上司よ、貴様は暇なのか?!


正の字4つ目を書き終えた私は常備してある耳栓を片耳にはめ込んで、メモ帳を握りつぶし仕事に戻った。

残念だけど観察してる暇はもうない。

納期が迫っているのだから。


しっかし鉛筆研いで残業代貰えるなら私も2,30本研ぐぜ!


…ちなみに上司の鉛筆研ぎガリガリは20分以上続いた。


少しは残業組(本気の)のこと気遣ってほしいよ。



ホントに、うちの上司変わってる。


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