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奪原発論  作者: 日本のスターリン
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第3章 民主主義ってなんだ?

時は流れ、2014年の事だった。大泉純太郎が東京都知事選挙に立候補したのである。


大泉「都知事選で脱原発の候補者が選ばれれば政府も原発0という世論を受け入れざるを得ない!」


 大泉はテレビで選挙演説を行うのであった。また、左派政党が支持する別の候補者も脱原発を掲げており、脱原発派同士で仲間割れするような格好となっていた。両候補者は、原発政策を推進する与党が支持する候補者を潰すことで脱原発を訴えようという目論みだった。


浩志「エネルギー政策は国政で決めるべき問題だろう。首都とはいえ一都市に過ぎない東京の知事になぜ日本全国の将来を委ねなければならないんだ?」

ロザ「そもそも東京に原発はないわよね?」

浩志「その通りだ!東京に原発がないのだからそもそも都政の争点にはならない。」

ロザ「メディアは大泉元首相を持ち上げてるけれど、都知事選挙はどうなるのかしら?」

浩志「当然、与党の支持する候補の圧勝だな。そもそも東京には原発が無いし、都政で行うべき問題・課題は他に沢山ある。都政と関係のない脱原発だけ掲げて、都政を全く語らないようでは絶対に都知事には成れない。」

ロザ「大泉元首相は脱原発一点に争点を持って行きたいみたいだけれど…。」

浩志「それがそもそもの間違いだ。都政の課題は原発以外に沢山あるし、そもそも東京に原発はないから都政には関係が無い。その状況で争点を原発に一点化させようと言うのは自殺行為だ。」

大泉「原発か脱原発かを選ぶ選挙だ!そこが他の候補者とは違う点だ!原発を除く問題は誰が知事になっても大した違いはない!」

ロザ「東京は原発以外にも様々な問題を抱えてるのに、東京の抱える他の問題を矮小化してるわ!」

浩志「脱原発以外の具体的政策が欠けている。これではただのパフォーマンスだ。都知事選挙を利用して脱原発のパフォーマンスを行っているだけだ。」

ロザ「そうかもしれないわね…。他に具体的な政策もなしに本気で勝つ気があるのかしら。」

しかし、それでも多くのメディアは大泉氏を推した。

アナウンサー「都知事選挙で大泉氏が勝てば政府も脱原発の民意を真摯に受け止めるしか無いでしょう。」


 浩志の新聞社も「原子力発電の是非問う好機」との見出しで「国のエネルギー政策は間違いなく主要な争点となる」「地方から国政を変える事ができる」「これだけ騒動が大きくなると政府も都知事選挙の結果は無視できなくなるはずだ」等と大泉氏の主張に肯定的な社説を書いた。


浩志「都知事選挙が終わっても同じことを言い続けられると良いな。」


 そして、2014年2月9日に執行された東京都知事選挙では民意がはっきりと示された。原発政策を推進している与党が支持している候補が大泉氏に2倍以上の差を付けて大勝したのだ。大泉氏と左派政党に支持される別の脱原発を掲げた候補者の票数を合わせても原発を推進する与党が支持した候補の票数には及ばなかった。脱原発の完全敗北である。


浩志「民主主義ってこれだ!脱原発か原発かの選挙で民意は原発を選んだ!大泉氏は真摯に民意を受け止めよ!」


 ところが、大泉が都知事選挙で完膚なきまでに大敗を喫したにも関わらず、大泉は脱原発という自論に固執し続けた。都知事選挙で第三位に終わった大泉は選挙の敗戦会見で自論を展開していた。


大泉「これが出発点だ。これからも原発0の国作りを目指して努力を続けていく。」

浩志「『脱原発か原発かを選ぶ選挙』ではなかったのか?選挙前に言っていた事と矛盾するぞ。都民は脱原発を選ばなかった!なぜこの事実を捻じ曲げようとする?!これでは二枚舌だ!」

ロザ「明らかな選挙結果無視ね。最初から選挙で負けても脱原発を辞退するつもりが無かったって事よね?やっぱりパフォーマンスだったのかしら。」


 また、メディア各社もこの選挙結果を真摯に受け入れなかった。


アナウンサー「『原発推進の民意が示された』と断言するのは早計です。政府は原発の再稼働を進めず、慎重な対応をとるべきです。」


 浩志の新聞社含む多くの新聞が選挙結果を真摯に受け入れずに、「脱原発は国民の総意で誰が知事になってもその流れは変わらない」「脱原発の候補者を大泉氏に一本化していれば、2位と3位の候補者の足し合わせた以上の集票効果を期待でき、大泉氏が逆転したはずだ」「大敗するも手ごたえがある結果となった。都知事選で各自に脱原発を望む層が広がった」等と脱原発や大泉氏を肯定する記事ばかりを載せていた。


浩志「『脱原発を望む層の拡大』か…。パフォーマンスだったとしたら盛大に成功した訳か。」

ロザ「マスコミも選挙前と言ってる事が違うわ。選挙結果を無視して、どちらが勝っても最初から脱原発を主張し続けるつもりだったのね!」

浩志「もはや脱原発カルトとも言うべき信仰と化している。」

ロザ「脱原発って言う信仰にすがってるのね。」

浩志「そもそも原発の安全性を一切議論せずに、その存廃だけを争点にするのが暴挙というものだ!」

ロザ「原発の安全性は技術的には確立されてるものね。だから、原発の安全性を議論しようとしなかった…いいえ、できなかったのよ!」

浩志「メディアは原発賛成・原発推進の票の重みも感じるべきだ。なぜメディアは原発を反対する声しか取り上げないんだ…。」

ロザ「マスコミは原発に賛成する声もきちんと取り上げるべきだわ!」


 ロザは美しい長い髪の毛を大きく掻き揚げて断言した。

 その後、北海道知事選挙や福井県知事選挙と言った様々な選挙で脱原発が争点にされるものの、脱原発を唱える候補者は悉く大敗した。だが、やはりメディアはこの結果を真摯に受け入れず、相変わらず脱原発を唱え続けるのであった。

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