逃げ延びる、事情説明を聞く
今回もかなりガバってます。
あらすじ、走っていたら川に落ちた、終わり!!
(お前誰に言っとるんじゃ)
「いや、何となく……てかなんで俺は川に落とされたんだ?」
俺は今、とりあえず川から出て川原にいる。そして頭の中に話しかけてくる声にさっきの事の説明を求めてる。
(簡単じゃ、ブラックウルフは泳げないうえに水に入ると体温維持が出来なくなる。端的に言えば死ぬんじゃよ)
「そうなのか……危なかった」
(ただ奴らは純粋に足が速い上に狩りは基本的に群れじゃから追いつかれて食われる可能性もあったし、ごく稀に水に入っても問題の無い亜種がいるからの、死ぬ確率は結構あったが、運が良かったの)
「ああ、だから10%……そういえば何で俺が剣道部に入ってるの知ってたんだ?てかあんたは誰なんだ?」
(ふむ、少し落ち着けた所じゃし、さっきの質問に答えてやるかの)
「ようやくですか……疲れた」
(まず、わしの名前はガルゴという、呼び捨てで構わんぞ。どうせそうなるじゃろうし)
「あっはい、ガルゴね」
(んでじゃ、お主は死んどらん、たまに発生する穴に落っこちてこっちの世界に来たんじゃ。転生ではなく転移じゃの、お主の世界では神隠しとも言うかの)
「なるほど……あれ?俺って帰れる?」
(どうじゃろうな、穴が発生するのに規則性は無いからの。それに世界の何処に穴が開くかも分からん。諦めた方がいいかもの)
「へぇ~……まあいいかな」
(まあ、お主は家族と仲が良いという訳でも無ければ友もいないからの。こっちの方が生きやすいかもしれんぞ?)
「やかましい、てかなんで俺の詳しい事情も知ってるんだよ」
(お主がこっちに来たときにお主に宿ったんじゃが、そん時に記憶を読ませてもらったわい、お陰で死なずに済んだのじゃぞ?)
「そうだったのか……少しきもい」
(分かってはいたが、お主かなり失礼な性格しとるな?まあよい、それよりも早く服を乾かした方が良いぞ、風邪ひくからの)
「と言われても、火なんかつける道具無いしな……サバイバル経験も無いし」
(仕方ないのう……ほれ、右手を出してみい)
「ん?こうか?」
ガルゴの言うとおりに、俺は右手を出した。
(フレア)
ボッ、と、ガルゴが呟くと同時に右手に小さな火がついた。
「え?これってまさか……魔法か!?」
(そうじゃよ、少しならわしもこういう事が出来る)
「うぉぉぉ!!すげぇ!!俺魔法使ってるよ!!」
(子供かお主は……そんなことで興奮しとらんで早う服を乾かさんかい!!)
「あ、はい、すいません」
冷静になった俺は、回りから適当に木を集めて火を移す。そして服を脱いで乾かし始めた。
「しかし、これからどうしようかな……とりあえず人がいるところに行くべきかな?」
(その点は心配するで無い、実は近くにいいものがある。服が乾いたらそれを取りに行くぞい)
「いいものって?」
(それは、まあ見てからのお楽しみじゃな。変な物では無いから安心せい)
「本当かねぇ……まあ行く当ても無いし、いっか」
(うむ、今はとりあえずわしに任せておけい。お主がこの世界で死なぬようにしちゃる、心配するでない)
凄く心配になる発言だが、とりあえず従うしかないので、ガルゴの言うとおりにすることにした。どうなる事やら……。
ガルゴの正体は後に出てきます。