ギルマスと対面、提案される
久しぶりに書くことが出来ました。
「こ、こちらのお部屋です」
へえ、ここがギルドマスターの部屋ね、意外に普通の部屋だな。もっと豪勢かと思ってた。
「ま、マスター、お連れしました」
「ああ、ご苦労様、入っていいよ」
部屋の中から声がした。この感じ、かなり若い人がマスターだな。そして部屋の中に入った。リジーって子は俺が入ると逃げるように戻って行った。ビビり過ぎだと思った。
「はじめまして、僕がギルドマスターのウェインです」
想像以上に若いギルドマスターだった。多分20代前後?ステータスで確認しよう。
ウェイン、32歳、男、成長率70
体力8500
筋力9800
防御力7800
俊敏性9000
魔力5000
スキル、剣術C級、拳闘術A級、解体術B級、鑑定眼C級、風魔法(中位)、炎魔法(中位)、水魔法(中位)
装備品、オリハルコンナックル、アイアンブーツ
見た目で判断しちゃいけないなって、童顔なだけかい。しかしなんだこのスキルの量、成長率も高ぇし、鑑定眼てなんだこれ、しかも多分剣じゃなくて拳で戦う人じゃん。めっちゃ怖い。
「どうぞ、お座り下さい」
呆けていたら座る用に促される。しかしどうしたもんかな。なんか、いやな予感がする……。
「ああ、まあ、はじめまして、玲真です」
「レイシンさん、まずは今回はうちの者がすいませんでした。僕の教育不足です」
ギルドマスターはさっきの事で俺に謝罪してきた。いやまあ、俺も短慮だったからなぁ……。
「それで、レイシンさん、単刀直入に聞きます」
「はい、何でしょう」
「あなたは、異世界から来ましたね?」
・・・・・・・・は?え?今、何て?
「やはりそうでしたか、名前が特殊なのでそうだと思いました、アンドウレイシンさん」
「・・・・・・あんた、俺のステータス見たのか」
鑑定眼、なるほどそういうスキルか。なかなか厄介だな。
「安心してください、僕が見れるのは名前とステータスだけです。スキル等は見れませんし、これ程のステータスの差がある相手に危害なんて加えられませんよ、ですから戦意を収めていただきたい」
どうやら俺は無意識に龍破を握っていた用だ。危ない危ない、危うくギルドマスターを斬る所だった。
「ていうか、なんで名前だけで俺が異世界から来たと?それだけじゃ判断材料に欠けるでしょう」
「実は、僕の父は今、王都の学園で教鞭をとっているのですが、その父が異世界人なんですよ」
衝撃の事実、俺以外にもいるのかよ……しかもこの人の父親って事は少なくとも32年以上前に来たって事だ。
(あり得ない話ではないじゃろう、世界の穴は定期的に出来る、それでこっちに来てる奴もおるよ)
考えていたらガルゴが話しかけてきた。そういえばそんな事を言っていたな……神隠しってそういう事ね。
「それで、どうでしょう、僕の父に頼んで、王都の学園に通ってみませんか?僕からの謝罪ということで」
ギルドマスターがすごい提案してきた。王都の学園かぁ……行く意味があるのか?
「レイシンさんはこの世界の常識や情勢、周辺諸国の事もご存じ無いでしょう?ですから、そういう事を全て学べるので、とてもいいと思うんです」
なるほど、確かに一理あるな。俺はこっちの世界に来てからずっと森で生活してたからな、こっちの常識を知るいい機会かもしれない。けれど、疑問がまだある。
「なぜ俺の為にそこまで?謝罪のためとか言ってたが、他にも考えがあるんじゃ?」
このギルドマスター、敵意は最初から無かったが、所々赤く光っていたので嘘をついているのが分かった。狙いがなんなのか、それが分からないで飛び込むのはリスクが高い。
「・・・・・・実は、あなた以外にも複数人、異世界から来た人を見たことがあるんですが……その大半が、妙な勘違いをして犯罪行為をするのです、それを避けたいんですよ、何よりあなたはお強い。並の衛兵や冒険者ではあなたを止められない」
あぁ~……はい、嘘をついてないし本当の事だな。そしてすいません、何となく何をやらかしたのか分かります。そりゃ危惧するわ。
(ふぅむ、まあ構わないのでは無いか?わしは気乗りせんがの)
ガルゴもこう言っている。確かにそうだな……仕方ない。
「分かりました、ただし冒険者としてやっていきたいので、冒険者登録もお願いしたいですね」
「ええ、それはもちろん、本来だったらFランクからなんですが……あなたの実力でFランクの依頼をしても、意味ないでしょう。特別措置で、Cランクからのスタートにしましょう。頑張って下さい」
こうして俺はCランクの冒険者になり、同時に王都の学園にも通う事になった。異世界に来てからまた学校に行くことになるとは、どうなることやら。
冒険者のランクで一番上はSランクです。Cランクは上から四番目です。