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大物発見、スキルを上げよう

今回はまた少しだけ玲真の成長率が上がりました。

「オークナイトの肉……旨かったな、また出てこないかな?」


(またかいな……オーク自体この辺りにはそんなに生息しとらん、あれはたまたま迷い込んでいた個体か運が良かっただけじゃ、諦めることじゃな)


オークナイトと戦闘してから三日ほど経ち、いまだに俺は森の中を彷徨っている。その間にも魔物やら魔獣やらに襲われたんだが、俊敏性が上がっていたおかげで攻撃を避けながら自分の速度に慣れるいい修行になった。ただ、食う物が無いからその時に仕留めた奴らを解体して肉を食うしか無いんだが……


「あんなにまずいんだな、魔獣とか魔物って……」


(当然じゃドアホ、ただの生物じゃ無いんじゃからな、普通なら死んでるわい)


どうにも、魔物や魔獣は動物ではなく、そのまま『魔獣』『魔物』というカテゴリーらしい。そして魔物や魔獣には心臓の付近に魔石という素材があるみたいだ。その魔石から魔素という人間にとっては猛毒の物が出てるらしい。ただ俺は加護の効果で毒物が全く効かないから問題ないので食っている訳だ。


「それでももう少し旨くならないかな……臭かったり固かったり散々なんだけど」


(この森は元々魔獣しかおらん。たまにいる魔物だって本来食えんし食わん。まず見た目があれじゃったろうが)


「ああ、馬鹿でかい幼虫ね……」


俺が異世界に来てから四日間で出会った唯一の魔物は巨大な芋虫、イリュージョンモスという蛾の幼虫だった。正直魔物と魔獣の区別が全然分からない。ただこいつは成虫になると特殊な鱗粉を撒いて獲物に幻覚を見せて巣に誘い込んでから捕食するらしい。けれど幼虫はクソ弱かった、だって毒吐くか糸吐くしかしないし動きも遅かった。


(第一何であんな気色の悪いもん食おうと思ったんじゃ)


「いやアマゾンとかだと幼虫とか今でも食用だし……結構旨いって聞いたことあったから)


実際は焼いても臭いし中身はドロドロで食えたものではなかった。この世界の幼虫は二度と食わない、そう心に誓った。


(しかし、いろいろ襲われたおかげかまた成長率が上がっとるの)


「あ、マジで?ステータス見せてくれ」


(自分でやらんかそろそろ……ほれ)


安藤玲真、18歳、男、成長率28


体力15000


筋力4500


防御3100


俊敏性6300


魔力2300


スキル、剣術D級、蹴術E級、解体術C級


おお、またかなり上がってる、加護ってすごいんだなと再確認。


「てかさ、何で解体術だけこんなに上がってるの」


(そりゃあんだけ解体してれば上がるわな、しかし戦闘に必要な剣術と蹴術が上がりが悪いのう)


「そりゃ基本後ろから一撃だしね……蹴りなんてほとんどしないし」


真正面からの戦闘なんて、あの狼の群れとオークナイトくらいだったからな。剣術スキルも上がりが悪い。


(まあ加護のおかげでD級とE級にはなっとるな、無かったらいまだにF級じゃったろうし)


やっぱりここでも加護の効果があったのか、やはり加護は偉大である。 


(しかしここで朗報じゃ、ここから先にいるのは基本的に群れでしかおらん、剣術と蹴術を上げるチャンスじゃぞい)


「それは朗報なのだろうか……」


そんな話をしていると、目の前に早速何かが現れたのだった。それは……


〈ゴガァァァァァァァァ!!〉


「もしかして、オーガって奴かな?」


(うむ、正解じゃ、こいつはオーガじゃな、しかも三体おるの)


またまた異世界っぽいのが現れる。今度はオーガが三体、ステータスを確認してみる。


オーガリーダー成長率30、オーガA、B成長率25


体力20000、15000


筋力18000、12000


防御力8000、6000


俊敏性1000、1000


魔力50、50


・・・・・・・うん、決めた、逃げよう、全速力で。


(いや諦めるんじゃ無いわい、チャンスじゃぞい)


「いやいや何だよこの殴り殺すのが仕事ですみたいなステータス。サシならともかく三対一は余裕で死ねるだろこれ」


(落ち着けい、確かに筋力やら体力やらは大敗しとるが俊敏性は勝っとる、冷静にやれば問題ない。ブラックウルフの群れを思い出すんじゃ)


「いやいや格が違い過ぎるでしょ、あんな狼と比べたら駄目だって……」


〈グガァァァァァァァァァァァ!!〉


「うわやべぇ!!」


ズガァァン!!


オーガの一体が俺に向かって拳を振り落とした。俺は避けるが、さっきまでいた場所は拳型にでかいクレーターが出来ている。・・・・・うん、当たったら死ぬなこれ。


(いいか、お前は戦闘に関しては天性の勘がある。己と己の武器を信じて動いてみい、絶対に死んだりしない、大丈夫じゃ)


「いやだけど三対一だって……ああ!!畜生!!やってやらぁ!!」


俺は若干自暴自棄になりながら刀を抜いた。どのみちもう囲まれて逃げ道が無いんだ、このまま殺されてたまるか!!そう思っていた。


(さあ、強さを見せつけてやれい!!安藤玲真!!)


そして、この戦闘が、俺の地獄の始まりでもあったのだった。

ちなみに成長率が上がった事による上昇率はランダムです。固定はありません。

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