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本格的な戦闘、スキル獲得とこれから

今回は異世界では有名なあれが出ます。

「よくよく考えると飯食ってない、腹減った」


(起きて第一声がそれかいな……)


俺は昨日の出来事の後、疲労感に襲われて眠ってしまったみたいだった。よく獣に襲われなかったなと思っている。


「しかし、本当に現実だったのか……もしかしたら夢かもとか思ってたんだけど」


そうして考えていると、グー、と腹が盛大になる。


「腹減ったなぁ……昨日の猿食えないかな?」


(いけなくも無いが……おすすめせんぞ?)


「いやいや、サバイバルの状況でそんな選り好みはできないですし……」


ドス、ドス、ドス、と、話していると巨大な足音が聞こえてきた。


「今度はなんだよ……でかいカエルとかか?」


〈ブヒ、ブフ、ブヒヒ、ブゥ!!〉


そして目の前に現れたのは、巨大な二足歩行の豚だった。


「なぁ、こいつってもしかして」


(うむ、オークじゃな、しかもオークナイトじゃ)


オークナイトとは?だが確かに巨大な大剣を背中に携えている、俺はこいつのステータスを見てみる。


オークナイト、成長率20


筋力3000


防御力2200


俊敏性400


魔力0


スキル、剣術F級


うん?そこまでステータスが高くない。俊敏性めちゃくちゃ低いし魔力0だし……ただ気になるのはスキルである。昨日まで表示されて無かったし、俺にも無かったのだが……。


(それはお主の成長率が上がったからじゃ、リーパーモンキーは解体術F級じゃったぞ。お主にスキルが無いのはまだスキルとして認識されるレベルになってないからじゃ)


そうだったのかと考えていると、オークナイトは突進して攻撃してきた。


〈ブヒィィィィィィ!!〉


「うおっと!?あっぶねぇ……」


オークナイトが突進したところを避けると、木をなぎ倒しながら止まった。やばい、直撃したら死ねる。


「だが敏捷性は俺の方が全然たけぇ、成長率だってそんなに離れてねぇし、やってみるか!!腹減ったし!!」


(お主オークナイト食う気かいな……まあ、今のお主にはいい相手じゃの)


俺は刀を抜く、それを見たオークナイトは背中に背負っていた巨大な大剣を出した。所々が血で錆びているのが分かる。


「今度はこっちから行くぜ!!」


俺は刀を構えたまま走り出そうとしたその瞬間


ヒュッ、ドスッ


いつの間にかオークナイトの目の前に移動し、刀がオークナイトの腹に突き刺さっていた。


「は?え?な、なんだ?今の」


〈ブヒャァァァァ!!〉


「うお!?やばい!!」


オークナイトが怒り大剣を振り下ろす、それを避けるため後ろに下がろうとすると


ヒュッ、ガンッ


今度は背中を木に叩きつけていた。


「いてぇ!?なんなんだ一体!!」


(お主のぅ、ステータスが上がっとるんじゃぞ?今まで通りの動き方では駄目じゃ、臨機応変に速度を変えるんじゃ)


そうか、よくよく考えたら俺の現在の俊敏性は加護を貰う前の十倍以上なのだ。いつも通りの全力で動くには現在の速度には慣れていないのだ。


(こればかりはわしじゃ教えられん、お主が慣れるしか無いぞい)


「仕方ない……悪いがオークナイト、練習に付き合って貰うぜ!!」


〈ブヒャァァァァ!!ブヒィィィィ!!〉


オークナイトが今度は大剣を横薙ぎにしながら突っ込んでくる。


「なるほど……じゃあ、これならどうだ!!」


俺はオークナイトが薙いでくる大剣をジャンプして避けながら、オークナイトの右腕を切り落とした。


〈ブギャァァァァァァァァ!!〉


オークナイトが激痛で悲鳴を上げる。しかし、この刀の切れ味は一体……。


〈ブギィィィィィィ!!〉


と、今度は残っている左腕で殴りにかかってきた。


「悪いが、当たりたくないんでなっ」


殴りにきた左腕を避けながら、今度は胴体を斬りつけた。さすがに両断は出来なかったが、そこそこ深く入ったのかかなり血が出ている。


「一応剣道やってたおかげかかなりすんなり扱えるな、この刀……それじゃあ、とどめ、な」


そして俺は刀をオークナイトの心臓に突き刺した。今までよりも大量に血が出てきている。


(なぜ首を刎ねなかったんじゃ?その方が早いじゃろうに)


「いや、一応血抜きしといた方がいいかなって……」


(マジで食う気なんかい……しかし、ちゃんと扱えておるの、龍破)


そういえばそういう銘だったなこの刀……趣味があまりよろしくない。


(しかし、哭破の方も使わんでどうする)


「いやいきなり二刀流は無理だって、剣道なんて少ししかやってねぇし」


(いやお主のあの動きは剣道ではないだろうに……無自覚かの)


またガルゴがボソボソと何か言っている。なんだろうか。


(それよりお主、また成長率が上がったの、見てみい)


安藤玲真、18歳、男、成長率23


体力10000


筋力2600→3400


防御力2200→2700


俊敏性4500→5200


魔力1500→1900


スキル、剣術F級、蹴術F級


新たに体力という項目が追加され、スキルに剣術と蹴術が追加されている。蹴りって、何かしたっけ?


(恐らく、ブラックウルフを一匹蹴り殺したのと今回はオークナイトの剣術をジャンプで避けたから追加されたの)


何だかスキルの獲得条件軽すぎる気がするのは気のせいなのだろうか……。


(しかし、体力多すぎぬかお主、本当に人間かの?)


「ああ、やっぱり体力多いのね、おかしいよね、一万って」


(だがこれは良い事じゃな、お主の今後の努力次第でどういう風に生きていけるか変わるぞい、頑張る事じゃな)


そう言われるとやる気になってくる。俺は今までいろいろ苦労してきたと思ってるからな。


「・・・・・・今までの俺、か」


考えてみれば、今までは回りの人間関係で波風立てないように生きてきた。剣道部に入ったのもそのためだった。家族仲が良い訳では無かったが、どうにもならない衝突は避けて生きてきた。自分を殺して、生きてきたのだ。


「・・・・・決めた、俺はこの世界で自由に生きる。誰に文句言われる事も無く、自分の好きに生きてやる」


(自由に、か……よろしい、ならその為にまだきつく行くぞい、覚悟しておけい)


「ああ、ただその前に……腹ごしらえしよう」


(そういえばそう言っていたの、なら早う食え、これからはもっと奥に行くぞい)


「いや、この前みたいに火を付けて下さい、生じゃ無理です」


(仕方ないのう……フレア)


ガルゴがそういうと、掌に炎が出た。そして俺はオークナイトを解体して、焼いて食った。ついでに昨日仕留めたリーパーモンキーも解体した。ガルゴいわくこいつの素材は売れるらしい。初めてやったがなかなかうまく出来て、お主ってよく分からん才能持っとるなって言われた。ちなみに素材はガルゴが作った収納箱ボックスという謎の空間に入れたので問題ない。さすが異世界、こういうのもあるみたいだ。


(さあ行くぞい、さらなる向上の為に!!)


そうして俺はまた森の中深くに入っていった。そこから先が地獄になるとは知らずに……。

タイトル回収完了。そしてこれからは人物が喋る時は「」、ガルゴや頭の中に入ってくる声は()、魔物や魔獣などは〈〉で統一します。

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