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ぱにぱに   作者: 蟻
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東京・吉祥寺



「なぁ、見てよコレ」


男は、50cm程の大きさの飼育用ケージを取り出して、友人に見せる。


「うェッ、何コレ…クモ!?」


ケージの中には、胴体だけでも30cm以上ある巨大な黒いクモが入っていた。


「そう、めっちゃデカいっしょ!」

「ゼッテー高く売れるよ」


突然動かされたクモは外に出ようと、ケージの隅で必死に踠いている。


「げっ動いてる…気持ちワルッ」


「柄はスゲー地味だけど…新種かな」


男はクモを眺めながら、右手をボリボリと掻いている。


「何だ、蚊に食われたのか?」


「いや、コイツを捕まえる時に噛まれたか何かしたみたいで、スゲー痒いんだよね…」


男はボリボリと掻き続ける。




「それにしても、デケェな…」




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