表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のギルドの活動日誌  作者: 幻夢
1/43

第一話

「敵襲!敵襲だぁぁ!」


今日、三度目となる敵の襲撃を知らせる声が響く。

ここは、キーリス公国とアリストル王国の国境地帯にあるキーリス軍の建築中の要塞のうちの一つロブリ要塞。


「全員作業を中断!戦闘準備をしろ!」

司令官の命令を受け兵士たちが慌ただしく戦闘態勢に移行する。

「敵の数は約5000!敵軍の構成は重装歩兵を中心とした部隊の模様!」

対するこちらの戦力は2500。司令官はどう対処するのやら。

「騎兵を前に槍兵、ウィザードを並べろ!」

良い編成だ。鈍重な重装歩兵には動きの速い騎兵に対処することは困難だろうからな。だが、如何せん2倍の戦力を簡単に覆すことは難しい。


 ドゴォォン!ドゴォォン!ドゴォォン!

前方の戦場で赤色の光と断続的な爆発が起きた。どうやら味方ウィザードの爆裂魔法が着弾したようだ。敵兵が爆発の衝撃で宙を舞っている。

 ドン!ドン!ドン!ドン!

反撃とばかりに敵軍の銃兵の狙撃でウィザード達が血しぶきをあげて一人ずつ倒れていく。

司令官もこれは予想外らしく部隊が混乱している。銃はまだ数が少なくこの部隊でも100人ほどしかいない。

少しずつ味方が押され始めた。


「銃兵!敵銃兵を仕留めろ!」

「了解!一人でも多くの敵を仕留めろぉ!」


味方の兵力が1500を切った。この時点での敵兵力は約4000そろそろ限界だ。


「よし、準備は整った。全部隊を下げて門を開けてくれ!」


門が開かれ味方の兵士が後退してくる。


「アーヴィングは右翼をグレイは左翼ミズキは中央だ!」


素早く各部隊が配置についていく。1部隊25人総勢100人ってとこか。


「戦闘開始!」


号令とともに敵部隊の前方に白い魔方陣が出現し、そこからスケルトン、ゴーレム、ファントムなどの使い魔が現れた。合計で約3000。ゴーレムを先頭として敵軍に突っ込んでいき、敵兵士をなぎ倒していく。崩壊しかけていた戦線が持ち直してきたようだ。

味方兵士が少しずつ後退してくる。


「とっとと要塞まで後退しろ!あとは俺たちに任せな!」


しばらくして、戦場の中心で白い魔方陣が現れた。少ししてミズキの部隊メンバーが伝令として走ってきた。


「ギルドマスター!敵軍にもサモナーがいた模様です!敵使い魔の数は約2000!味方は大体が撤退したようですがいくつかの部隊が分断されました!」


見ると前線では敵と味方の使い魔同士が激しくぶつかり合っていた。

だが、敵は下級使い魔だけしか召喚していないようだならば中級使い魔で粉砕するまでだ。


「そうだな…。アーヴィングとグレイの部隊に中級使い魔を使って敵の使い魔をすり潰せと伝えろ!副官!この部隊を率いて分断された味方の救援に向かえ!

俺は最前線でナイツ・オブ・ラウンドを召喚する!」

「り、了解しました!」


伝令が駆けていき、副官が俺の部隊を率いて移動していく。


「召喚!ブリュンヒルデ!」


目の前に魔方陣が出現し、そこから白銀の鎧に身を包んだ銀髪の美女が現れた。柘榴石を思わせる真紅の瞳。太陽を知らないかのような真っ白な肌。気品のある高い鼻と桜色の唇。


「よう!ヒルダ。いきなりですまないが俺の護衛をして戦場の中心まで行ってくれ。」

「主。呼び出したかと思えばいきなり戦場で護衛をしろとは唐突すぎますよ?」

「重々承知しているが、事態は急を要している。そうだなぁ、高級チョコケーキ1ホールご馳走するからそれで手を打ってくれ。」


 ヒルダの口の端から涎が少し垂れている。あ、ゴクリって聞こえた。本当に甘い物好きなんだなぁ。

「仕方ないですね。見たところ数が多いだけで大して強い敵もいないようです。しっ!。」

と言いつつ岩陰から切りかかってきた敵兵を一閃する。

 

 少しして戦場の中心にたどり着いた。

「ここらへんでいいか。ヒルダ。ナイツ・オブ・ラウンドを召喚するから巻き込まれるなよ。」

「わかっています。巻き込まれると死にかねませんからね。」


 結構な敵を倒したはずなのに汗ひとつ浮かべてない。流石ワルキューレと言ったところか。


「召喚!ナイツオブザラウンド!」


 魔方陣から12人の騎士が現れる。ある騎士はその身が傷ついても傷を癒す剣でひるむことなく敵陣に切り込んでいく。ある騎士は鉄の鎧をも貫く剣で敵を切り倒していく。ある騎士は赤い十字架の描かれた白く輝く楯ですべての攻撃を防いでいく。


「いつみても壮観ですね。自分では騎士の1人にも勝てそうにもありません。」


少し自嘲気味にヒルダが言う。


「仕方ないだろ騎士たちは皆伝説の武器使ってるんだし。」

「そのことを差し引いても勝てる気がしません。」


そうこう話しているうちに敵軍が撤退し始めた。後退していた味方も反転して追撃にうったようだ。


「ヒルダ。アーヴィングに救出した味方は要塞に届けたら撤収しろと伝えてくれ。」

「承知しました。その後は先に本拠へ帰らせていただきます。」


そう言うとヒルダは魔方陣に消えていった。


「っつ!ハァハァ…。やっぱり魔力量減ってるな。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ