錯覚の午後
たたみかける
つらいことを抱えながら
何もいえず
唇噛んで泣いてそれだけで
ひとりでは生きられない
それなのにどうして
さよなら、も言えない
別れがあるのか
かなしみ忘れたと錯覚の午後
夜になればずっしりとあの瞬間が!
消えゆく背中に手をのばして
振り返らないあの人の名を叫ぶ
生きることは何度も出会い別れること
こんにちは、も、さよなら、もない
引き合わされた
引き離された
瞬間があるだけ
何度目でもう慣れたと
もう平気だと言えるのか
たたみかけるつらいことを
抱きしめられたら
抱きしめられたら