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エルビスの世界

 我々は知らねばならない。この世界がエルビスと呼ばれるその所以(ゆえん)を。


 太古の昔、まだ世界が創造されたばかりの頃の話である。この世界に巨大な隕石が落ちたという話を、皆が一度は耳にしたことがあるだろう。それによって水で満たされていた世界は(ひら)け、大地が生まれ、この世界に生命が芽吹いたのだ。


 我等が女神ルイシェルは、その様々な世界の恵みから新たな命の形を作り上げた。故に、父なる火山より生まれし種族は燃え盛るような情熱と闘志を持ち合わせ、母なる海より生まれし種族は静かな慈愛と優美さを合わせ持つと伝えられている。


 そして、やがて生命は生命を築く。また新たな命が生まれていく。


 その生命の輪廻を繰り返し、この世界は種族と自然とが共存する世界となっていったのだった。


 人々はこの世界を“エルビス”と呼ぶ。エルビスとは(いにしえ)の言葉で“数多(あまた)の夢”を意味していた。美しいこの世界を、人々はエルビスの世界と呼んだのだ。数多の夢の世界だと。エルビスは未来永劫繁栄の絶頂を維持し続けると、夢を絶やさない世界であるようにと、人々はそう願ったのだ。


 どうか覚えていてほしい。我らは女神ルイシェルと、このエルビスよって生かされていることを。


 そして我々が生きているこのビオッシェル王国は、今日も遠い天空の彼方へ繋がっているエルビスの境界の下で、永遠の繁栄を授かっている――。



 著:フィオナ=ラクターナ

 題:ビオッシェル王国記




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