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第3話 早くも読み合い?

「……まさか茶菓子を全部食べられるとは思わなかったわ」

「あはは、ごめんごめん。一応、代わりのお菓子を入れておくから♪」


 そう言って黒き勇者は指を鳴らし、お菓子袋のようなものを次々と出す。


「……まぁいいわ。色々突っ込んでも面倒くさい事になりそうだし。黒き勇者、貴方には2年の学年主任をやってもらうわ。補佐としてフラット達を付けるから安心しなさい」

「ふーん。学年主任ね〜。……ん、それだけ?」

「ええ、後はクラス担任くらいかしらね」

「ん、了解♪ ……それじゃ、ミール達も帰っちゃったみたいだし、僕も帰るね〜♪」


 そう言って、黒き勇者は扉の方へ向かい扉を開けようとした……ところで急に方向転換し、窓の方へ向かった。


「? どうしたんだ、黒き勇者?」


 黒き勇者の不思議な行動に藍が首を傾げながら尋ねてみる。すると……


「ん〜。今扉から出ると、何か嫌な予感がしてね。悪いけど窓から帰るね〜♪」


 そう言って黒き勇者は窓の淵に手をかけ、飛び降りていった。そしてその直後、コンコンという扉をノックする音が部屋の中に響き渡る。


「はーい、どちら様かしら〜?」

「えっと、鈴仙です」

「開いてるわ、入りなさ〜い♪」

「(黒き勇者には予知能力でもあるのか?)」


 あまりに完璧すぎるタイミングに、藍はそんなことを思っていた。




      ☆




「……ねぇ、藍」

「なんですか、紫様?」


 その後、鈴仙達に指示を出し、彼女達が部屋から出た後、静かになった校長室に紫の声が静かに響いた。


「本当に、黒き勇者が転送術式の暴走で失踪したのかしら?」

「やはり紫様もそう思いましたか」


 紫達はフラットの言葉に違和感を覚えていた。

 2人はあの黒き勇者が、転送魔術を暴走して失踪してしまうなど、有り得ない事だと考えているからだ。


「一体何があったのかは分からないけど……とにかく、しばらくは様子見ね」

「そうですね」




     ☆




「ふーむ。これは少し予定外だったな」


 俺様はそう言いながらモニターを出し、そこから慣れた手付きで情報を取り出していく。


「何が予定外だったのレイン〜? レインなら少しくらい予想出来たんじゃないかな〜?」


 そこにサーミがふわふわと俺様に近付きながらいつもの口調で話しかけてきた。


「確かに少しくらいなら予想出来たかもな。……だが、まさか学校を作ってるとは思わなかったんだ」

「ということは、学校さえなかったらまた幻想郷に戻って来ることは分かってたんだ」

「いや、そこまで特定は流石に無理だぜ。まぁ、前に来た事がある世界のいずれかだろうな、とは予想出来たけどな!」

「成る程ね〜」


 俺様がそういうとサーミは納得したようにそう呟く。


「だが、少しマズい状況に陥っているんだよな……」

「え? 何かあったのレイン?」


 俺様がそう呟くと、サーミが不思議そうな表情で聞いてくる。


「紫達にもう感付かれ始めているんだよな。……俺様達の失踪理由が、黒き勇者の転送術式の暴走じゃないかもしれないってことにな」

「えっ? もう感付かれてるの!?」


 やはりサーミは気付いていなかったか……いや、下手を打てばミールやフラットも気が付いてないかもな。


「あぁ。……だが、感付かれているだけでまだ確証は得てないから今のところは問題ないがな」

「ふーん。じゃあ、私達が変な事さえしなかったら大丈夫ってことだね?」

「まぁな! まぁ、今は兎も角、下手に動いてボロが出ないように上手く行動しするつもりだがな!」


 俺様がそう言うと、サーミは少し呆れた表情をしながら話しかけてきた。


「と言うことは、レインはまた黒き勇者君のハーレムを作る気なの?」

「まぁな! 黒き勇者はフラグを建てるのにそれを天然で放置し過ぎなんだ。だからしっかりと責任を取ってもらう為に既成事実を──」

「うん。そんな事すると多分相手が色んな意味で大変な事になるから止めて!」

「別に良いだろ。腰が痛くて動けなくなろうが黒き勇者の欲望でお腹が一杯になろうが黒き勇者を愛しているならそれくらいは乗り越えれるはずだぜ? 現に鈴仙達は一度始めたら腰が抜けるまでヤッていて欲望を全て受け止めているからな!」

「そりゃ鈴仙ちゃん達は黒き勇者君が相手してくれないから欲求不満で激しいだけで、黒き勇者君に至っては理解してないから最早訳も分かっていないんだよ!? 私はせめて黒き勇者君の人権は尊重してあげたいの!」

「別に問題ないだろ。男が女を襲えば犯罪だが、逆なら殆ど何の問題もない。それに黒き勇者だって鈴仙達の事を嫌ってるわけじゃねーし、問題ないと思うぜ?」

「いや、それはそれで──」


 ……この後、俺様達の口論会は「何で黒き勇者の人権をあなた達が勝手に決めてるのよ……」というミールの言葉が来るまでずっと言い争っていたのであった。


「やはり、黒き勇者の緋色瞳化か俺様のサジェストを利用して快楽の宴に──」

「……もういいや。黒き勇者君が満更でも無さそうなら好きにさせよっと」

「あら、私はもうとうの昔にやっているわよ?」

「…………えっ?」


 ……まぁ、ミールは基本的に俺様が度が過ぎた行動さえしなかったら放任主義だからなぁ。


「取り敢えず、顔合わせの時に上手くすれば……ふふふ」

「……はぁ」






「うーん、何か嫌な寒気がするんだよね〜」


 レインが何やら怪しい事を考えている時、アジトへ向かう黒き勇者に謎の寒気が襲ったのは別の話。


「……うーん、なんか教師をやったら、僕の身に何か大変な事に巻き込まれそうな気がするんだよね〜……」


 そして何故かこういう事に関しては異常に鋭い黒き勇者だった……。

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