プロローグ2 時空夢幻4賢者の会合
「……あれから、もう20年になるのね」
私は、昔のことを思い出すかのようにそう呟き、写真を見る。
そこには、見た目は10代後半に見える少年と、その周りに4人の付き人が寄り添って立っていた。
「……まぁ、あの時は大変だったよなぁ。まさか転生してすぐに、力が暴走するなんてな」
「確かに、写真撮った後にいきなり暴走したもんね〜」
「俺様達がいたから、何とか抑えきれたから良かったんだが、その暴走のせいで……」
そう言って、彼は少しだけ悔しそうな表情を浮かべていた。
「確かに、あの時のあれは不慮の事故だから分かってくれると私も思ったわよ。……だけどあの時、そんな冷静にいられる訳が無かったのよ。だから、他の人も後悔してるわ。『なんで冷静にいられなかったんだ』って」
「確かにね。私達もあの時はテンパってたからね〜」
私がそう言うと、横からお気楽そうな雰囲気を持った少女が私の意見に賛同してきた。
「……それで、お前は一体何が言いたいんだ? 過去の話は何回も聞いてきたからな」
すると私の隣にいた、いかにも強そうな雰囲気を持つ青年が訝しげに聞いてきた。
「……そうね。前置きが長くなってしまったわね。7年前、彼らが第4世界……幻想郷の崩壊を食い止めた出来事を覚えているかしら?」
「あぁ、嫌でも覚えてるぜ。『幻想郷大崩壊事変』だろ?」
「あれか……。あれも皮肉だったよな……」
彼はそのことを思い出しながら、忌々しく吐き出す。
「確かにあれも酷かったわ。……だけど、彼らはその事変を打ち破って、幻想郷の勇者になった……までは良かったのよ」
「その後、しばらくは毎日が充実した日々を送っていたが、突如失踪し真相は誰も分からず、彼らは二度と人々の前から現れることは無かった……だろ? あれって、神隠しにあっただけだろ? 1ヶ月音信不通だったけど、彼らも言ってたしな」
彼は7年前にあった出来事をそのまま私に話す。
……あの時は、私達もそうだと思っていた。
だけど……
「違うのよ。私達も最初は神隠しにでもあったのかと思ったわよ。……実はあの事変を起こした──が生き残っていて、彼らを抹殺しようとしたからなのよ。それで彼らは瀕死の重傷を負い、幻想郷から消失した。そして、彼らは傷を癒やす為に1ヶ月の間、音信不通になったのよ」
「なっ……!」
「……っ!」
「嘘……!」
私がある人物の名前を出すと、3人は驚愕の色に染まる。
「そして、聞いた話では──が再び動き出してるらしいわ」
「……まさか、アイツが……だと!?」
「しかも動き出したって本当なのか!?」
「もし、そうだとしたらマズいよ! ねぇ、一体どうするの!?」
そして、更に私がある人物に関する事を言うと、3人は焦りの表情を浮かべ各々の質問を私に向かって出し始める。
「分かってるわ。だけど、彼らも以前よりは確実に強くなってるわ。勿論、私達もよ。……だからもう、7年前みたいな事にはさせないわ」
……そう、あの時みたいに……
「えっ? ……ねぇ。次の活動場所ってまさか……」
……あの惨劇を繰り返さないように……。
「……ええ、その通りよ。まさか、再び幻想郷に戻ってくるなんて思ってもいなかったわよ。……だけど前より酷いわね……。──によって、既に少しずつ崩壊してきているから……」
そう言って、私達はモニターに映っている、ある画像に目を移したのであった。
そこには、彼らが関与した8つの世界の情報が載っていたが、第4世界だけ何故かデータの表示がおかしく、少しずつ壊れていっているのが見えていた。
「……もう、『黒き勇者の悲劇』なんて起こさせないわよ。──……!」
……7年前、幻想郷の勇者達が突如行方知れずとなってしまい、そのまま人前に姿を現す事は無かった悲劇……、人々はそれを『黒き勇者の悲劇』と呼んでいる……。
「……ウォーロック、ウィザード、ビショップ。時空夢幻4賢者の名にかけて、同じ悲劇は繰り替えさせないようにするわよ」
「了解だぜ、アーク!」
「ああ」
「うん!」
そう言って、私達はモニターを弄り始め、様々なデータを出し始めた……。