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実家の転職神殿を追放されたけど、魔族領で大聖女をやっています  作者: 楊楊
第二章 魔王選

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17 他種族の転職者

 オーガラを転職させてから2週間後、オーガラの弟で、オーガの新族長オーガルがやって来た。


 オーガルは、オーガにしては小柄だ。私と比べれば、信じられないくらいに大きいんだけどね。


 オーガルは、真面目に教会の仕事に取り組んでいるオーガラを見て、驚愕の表情を浮かべていた。


「信じられん。兄上が真面目に働いている・・・」


 真面目に働くだけで、この評価はどうなのかと思うのだけど・・・

 それは置いておいて、オーガルの話を聞く。


「この度は、勝手に攻め込んでしまい本当に申し訳ない。我は止めたのだが・・・」


 最初にこのホープタウンに目を付けたのは、オーガルだという。

 何か戦闘力が高くなる秘訣があると思い、接触を試みようとしたらしい。しかし、オーガ族は根っからの脳筋集団だ。交渉して、強くなることも大事だが、それよりも強い奴と戦いたいという気持ちが強くなってしまった。そして、そんな奴らに乗せられて、オーガラを筆頭に攻めて来たというわけだ。本当に馬鹿だ・・・


「こうなってしまって、申し訳ないが、できれば我がオーガ族にもジョブを授けてくれないだろうか?もちろん報酬は支払う」


 私は、少し考えて言った。


「それは構いません。しかし、こちらが転職させてもいいと思う者しか転職はさせません。オーガラさんもそうですが、きちんと真面目にされるのなら、転職は致します」


「かたじけない・・・よろしく頼む」


 それからの話だが、オーガたちも、ちょくちょくホープタウンにやって来るようになっていた。みんな、転職目当てだ。しかし、結果は芳しくない。というのも、オーガの転職率は1~2割なのだ。ゴブリンの8~9割に比べると雲泥の差だ。

 それにたとえ転職できたとしても、「オーガファイター」という戦闘職と「オーガワーカー」という力だけが強くなるジョブにしか転職できなかった。これについては、原因は分からない。後の研究課題としよう。

 それでも、ジョブを得たオーガたちは大喜びだったけどね。


 それに問題も起きなかった。

 オーガラがいたからだ。ゴブリンに舐めた態度を取っている者を片っ端から、殴り付けた。少々やり過ぎではないかと思ったけど、放っておくことにした。


 オーガラが私やゴブミに従っていることで、オーガたちは勘違いして、私も凄い人だと思っている。


「オーガラ様が従っている大聖女様って、一体どれくらい強いんだろうか?」

「おい!!ジロジロ見るな。殺されるぞ」

「なんか近寄っただけで、首を斬り落とされるらしい」


 流石に訂正しようとしたけど、ゴブミに止められた。


「これくらいでいいんですよ。オーガの中では、強さが絶対なんでね」


 まあ、管理が上手くいくので、訂正せずにいるのだった。



 ★★★


 オーガの転職ブームも落ち着いた頃、見たことのない種族がやって来た。

 褐色肌だが、かなり人間に近い。黒髪で頭に小さな角が二本生えている以外は、ほぼ人間だ。ゴブミが言う。


「ま、魔人族・・・どうしてここに?」


 魔人族は、魔族でも最強種の一つらしい。

 オーガがパワーとタフネスに特化しているのに比べて、魔人族は、魔力が総じて高く、バランスが取れているそうだ。知能も高いらしい。

 やって来たのは二人組で、一人は切れ長の目をした若い男で、かなりのイケメンだった。そしてもう一人は覆面をしている。立ち居振る舞いから、イケメンが高貴な身分の者で、覆面の人物がお付きのような感じだった。


 見た感じ、イケメンのほうはそうでもないが、覆面の人物はかなりの手練れに思える。雰囲気からして、一番近いのは「暗殺者」だろう。話ながらも、警戒は解かない。それとなく、ゴブミに耳打ちして、オーガラを呼んでもらうことにした。何かあってもいいようにだ。


「俺はアルベール、後ろの者はシャテン。我らがここに来たのは、ジョブが得られると聞いたからだ」


 転職希望には、違いないようだ。


「分かりました。神はどんな人にも平等に転職をさせることを望まれています。ただ、適正というものがあり、転職できない場合もあります。まずは「ジョブ鑑定」を致しますが、よろしいでしょうか?」


「もちろんだ。早速やってくれ」


 すぐにアルベールの「ジョブ鑑定」を行う。

 鑑定の結果、すぐに転職が可能なことが分かった。


「アルベールさん、貴方の適職は「魔勇者」です。転職を希望されますか?」

「ま、魔勇者だと・・・伝説のか?」

「伝説かどうかは分かりませんが、人間族にも「勇者」と呼ばれるジョブがあり、かなりのレアジョブですが、過去にいないわけでもありません。現に私は「勇者」の教育に携わったことも・・・」


 言い掛けたところで、遮られた。そして、アルベールは興奮して、私の両手を掴んできた。


「す、すぐに転職をさせてくれ!!金ならいくらでも払う。俺には時間が無いんだ!!」


 凄い勢いだ。それに顔が近すぎる・・・

 まあ、「魔勇者」もレアジョブみたいだから、仕方ない気もするけどね。


 落ち着かせて、アルベールに言う。


「まず「魔勇者」は、かなりのレアジョブで、今後アルベールさんは絶大な力を得ることができるでしょう。それで質問ですが、アルベールさんは、「魔勇者」となって、何を成したいのでしょうか?」


「もちろん、復讐だ。俺を見下してきた奴らに復讐してやる。そして、母上の名誉を回復させるんだ」


「魔勇者」も「勇者」と同じく、転職するまでは、ステータスがかなり低い。それで、かなり辛い思いをしてきたのだろう。私が指導した「勇者」もそうだった。ホーリスタ王国の第三王子で、転職までずっと無能だと蔑まれていた。彼も同じようなことを言っていた気がする。


 私は、アルベールに言った。


「アルベールさん、そのような考えでは、転職をさせられません。もう一度、自分を見つめなおし、「魔勇者」とは何か、手に入れた力をどう世の中のために使うかを真剣に考えてください。そして、真に「魔勇者」に相応しい人物になった時に初めて、転職をさせていただきます」


「ごちゃごちゃ、うるさい!!俺には時間がないって言っているだろうが、金は払うから転職させろ!!」


 アルベールはあろうことか、掴みかかって来た。

 それを控えていたオーガラが、直前で取り押さえた。


「おい!!大聖女様になんてことしやがる。ジョブにはそれぞれ意味があり、転職に最適なタイミングがあるんだ。真面目に努力して、ジョブに相応しい男に・・・って、あれ?お前は、ポンコツ王子じゃないか?」


「そういうお前は、オーガの族長の・・・なぜここに?」


 どうやら、二人は知り合いのようだった。

 それにしてもポンコツ王子って?


 アルベールは、どっかの国の王子様のようだった。

 また、厄介ごとの匂いがする。

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