20話《修行の成果→召喚》
20話です!
更新遅れてごめんなさい!
楽しんでいってください!
P.S.8/20変更加えました。更新してすぐですが、このあとの番外編での解釈ズレが起こってしまうので。ご了承ください。更新当日の変更なんて報告するほどでもないですがw
「よシ。ふたりとも準備はいいカ? この小石が落ちたらスタートダ」
離れた位置で向かい合うレラと匡近に、ジークが確認を取る。
ジークが手に持った小石を投げた。
小石は放物線を描いて落ちていく。
「マサチカ、お前から来い! 魔法に対しても強くなったんだぞ!」
「そうなんだね。じゃ、軽く。『《ゼウス》付与《プロミネンス》』」
純白の炎を纏った槍が飛んでいく。
一般人程度では目が追いつかない速度で飛ぶ槍だが、レラは眼の前にある槍に対し、まっすぐに刀を突いた。
「『無我流・弐式改《魔壊》』」
「へぇ! 魔法をそのまんま打ち消すのね! でも、それだと点には強いけど面には弱いんじゃない? 『《テンペスト》』」
槍が高い音を立てて壊されると、今度は巨大な竜巻を生み出した匡近。
「風は私には効かないぞ! 『《吹き荒ぶ嵐》』!」
レラは、はじめに持っていた刀を投げ捨て、腰にあったもう一本の刀を抜き取ると、竜巻に向かって声を張る。
『声を出さずともわかる! 『神権《統空》』!』
レラが抜いた刀、吹き荒ぶ嵐が光ると、巨大な竜巻はみるみるうちに収束し、サイクロンへと吸い取られていった。
「風は効かないってそういうことね! サイクロンもレラさんのこと認めたんだ」
『やっとのことだがな! ギリギリ認めてやらんくもなかったってとこだ!』
「よし、そろそろ良いだろう。マサチカ! 今度は私から行くぞ!」
そう言われて匡近が返事をする間もなく、レラは匡近の首元へ吹き荒ぶ嵐を振りかぶっていた。
「速いねー。『《アテナ》』」
「まだまだぁ! 『無我流・肆式《連》』!」
首元で止まった刀を戻し、そのひねりを活かして何度も切りつけようとするレラ。
だがどれも切ろうとする前に止まってしまう。
「俺を切ろうとするのにばっかりなのは注意力散漫なんじゃないかな? 『《レーヴァテイン》』」
レラの鳩尾、そこにめがけて至近距離から黒い線が走る。
服の軽く触れた箇所が灰になって崩れていく。
「『無我流・陸式《止》』」
レラ自身にその線が触れようとした瞬間、レラは匡近の後ろへ回り込む。
一瞬で極限まで集中することで、線が触れる数瞬の間での移動を可能にしたのだ。
そこからはレラも匡近も無我夢中であった。
レラは圧倒的格上に挑むことに対し心が踊り、匡近はこれまでで一番実力が近く、魔法への耐性を持つものを相手にしたことによる高揚感でいっぱいだった。
レラの逆袈裟、瞬間移動で避けつつ広範囲へ炎を出す匡近。
その炎をものともせず突き抜け、横薙ぎに刀を振るうレラ。
一進一退の攻防を繰り返したレラと匡近であったが、ついにその均衡は崩れた。
「(! 足が! 上手く崩されたか!)」
「『《トール》』!」
姿勢を崩した一瞬の隙を逃さず畳み掛ける匡近。
光の柱が落とされると、膝をついて気絶したレラが残っていた。
「そこまでダ! 勝者、マサチカ!」
「さすがマサチカじゃな。良い試合だったのじゃ」
レラを回復して起こし、握手を交わした。
レラは試合後の疲れた様子などなかったかのようにいきいきとしている。
「いやー楽しかったな! またやろうな! 今度は負けないぞ」
「ありがとうなのじゃ。これで心配事は減ったの」
「いいってことヨ。鍛え甲斐のある奴らだったしナ」
こうして、レラ及びアイネ、クライネの修行は幕を閉じた。
「召喚魔法?」
「そうなのじゃ。確かにジークのお陰で強くはなったがサポートできる従者がついていればより安心じゃろう?」
オリブ皇国から帰り、ユグドラシルがさらなる提案をしてくる。
聞けば、召喚魔法によって自分に最も合う従者を召喚し、従える魔法だそうだ。
「ものは試しなのじゃ。外に出るぞ」
「詠唱は? 魔力量の制限とかあるの?」
「『《サモン》』だけなのじゃ。魔力量は、最初は魔力量の20%で固定じゃな。契約を結んだあとの召喚は5%で固定なのじゃ」
家の外へ歩きながら説明を受ける匡近達。広い庭まで歩くと、ユグドラシルが召喚魔法を唱えた。
「まずは妾の従者から見せるのじゃ『《サモン》』」
ユグドラシルの前の地面に魔法陣が描かれると、一羽のフクロウが出てきた。
「審判『ミネルヴァ』、御身の前に」
「あやつらに手本としてじゃ。急にすまんの」
「とんでもない」そう返すミネルヴァをキラキラとした目で見つめる匡近達。
「大体こんな感じじゃ。何が出てくるかは己次第じゃな」
「私達からやってみます『《サモン》』」
「『《サモン》』!」
はじめに、クライネとアイネから詠唱する。
「crrrr!」
「あらあら〜呼ばれちゃいましたね〜」
それぞれの魔法陣から召喚されたのは、車ほどの大きさのグリフォンと、小さな妖精であった。
その後二人はグリフォンに名前をつけたり、妖精と話したりと、友好を深めていた。
「私はサイクロンがいるからなぁ」
『そうだぞ。我がいるのだ。これ以上に何を求める』
レラは召喚を見送り、次に飛鳥が詠唱を始める。
「じゃ、やってみるね『《サモン》』」
「万武『タケミカヅチ』ここに。其方が我が主か。よろしく頼む」
真剣な表情で唱えた飛鳥の前に現れたのは、四本腕のムッキムキな大男だった。
顔を引き攣らせながらもなんとか「よ、よろしくね」と返す飛鳥。
その様子に苦笑いしながら、匡近も続く。
「変なの来ないといいな・・・『《サモン》』」
これまでのものとは桁違いの大きさの魔法陣が広がると、ゆっくりと従者が出てくる。
『私を召喚したのは誰であるか!? 眠りを妨げた罰、受けてもらうぞ!』
「あ、すみません。俺です」
召喚された巨大な白い龍に萎縮してか細く返す匡近。
龍の怒号に空気がビリビリと震える中、ユグドラシルからアドバイスを受ける。
「マサチカよ、向こうは従者じゃ。でかい態度を取るなら「躾け」をしてやればよいだけなのじゃよ」
「えー? そんなこと言ったってさー」
「ちょっと本気で魔力でも放ちながら話すだけでいいじゃろ」
そう簡単そうに言うユグドラシル。
決心した匡近は未だに威圧的な龍に向けて魔力を放出する。
「えっと、起こし、ちゃったのは、申し訳ない、んだけど、ちょーっと話したいなって」
『!? そ、その魔力量は・・・! 姿を変えよう! 今、すぐに!』
威圧的な態度をすぐにやめ、シュルシュルと小さくなっていく龍。
匡近よりも小さくなり、アイネほどの身長になったところで匡近の前に膝をつく。
「ごめんなさい。ごしゅじんがそんなにつよいひとなんて」
「? ああ、いいんだよ。悪いのは俺だし。てかなんか話し方ってか口調違うね」
「あれはわたし。りゅーじんのときはわたしになるの」
「わたし」の言い方にどこか引っかかりを覚えつつも、「(氷神鳥ちゃんみたいだな)」などと思いながら龍だった子と話す匡近。
白髪でどこか病弱そうな印象をもつ彼女に「まあ立って立って。気張らなくていいから」と今更言う匡近。
「ごしゅじん、やさしーね。せいれいしんもしあわせだね」
「なっ!? なぜ急に妾が話に出るのじゃ!?」
「ユグドラシルそんな風に思ってくれてたの? え、嬉しい」
「うぐぅ」と赤くなりながら顔を背けるユグドラシル。
その後はギルドで召喚獣の登録義務があるそうで、飛鳥たちと一緒にギルドへと足を運んだ。
その際に龍が焉龍『バハムート』の幼体であることが判明し、更に名前が無いということで、匡近から「レイ」という名前をつけられた。
「れい、れい、えへへ。ごしゅじんにつけてもらった。えへへ」
帰りの間、レイは幸せそうに名前を繰り返し呟くのであった。
レイちゃんかわいい! ああかわいい! お人形さんみたいな子いいよね言葉足らずなかんじとかさ! ね!?
というわけでレラさんの強化とレイちゃんたちの登場で戦闘力が底上げされる匡近パーティーでした。のんびりとは? そんなことは置いといて次回からもまた騒がしくなっていきます。のんびり(したい)異世界一周記、どうぞよろしくお願いいたします。




