17話《2人→過去》
17話です!
楽しんでいってください!
ユグドラシルの決心から一夜明け、窓からさす光が太陽のものとなった頃。
匡近が目を覚ますと、愛おしそうにこちらを見つめるユグドラシルと目があった。
「起きたか。おはようなのじゃ、マサチカ」
そう言ってキスをしてきたユグドラシル。
匡近が慌てて離れると、ユグドラシルは頬を膨らませて拗ねた。
「いいじゃろ。昨日はあんなにしたんじゃよ? 今更気にすることもないじゃろ」
「そうだけどさぁ、あれは流れみたいな感じでさぁ」
ヘタれて逃げに走る匡近。
ユグドラシルがもう一度襲ってやろうかと考えた頃、ドアをノックする音が聞こえた。
「おはようございます! あるじ様! ユグドラシル様! 朝ご飯ですよ!」
「おはようございます。 ご勝手ながら私達で作らせていただきました。料理は得意な方ですし、今日のものはかなりの自信作ですよ」
ドアを開けて入ってきたのはアイネとクライネであった。
朝食を作ったと起こしに来た二人に挨拶と感謝をし、リビングへ出る。
「じゃ、いただきます。・・・うん! 美味い!」
用意されていた朝食を食べ、思わず声を上げる匡近。
それを聞いてアイネとクライネはホッとすると、自分たちも朝食を食べ始めた。
「そういえばマサチカはどんなところに住んでいたんじゃ? お主の過去を視たことはあるが不思議なものばかりでのう」
「過去を視たって? まぁでも話すか。結婚するならそこら辺も知ってかないといけないよな」
匡近の一言に飛鳥の食事の手が止まる。
「ちょっと待って、け、結婚って? 詳しく」
「ふふーん。妾が勇気を振り絞って求婚したのじゃ! 一足遅かったの、アスカよ」
左手の薬指に光る指輪を見せびらかしながら、飛鳥へドヤ顔を見せるユグドラシル。
それに感化されたのか飛鳥が食事中にもかかわらず立ち上がり、匡近へ近づいてくる。
「もう結果はわかってるけど言うだけ言うね。私は、匡近のことが好きです。中学校の時からずっと、ずっと好きでした。もう遅いけど、この気持ちは変えられない。でも、これからはちゃんとけじめつけてユグドラシルを応援しようと思う。好きだったよ、匡近」
途中で涙を流しながら、だが止まることなく言い切る飛鳥。
あまりの痛々しさに目をそらしてしまいそうになる匡近だが、口を挟んできたユグドラシルの一言によってすべてが解決した。
「マサチカにアスカよ、この国は一夫多妻制じゃぞ? 何を諦める必要があるのじゃ」
それを聞いた飛鳥は呆然としていたが、次第に顔が赤くなっていく。
そのまま匡近の方へよたよたと歩いて来ると、崩れるようにして抱きついた。
「よかったよ〜! ユグドラシルに取られちゃったかと思ったもん〜! 私のほうがずっと好きだったのに〜! 匡近のバカぁ〜!」
涙で顔をグシャグシャにして言う飛鳥。
「え、えっと、じゃあ? 飛鳥はどうしたいの?」
ガラス細工に触れるように慎重に匡近が飛鳥へ聞いた。
そうすると、飛鳥はピタリと泣き止み、匡近に抱きついたまま言った。
「匡近と結婚したい! ユグドラシルちゃんに追い越されたのは癪だけど、匡近を好きって気持ちは負けないもん」
「マサチカ、どうするのじゃ? お主は二人を等しく愛せるのかのう?」
飛鳥に言い寄られ、ユグドラシルに煽られ、匡近は勢いに任せて言い切った。
「ありがとう、飛鳥。俺も、飛鳥のことが好きだよ。・・・俺と、結婚してくれ」
飛鳥に膝をつき、魔法を使って生み出した純銀の指輪を渡す。
飛鳥は顔を真っ赤にし、指輪を受け取った。
「よし、それじゃ、ちょっと話でもするか。主に過去について」
先程の話に一段落つき、気持ちを切り替える匡近。
とりあえず朝ご飯を食べきり、片付けてから、匡近は話を始めた。
◆◇◆◇◆
「飛鳥もそうだけど俺が住んでた国は日本って国。星の名前は地球って言って、この世界にありふれている魔物なんておとぎ話の世界だったんだ
「そうそう。だから冒険者なんていないし、特に日本ではそもそも武器を持つことが法律で禁止されてるんだよ
「まぁ、それだけ平和だってことじゃない? だから日本だと教育が充実してるんだよ。15歳までの教育義務があるほどだからね
「あ、あと、魔法なんてのも空想上の話だよ。この世界に来て魔法があることに俺は一番驚いたな
「何があるのかって? うーん、地球だと科学技術の発展かな。馬車ってあるでしょ? 地球だと馬車が全盛期だったのって400年くらい前の話だし
「人が空を飛んで移動できる機械が発明されたのだって100年前くらいだし、そういう意味では進んだ世界だったね
「ああ、そうだ。俺がこの世界に来たときの話だっけ
「さっき言った教育を受ける場所、学校って言うけどそこから家に帰ろうとしてるときかな。いつもは飛鳥といっしょに帰ってるんだけど珍しく風邪引いたらしくて1人で帰ろうとしたんだ。
「そしたら急に目の前が真っ白になって、気がついたらこの世界に来てた。そんなあっさりした感じだよ
「ん? どうしたの飛鳥。なんでもない? じゃ、いいか
「その後はユグドラシルと出会って、王都に来て、レラさんに会って、飛鳥と再会して、アイネとクライネと会って。皆が知ってる通りね
「確かに日本に未練がないかって聞かれたらないとは言い切れない。でも、日本にいても今ほど充実した生活はなかったと思う。今は心残りだった飛鳥もここにいるしね」
◆◇◆◇◆
「匡近ぁ・・・好き」
匡近の話を聞き、感動したのかひしと抱きつく飛鳥。
「あるじ様って異邦人だったんですね! 確かにすごくお強いなとは思っていたのですが、異邦人なら納得です!」
「? ユグドラシル、これまでにその異邦人ってのはやっぱ前例があったの?」
「そうじゃな。ここ数百年じゃとそこそこの人数はおるぞ。有名なのは勇者とかじゃな」
そんなやり取りのあと、ユグドラシルが改めて言う。
「よし、マサチカのこともよく知り、より一層愛が深まった! そのまま、新婚旅行も兼ねてオリブ皇国へ出発じゃ!」
読んでいただきありがとうございました!
匡近もついにハーレム野郎ですね!(褒め言葉)
ここからは匡&ユグ以外の皆の修行パートです!
のんびり生活するのに修行って・・・
ま、たまには、ね?
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