15話《『創賢者』→大金持ち》
15話です!
楽しんでいってください!
「お、来ましたね。Sランク冒険者、マサチカ様。換金の準備はできているので、裏の練習場にお願いします」
匡近がSランク冒険者となった翌日。
ギルドへ顔を出すと、そのまま練習場に案内された。
「ちょっとずつ出しますね。『《アイテムボックス・リスト》』」
まずは、と、低階級の魔物から出していく。
「ほんとに状態も綺麗ですね。まるで魂だけ抜けたみたいな感じです。これなら換金額の最大量出せますね」
空中から出された魔物を見て、作業員はコメントする。
換金作業が5割ほど進んだ頃、練習場に入るドアが勢いよく開けられた。
「たのもう!! 魔法学会会長アルメス・フォレスである! エンドーマサチカはおるか!?」
アルメスと名乗るローブにとんがり帽子の老人は、匡近を見つけると、飛びかかって肩を掴んだ。
「貴様、先日アルヴァントを救っただろう? どうやった。そしてその魔物はどう運んだ! 言え!」
「アルメス、ちとうるさいのじゃ。妾の主に尋問とは、死ぬか?」
ものすごい形相で詰め寄るアルメスに、ユグドラシルは殺気を立てて睨みつける。
「え、ユグドラシル知り合いなの? なんかすごい人っぽそうだけど」
「誰かと思えばユグドラシルではないか! え、ちょ、あ、ごめんなさい。あ、その魔法ダメなヤツ! まじで死んじゃうやつ! わしじゃディスペルできないの知ってるだろう!?」
気さくそうに話しかけるアルメスに、ユグドラシルは鬱陶しそうな表情をすると、紅く輝く魔力球を生み出した。
それを見たアルメスは、滝のように汗を流して謝罪する。
ユグドラシルはため息をつくと、渋々魔力球を消した。
「この老いぼれはあれじゃ、巷で大賢者とか呼ばれてる名前負け過ぎるジジイじゃ。昔に精霊魔法で召喚されての。生意気じゃったからシメたことがある程度の関係じゃよ」
「いやそんなことより! マサチカ君! この魔物たちはどうやって運んできたのかね!? ぜひ教えてくれたまえ!」
研究バカという言葉を人物として目の当たりにした匡近。
だが自分に特に不利益は無いと、アイテムボックスについて教えようとすると、ユグドラシルに止められた。
「待て待て。流石に新魔法をなんの対価もなしに教えるとは良すぎる話じゃ。お前は何をくれるんじゃ?」
「そうだな、では、ひとまず情報量として2億ギメル渡す。そしてその情報が確かならわしが魔法学会の名を持って創賢者の称号を渡そう。足りるかい?」
「ま、ちと少ない気もするが、いいじゃろう」
急に真剣な顔になったアルメスが、聞いたことのない額を前金として提示してきた。
その後に言われた称号の授与に関しては知らないものだったが、ランガや受付嬢の反応を見るに『アルヴァントの騎士』以上の称号であるのだろう。
あまりの対価に断ろうとする匡近だが、ユグドラシルの渋々といった表情やアルメスの申し訳無さそうな顔を見るに、対価が少ないのであろうと察した。
「自分にはとても多い報酬ですが、断るのも申し訳ないですね。えっと、俺が考えたのが《アイテムボックス》という魔法でして、これは転移魔法を応用して・・・」
説明を始めた匡近に目を輝かせて耳を傾けるアルメス。
イメージするものや魔力量、詠唱を一通り教え終わると、アルメスは誕生日プレゼントをもらった子どものような様子でアイテムボックスを開け閉めしている。
「いや〜! これは素晴らしいな!! 初級魔法並みの魔力で馬車1個分の荷物をいれることができるとは! しかも重量制限もほぼ無い! 他次元空間の範囲座標に干渉して収納するとはな! あー、生きててよかった~」
大興奮である。騒ぎが人を呼び、多くの冒険者が集まった練習場でひと目もはばからずにガッツポーズで涙を流すアルメスの姿に、魔法学会会長の威厳はなかった。
「おっと、騒ぎすぎたな。マサチカ君よ、このことは公表してもいいかね? 許可をいただけると称号の授与もスムーズに行えるのだが」
「そうですね。特に自分に不利益はありませんし。あ、言うの忘れてましたけどアイテムボックスに物が入ってる状態で死ぬと中身が全部ぶちまけられますんで注意してください。一応異空間への干渉が強制的に断たれることになるんで簡単な装置でも作れば場所と死因が何かはわかるようになりますよ。このことは伝えておいてください」
「ほう、治安の面も完璧か。流石だな。よし、その装置はこちらで創ってみよう。感謝するぞマサチカ君! 場が整い次第呼ぶだろうからその時は頼んだよ」
アルメスが去り、また魔物を渡していく匡近。
アイテムボックスの中身もほとんどなくなり、すべての魔物の鑑定が終わった。
「マサチカさん、とりあえず魔物はすべて見させていただきました。報酬の準備をしますのでカウンターでお待ち下さい」
そう言われて戻っていく匡近。
いつもの受付カウンターへ行って待とうとしたとき、聞き忘れたと受付嬢が戻ってきた。
「報酬ですが金貨でよろしかったですか? かなりの量になりますが」
「大丈夫ですよ。アイテムボックスもありますし」
「承りました。何回かに分けて持ってきますね」
報酬を取りに行った受付嬢を待つと、台車に大量の金貨を乗せて戻ってきた。
「えっと、今回の報酬が全部で6億8千万ギメルです。内訳は必要でしたら用意しますね。金貨換算で6万8千枚となります。これでとりあえず5000枚でっと。次のやつも持ってきますね」
匡近はツッコミを諦め、持ってくる金貨を片っ端からボックスに入れていく。
アイテムボックスに入っている金貨の枚数がちょうど6万8千枚増え、報酬の受け渡しが終わった。
「いやー、稼ぎましたねー。あ、あと、アルメス会長から2億ギメルもすでにこちらにあります。こちらも金貨でいいです?」
受付嬢がまた奥の部屋に行って金貨を取ってくる。
更に2万枚、金貨を収納し、すべての受け取りが終わった。
「あっという間に9億ギメルですか。家でも買ったらどうです? かなり大所帯になってきてますし」
「あー、そうですね。家買ったほうが自由度高いですよね。買うか。家」
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